レジデントノート

米国にて内科修行中。何ができるか模索している過程を記録していく

緩和ケア

 

緩和ケアは慢性で治癒が困難である重篤な疾患に罹患した患者のQOLを改善し症状を和らげることを目的としている。ただそれは必ずしも治療オプションがなく、予後が限られていることを意味しているわけではない(1)。緩和ケアは重篤な疾患によってもたらされる身体的、精神的、スピリチュアル的、社会的、といったそれぞれの苦悩に取り組み、患者と家族の希望・尊厳を保ち、自主性を重んじることを目指す

 

 

 

緩和ケア (PC: palliative care) は三つの要素から成り立っている

primay PC(すべての臨床家によってもたらされる、QOLに対する基本的な配慮)

specialist PC(重篤な疾患の全期間、理想的には診断の時点から、もたらされる)

hospice care(終末期(およそ予後6ケ月未満))

 

 

 

primary PCは全ての臨床家(primary careと専門家)が患者の多くのニーズを満たす基本的なケア(基本的な痛みのコントロール、advance care planning、等)を提供することによってもたらされる

 

 

 

時に複雑な状況がより援助的な生活基盤(caregivers, social services, )を必要とする場合がある。specialist PCによって紹介医、患者、caregiverに対しさらに細やかな援助を提供することができる

 

 

 

患者が延命治療を控え、疾患が通常の転帰をとった場合生命予後が6ケ月未満(Medicare-determined)と判断された場合はほとんどの商業的保険とfederal health coverage(Medicare / Medicaid)によって、hospice careを受けることができる

 

 

 

specialist PCは重篤な疾患の経過のいつの時点においても患者を評価し、治療を行うものである

 

 

 

hospiceとspecialist PCは聖職者、social worker、薬剤師を含む共同チームとして患者とcaregiverのニーズを扱い、提供される

 

 

 

hospice careは在宅あるいは長期療養施設において提供されるのに対し、specialist PCは主に入院あるいは外来において提供される 

  

 

PC (palliative care)  VS  hospice

・両方とも症状に対する細やかな対応、治療ゴールおよびadvance care planningの明確化を通してQOLを最大限にすることを目標とする

 

・PCは生命予後の限られた疾患のいつの時点(診断から死亡まで)においてもアクセスできるのに対し、hospiceは終末期(生命予後6ケ月未満)の間のみアクセス可能である

 

・PCは延命治療あるいは根治的治療と同時に提供されることが可能であるのに対し、hospiceの場合は延命治療を控えなければならない

 

・PCでは治療および入院に対する制限がないが、hospiceの場合は症状に対するマネージメントが他にない場合を除いては入院を避けることをゴールとする

 

 

 

 

入院の時点でspecialist PCを考慮する基準(2)

surprise:患者が12ケ月以内に死亡したとしても驚かないと考えられる

frequent admissions:同じコンディションに基づく数ヶ月内の繰り返す入院

complex symptoms:困難な症状あるいは精神的ニーズによる入院

complex care requirement:機能的な依存あるいは複雑なhome supportを要する

failure to thrive:生活機能の低下、体重低下、自分でケアができない

advance care planning needs:advance care planningの手続き、あるいは話し合いをしたことがない

limited social support:家族のストレス、慢性精神科疾患、caregiverの不在

limited prognosis:進行悪性疾患、認知機能低下を伴う股関節骨折、院外心肺停止

 

 

 

 

 

多くの病気で予後予測を行うことは困難である。そのため疾患毎の予後予測ツールがつくられてきた。しかし臨床家は、これらのツールはpopulation-based dataに基づく予測であって、患者個人ごとの臨床に関連するすべての要素が組み入れられているわけではないため、その限界を理解しなければならない

 

 

悪性疾患・全身状態

Karnofsky Performance Status

0から100点までの10点ごとのスケール。セルフケア、日常生活機能および歩行に関するfunctional statusの評価。100点は正常・問題なし、0点は死亡。予後をdays、weeks、monthsかで予測(3)

 

Eastern Cooperative Oncology Group

0から5点までのスケール。セルフケア、日常生活機能および歩行に関するfunctional statusの評価。0点は制限なく病気以前のすべての活動が可能、5点は死亡。生存予後をdays、weeks、monthsかで予測(4, 5)

 

Palliative Performance Scale

歩行、可能な活動、病気の進展、セルフケア、摂食機能、意識レベルによる評価。生存予後をdays、weeks、monthsかで予測(6)

 

Palliative Prognostic Score

Karnofsky Performance Status、白血球数、リンパ球パーセンテージ、呼吸困難と食思低下の有無で評価。30日生存率を予測(7)

 

 

 

COPD

BODE index

B: Body mass index、O: FEV1%、D: dyspnea severity by Modified Medical Reserch Council Scale for Dyspnea、E: exercise capacity by 6-minute walk。およそ4年生存率を予測(8)

 

 

 

心不全

Seattle Heart Failure Model

様々な臨床的、薬理学的、device、検査的指標に基づいて評価。1, 2, 3年生存率を予測(9)

 

Multiple estimation of risk based on the emergency department score in patients with acute heart failure

以下の13のリスクファクターによる評価:Barthel Score(日常生活におけるfunctional statusから算定)、年齢、収縮期血圧、呼吸数、検査指標(NT-pro BNP, カリウム, troponin, creatinine)、酸素飽和度、急性冠症候群・心電図上心肥大・NYHA class IV status・low-output symptomsの有無。30日死亡率を予測(10)

 

 

 

 

認知症

Functional Assessment Staging Tool (FAST)

16 stage / substages (Stage 1-7f)によって認知機能および行動機能を正常から重度まで評価。Score 7cは生存予後が6ケ月以下に相当(11)

 

Mortality Risk Index

年齢、性別、経口摂取、排便、運動、意識レベル、悪性疾患・不安定な内科疾患・心不全の有無の12の指標から評価。6ケ月の死亡率を予測(12) 

 

ePrognosis

コミュニティ、nursing home、hospice、入院における高齢者の複数の予後指標のsystematic reviewから集積(13)

 

 

 

 

End-stage renal disease

6-month mortality on hemodialysis

surprise question (この患者が6ケ月以内に死亡したら驚きますか)、アルブミン、年齢、認知症の有無、peripheral vascular diseaseの有無から算定。維持透析6ヶ月での生存予後を予測(14)

 

12-month mortality with stage 4 or 5 chronic kidney disease

surprise question for 6 months and 12 months、年齢、Modified Karnofsky Performance Index(0点:正常、1点:労働不能、頻繁の治療を要する、3点:生活不能、special careを要する)から算定。advanced CKDにおける12ヶ月の死亡率を予測(15)

 

 

 

End-stage liver disease

Child-Turcotte-Pugh

総ビリルビン、アルブミン、INR、肝性脳症の重症度、腹水の指標から評価。肝疾患の重症度を算定。必ずしも予後と関連しない(16, 17)

 

Model for End-Stage Liver Disease

総ビリルビン、クレアチニン、INRから評価。2006年のスタディでは血清ナトリウムを指標として追加した方がより予後を正確に予測できることが示された。90日死亡率を予測(18, 19)

 

 

 

 

Multisystem and critical illness

Charlson Comorbidity Index

19の異なるmedical conditionあるいは疾患の有無から算定。1年および10年死亡率を予測(20)

 

Acute Physiology and Chronic Health Evaluation (APACHE)

生理的指標、年齢、以前の健康状態を使い重症度を評価。ICUでの死亡率を予測(21, 22)

 

 

 

 

 

 

 

症状マネージメント

 

<疼痛>

 

病歴聴取および身体診察は適切な疼痛管理において不可欠である。痛みの原因は様々で、筋膜、神経、骨、内臓などによる。重篤な患者でさえも注意深い病歴聴取によってオピオイドの間違った使用を避け、あるいは非薬剤性の治療への変更(mindfulness, 理学療法, transcutaneous nerve stimulation)を可能にする場合がある

 

非オピオイド性薬剤にはアセトアミノフェンあるいはNSAIDsが含まれ、軽度の痛み(疼痛 score 1-3(10点中))に使用される。中等度の痛み(疼痛 score 4-6)にはオピオイドと非オピオイド薬剤が併用されることが多い

 

 

患者がアセトアミノフェンの混合剤(oxycodoneとの)や市販薬を使用している場合は過剰投与に注意する必要がある。アセトアミノフェンの1日最大投与量は4gを超えてはならない(肝疾患を有する場合は2gまでである)

 

 

重度の疼痛(疼痛 score 7-10)の場合はオピオイド投与が中心となる。追加投与としてNSAIDs、コルチコステロイド、抗てんかん薬、抗うつ薬などが特定の疼痛症候群(神経性疼痛など)に使用される場合がある

 

 

オピオイドは経口剤が便利、低価格、安定した血中濃度という理由で好まれて使用される

 

注射オピオイドが必要な場合は静注あるいは皮下注が好まれる。静注投与が最も速く効果を発揮するが、持続時間が最も短い

 

経皮的オピオイドがオピオイド耐性で慢性疼痛を有する患者に有効である

 

短時間作用型オピオイドのみでは慢性あるいは癌性疼痛のコントロールには不十分であることが多い。徐放性morphine / oxycodone、貼付fentanyl剤などの長期作用型オピオイドが24時間の疼痛カバーに有効である。ただ短期作用型オピオイドも必要に応じてbreakthrough painに使用される必要がある

 

 

 

PCでよく使用される非静注オピオイド

 

Morphine

IR (immediate release) (錠剤, 液体, 濃縮液)

onset: 15-30 min,  peak at 60 min,  duration: 4h

経直腸投与可、舌下液は口腔粘膜でなく消化管で吸収される。腎不全では投与を避ける

 

ER (extended release) (錠剤, 液体, 濃縮液)

onset: 2-4h,  duration: 8-12h

錠剤は破砕できない、経口あるいは経直腸投与。腎不全では投与を避ける

 

 

Oxycodone

IR(錠剤, 液体, 濃縮液)

onset: 15-30 min,  peak at 60 min,  duration 3-6h

morphineより比較的安全

ER(錠剤)

onset: 1h,  duration: 8-12h

禁忌あるいは費用の問題がない限り長期作用型morphineを先に試すべきである

 

 

Fentanyl

IR(buccal tablet, "film or トローチ")

onset: 5-15 min,  duration: 4h (最大1日投与回数:4回)

オピオイド使用歴のない患者では推奨されない。使用前に専門家コンサルトが推奨される

 

ER(貼付剤)

onset: 12-18h(初回),  duration: 72h

開始前に患者は少なくとも60 oral morphine equivalents(後述)を服薬している必要がある。投与量調整のためには貼付から3日間待つ必要がある。体温および悪液質は吸収に影響する(発熱は吸収を促進する、皮下脂肪は吸収を抑制する)。腎不全においてもっとも安全な薬剤

 

 

Hydromorphone

IR(錠剤, 液体)

onset: 15-30 min,  peak at 60 min,  duration: 4h

腎不全および肝不全において比較的安全。経口あるいは経直腸投与可

 

ER(錠剤)

onset: 6-8h,  duration: 24h

米国ではER剤は1形態のみ利用可。使用前に専門家コンサルトが推奨される

 

 

 

 

過剰投与を避けるために、長期作用型薬剤の投与量は短期作用型薬剤の24時間での必要量に応じて決定されなければならない。長期作用型薬剤投与量は24時間総投与量の50〜75%に設定される。breakthrough painに対し薬剤が頻回に必要となる場合は、長期作用型オピオイドは3〜4日毎に増量されることになる。breakthroughオピオイドを投与する場合は24時間必要量の10〜15%の短期作用型薬剤として処方される

 

 

 

morphine equivalents

 

1:2:3 rule

1mg静注/皮下注morphine

2mg経口oxycodone

3mg経口morphine

(それぞれ等力価)

 

30:20:10:7.5:1.5 rule

30mg経口mophine

20mg経口oxycodone

10mg静注/皮下注morphine

7.5mg経口hydromorphone

1.5mg静注/皮下注hydromorphone

(それぞれ等力価)

 

 

この換算式は暗記するよりも比率を利用することで等価量を計算することに役立つ。例えばER oxycodone 30mg 1日2回、IR morphine 10mg 1日4回投与されている患者の場合

・oxycodone 30mg x 2 doses = 60mg x (30mg経口morphine/20mg経口oxycodone) = 90 OMEs (oral morphine equivalent)

・morphine 10mg x 4 doses = 40 OMEs

 total 130 OMEs

 

 

 

codeine、tramadol、morphineは腎機能が低下している患者で投与する場合は注意が必要である。meperidineは経口bioavailabilityが一定でなく、高用量を長期投与する場合、あるいは腎機能が低下している患者では神経毒性を有する代謝物が蓄積し、痙攣の閾値を下げたり、神経毒性を発揮したりする。methadoneは投与量の調整が難しい。半減期に比べonsetがかなり短く、過剰投与のリスクが高くなる

 

 

 

 

 

 

オピオイドの副作用には嘔気、便秘、掻痒感、鎮静がある

 

 

鎮静はたいてい耐性ができ1〜2日で消失する。また投与量減量、ローテーション、あるいは他のオピオイドへの変更で改善できることが多い

 

 

オピオイドを毎日使用する患者には刺激性下剤(senna, bisacodyl, )あるいは浸透圧性下剤といった便秘薬の予防投与が必要になり、排便の状態によって投与量を調整しなければならない。便軟化剤(docusate)のみでは不十分である(23)。便秘予防薬投与でも便が2日に1回以上でない場合はlactulose(モニラック)やpolyethylene glycol(マクロゴール)といった浸透圧性下剤を投与する必要がある。polyethylene glycolは低価で、副作用が少なく、効果的である。lactuloseも効果が高いが、副作用で患者が服薬できないことが比較的多い

 

 

オピオイドに関連する掻痒感や蕁麻疹は真のアレルギーではなく、ヒスタミンの放出に起因する場合が多い。 オピオイドの種類を変更するか、非鎮静性抗ヒスタミン剤を追加することによって症状を和らげることが可能である

 

 

オピオイドによる嘔気は通常3〜5日間で弱まる。metoclopramide(プリンペラン)やprochlorperazine(ノバミン)のような抗ドーパミン制吐剤によって治療ができる。ondansetron(ゾフラン)も治療抵抗性の場合に有効である。オピオイドの血中レベルが間歇的にpeakを迎えるよりも安定している方が嘔気が起きにくい場合がある。短期作用型オピオイドを定期的あるいは短い間隔で投与した方が血中濃度が安定し嘔気嘔吐を減らせるかもしれない。長期作用型や貼付剤に変更することでよりオピオイドの血中レベルが安定する

 

 

 

 

 

内臓性の疼痛は通常、鈍く、疝痛性で、局在がはっきりせず、嘔気や発汗などの自律神経症状に関連する不快感を伴う場合が多い。内臓性の痛みは通常、伸展、捻転、炎症などに起因し、膵臓、肝臓、腎臓、腸管などの癌に伴うことが多い。薬剤、運動不足、疾患などに起因する重度の便秘で起こる場合もある。疝痛に対し抗コリン薬が使われる場合もあるが、口腔乾燥、便秘、鎮静などの副作用と関連する。腸管閉塞に伴う痛みには緩和的手術が有効な場合がある。オピオイド抵抗性の痛みには腹腔神経叢や内臓神経の交感神経ブロックが効果的であるかもしれない

 

 

 

 

神経性疼痛は持続的あるいは間歇的で、灼熱感、ヒリヒリ感、刺すような痛み、電撃痛などと表現され、多くの場合中枢あるいは末梢神経に対する直接の侵害に起因する。癌の場合神経根の圧迫や神経への浸潤で起こることがある。神経圧迫の場合はコルチコステロイドが腫瘍の浮腫を改善し、また特定の腫瘍を溶解することによって圧迫と炎症による疼痛を軽減し、かつ食欲とenergy levelを増強させる。コルチコステロイドは脊髄圧迫および頭蓋内浮腫による頭痛と嘔気の主な治療薬である。補助的治療として低用量のdexamethasone(2〜4mg 1日2回)が十分であるが、脊髄圧迫の場合は高用量を必要とする

 

 

 

末梢性神経障害や神経根障害は癌の有無によらずよくみられる。神経性疼痛には様々な治療薬があり、gabapentin(ガバペン)やpregabalin(リリカ)などが有効である(24)。duloxetine(サンバルタ)も鬱を伴う患者には有効かもしれない。venlafaxine(イフェクサー)も米国ではoff-labelで使用されている(24)

 

 

内臓腫瘍による肩の疼痛といった関連痛、あるいは癌や化学療法に伴う痛風、などの骨格筋系の疼痛も認められる。骨転移の場合は放射線治療、コルチコステロイド、ビスフォスフォネート、侵襲的治療(冷凍切除、ラジオ波焼灼術)などの治療が高い効果を認める

   

 

 

 

<呼吸困難>

 

呼吸困難は心・呼吸器に関連しておこるのが通常だが、衰弱、消耗症候群、神経発達障害、不安、抑うつによっても起こる。胸水、肺炎、貧血、腹水など治療可能な場合は随時治療を行う。呼吸困難感は患者の主観的な症状であるがvital signにかかわらず速やかな対応をすべきである。呼吸困難感の強さは呼吸数、動脈血液ガス、酸素飽和度、補助呼吸筋の使用などとは必ずしも一致しない

 

 

非薬剤治療による効果が認められている(25)。呼吸理学療法は慢性の呼吸困難感を減らし、運動耐用を高める(26)

(呼吸困難に対する非薬物療法的介入を評価した47のstudiesのsystematic reviewでは呼吸トレーニング、歩行補助、神経電気筋刺激、胸壁バイブレーションが症状緩和に有効であることが確認された。音楽療法、リラクゼーション、fan use、カウンセリング、精神療法の有効性を認めるdataは不十分であった(27))

 

 

 

低用量の経口morphine(1日累積投与量10〜20mg)(28, 29)が呼吸困難に対する薬物療法のgold standardで慢性呼吸器疾患患者での有効性が証明されている(30)

 

 

オピオイドのtitrateが急過ぎるとオピオイドを使用したことがない患者では呼吸抑制が起こり得る。しかし患者の肝腎機能、オピオイド耐用性に基づいて選択使用すれば、臨床的に有害な呼吸抑制、CO2 retentionをきたさず、また死を早めることなく呼吸困難感を軽減することができる。American College of Chest Physiciansは呼吸困難に対するオピオイドを含んだaggressive treatmentを支持している(31)。他のオピオイド(fentanyl, hydromorphone)はよく調べられていないが、morphineが使用できない場合は使用が考慮される

(83人のオピオイドを使用したことがない緩和ケアを受けている患者(54%はCOPD)のobservational studyでは長期作用型経口morphine 10mg/日(必要に応じてtitrate、最大30mg/日)を投与した結果、多くの患者(62%)で少なくとも呼吸困難感が10%減り、70%の患者は1日必要量が10mgだけだった。呼吸抑制を認めたり、あるいは入院を必要とした患者はいなかった。3人に1人の患者で3ヶ月後も利益が継続した(29))

 

 

 

ベンゾジアゼピンは呼吸困難が不安によって悪化するような患者では有効である場合がある。低用量のオピオイドの安全性は証明されているが、ベンゾジアゼピンとの併用でより多くの副作用と関連する。よって患者のゴールと予後を考慮して使用する必要がある(32)

 

 

末期の患者で低酸素血症を伴う場合は酸素投与が呼吸困難の軽減に有効であるが、低酸素血症を伴わない患者ではmedical airと差が認められない(33)

(難治性の呼吸困難を有し、baseline PaO2 55mmHg以上の患者239人で行われたdouble-blind, randomized, placebo-controlled studyでは7日間経鼻カニュラで、酸素を投与したグループと空気を2Lを投与したグループの比較において呼吸困難感の改善に両者間で差は認められなかった(31))

 

 

 

 

<嘔気>

 

嘔気は様々な原因で起こり、その原因を理解することは有効な治療決定のガイドとなる

 

オピオイドに起因する嘔気はmetoclopramide(プリンペラン)、prochlorperizine(ノバミン)などの抗ドーパミン薬が最も効果的である

 

化学療法による嘔気はセロトニン拮抗薬(ondansetron(ゾフラン))やolanzapine(ジプレキサ)などが有効である(34, 35)

 

コルチコステロイドは化学療法レジメンとして他の制吐剤に追加されたり、あるいは頭蓋内圧上昇による嘔気の主要な治療薬として投与される

 

不完全な機械的的腸閉塞ではstandard治療としてdexamethasoneとmetoclopramideが使われる。 octreotide(サンドスタチン)の有効性に関する評価は定まっていない(36)。高度の腸閉塞ではoctreotideとventing gastrostomy tubeが必要になる

 

蠕動運動低下はmetoclopramideが最も効果的であり、放射線治療に起因する嘔気はセロトニン拮抗薬によく反応する

 

抗コリン性抗ヒスタミン剤(scopolamine, meclizine)はmotionに関連する嘔気や後頭蓋窩病変(小脳梗塞や転移)に有効である(37)

 

嘔気が治療抵抗性の場合は類似した作用の他の薬に変更するよりも、異なるクラスの薬剤を追加した方が相乗的に働く場合があるため推奨されている

 

 

 

<せん妄>

 

せん妄は末期患者でよくみられる。せん妄は進行癌、鬱病を併発している、あるいは死期が近くない場合においても、高齢者でのoutcome(生存率、罹患率)の悪化に関連している(38, 39, 40, 41)

 

 

せん妄は急性におこる意識の変容であり、注意散漫、不穏、活動性低下などの形で表れるが、認知症における慢性的な認知機能の変化と区別する必要がある。

治療可能なせん妄の原因(ベンゾジアゼピンなどの副作用、疼痛、尿路閉塞、bowel impaction、眼鏡の欠如や耳垢などによる感覚器の喪失) はまず非薬物療法で対応すべきである。低用量のhaloperidolがよく使われるが、スタディではreorientationなどの非薬物療法以上の効果を認めていない。haloperidolなどに反応しない不穏や興奮はより鎮静的な薬物が効果を発揮する

 

 

終末期の患者では複数の原因による終末期せん妄を経験する。ベンゾジアゼピンは一般的には終末期でない患者に対し、さらなるせん妄の悪化が起こり得るため投与を避けるべきとされている(42)。しかし、近年のエビデンスでは進行癌で興奮性せん妄をきたした入院患者に対しneurolepticにベンゾジアゼピンを追加投与することで効果が認められるとされている(43, 44)

 

 

終末期を迎える患者は様々な原因で不穏をきたす。それにはせん妄、疼痛、不安、呼吸困難などが含まれる。不穏がせん妄と判断される前にまず可逆的な原因(疼痛など)があるかを評価すべきである

 

 

終末期の患者では過活動や無気力となりえる。うめき声、補助呼吸筋の使用、呼吸数上昇、頻脈、発汗を認める場合があるが、これらの症状は非特異的で、必ずしも苦痛と関連せず、さらなる評価や対応を必要とするわけではない。不規則な呼吸や気管分泌物(”死前喘鳴”)が家族から見れば苦痛にあると判断されることがあるが、臨床家は家族教育の重要な役割にあり、終末期の予測される通常の過程であるか、非典型的で評価を必要とする状態であるかを伝える必要がある

 

 

亡くなる1〜2日前に分泌物による呼吸音に対し抗コリン薬が投与されることがよくあるが、はっきりした利益が確認されておらず、近年のdataではroutineでatropineやscopolamine patchを投与することを推奨していない(45)

 

 

 

 

<抑うつ>

 

鬱は末期患者に認められることがあり、医師はその評価および治療に対し域値を低くしなければならない。命にかかわる重篤な疾患に直面した時に数日から2〜3週間、士気を失い、一時的に抑うつ気分になることは正常な反応である。しかしそれをうつ病と鑑別することは困難である場合がある。症状がそれ以上続き、鬱病の診断基準を満たす場合は正常ではない

 

治療としてはselective serotonine reuptake inhibitorsが比較的安全であるが、薬物相互作用に、特にホルモン療法(tamoxifen)などを受けている場合は注意が必要である(46)

 

psychostimulants(methylphenidate)は主な禁忌(不安定頻脈性不整脈)がなければ即効性があり有効な薬剤である。methylphenidateの重篤な疾患を有する鬱病患者への効果に関するエビデンスは混在しているが(47, 48)、オピオイドによる鎮静および倦怠感をもつ癌患者に対する有効性を認めるdataが増えている(49)

 

低用量のmirtazapine(レメロン)は不眠と食思低下をもつ鬱病患者に有効である

 

三環系抗うつ薬、duloxetine、venlafaxineは神経性疼痛を有する鬱病患者に考慮されるが、最適効果が発揮されるのに数週間かかるため予後を考慮した上で使われなければならない(50)

 

 

 

 <食思低下>

 

食欲低下および体重減少は末期に近づく癌あるいは進行性疾患の患者でよくみられることである

 

患者が食に対する興味を失うこと、および低栄養状態となることは多くの家族にとって苦悩となる。caregiverは患者が食べなくなることを”あきらめる”と捉えるため、患者は食べなければならない、というプレッシャーを感じてしまう場合がある。患者は食思低下が家族にストレスを与えてしまうことに罪悪感を抱いてしまいうる。患者とcaregiverに食思低下と悪液質に関する教育を行うことで罪悪感の意識を減らし、食の変化を受け入れる手助けとなる。caregiverは患者が社会生活的側面として食事に参加すること、および好みの食べ物を一口か二口だけでも楽しむことを受け入れる必要がある

 

 

予後が不明で終末期が差し迫っていない場合は食欲刺激剤が考慮される。癌に関連する食思低下ではmegestrol(400〜800mg/日) がもっともよく調べられている。systematic reviewではmegestrolが食思低下を改善し体重増加をもたらすが、死亡率の改善は認めず、QOLの改善に対する効果もはっきしていない(51)。副作用には血栓症、高血糖、副腎抑制、性器出血がある。metoclopramide(10mg 1日4回)のような蠕動促進剤は嘔気を減らすが、体重増加は促進されず、食思低下を改善しない。短期間のコルチコステロイド(dexamethaxone 2〜4mg 朝食前と日中に投与)は進行癌の患者で嘔気と食思低下を改善することがいくつかのtrialsで認められている

(癌による食思低下および悪液質をもつ475人の患者で行われたrandomized studyではmegestrolとdexamethasoneが同等の食欲改善と体液増加によらない体重増加を認めた。dexamethasoneはステロイド毒性によってより頻繁に中止された。megestrolは静脈血栓症により高い関連を示した(5% vs 1%)(52))

 

 

  

 

終末期に近い患者に経腸・静脈栄養を行うことはcontroversialである

 

 

経腸栄養は進行した認知症の患者において生存率、QOL、誤嚥性肺炎のリスクに関する利益を認めないとエビデンスが示している。経腸あるいは静脈栄養が人生の残り数週間において、生存期間を延長する、あるいはQOLを改善する、といったエビデンスは現在のところ存在せず、むしろ有害であるという報告もある。体重減少および食思低下が進行する前に患者と栄養方法に関する嗜好を話し合っておくことは重要であり、後に患者や家族の苦痛を防ぐことに役立つ可能性がある(53)

 

 

 

 

 

重篤な患者は治療ゴールと予後に関する話し合いを家族を交えて行うことをためらう場合があるが、多くの場合、医師とはその話し合いをしたいと考えている(1)。患者は医師から見捨てられること、支援的手段および治療からの撤退、家族の感情的な反応などを恐れている場合がある。患者の生命維持治療に関する希望や不安、そして在宅か入院のどちらを望むか、ということに関して患者、家族、他の治療者の間での話し合いを医師は促す必要がある

 

 

 

治療のゴールに関する会話のガイド(REMAP)

・Reframe: Why the status quo isn't working

・Expect: Emotion: Respond with empathy

・Map out what's important

・Align with the patient't values

・Plan to match values

 

(具体的会話例を後述)

 

National Center for Ethics in Health Care 2017

Accessed at www.ethics.va.gov/goalsofcaretraining/REMAP.pdf on 23 Janury 2018

 

 

 

 

多くの医師と家族は治療のゴールに関する話を始めることを患者の希望を取り去ることだと間違って信じている(54, 55) 。患者にその話し合いが、あきらめること、希望がないこと、出来ることがないこと、を意味している訳ではないことをしっかりと伝えなければならない

 

 

現在の状況が希望に関わっていて、達成できるゴール(痛みのコントロール、歩行や喜びを感じる他の活動を可能にする)を設定することで希望が保てることを患者に伝えることによって患者の不安を軽減し、さらなる話し合いを進めることができる場合が多い

 

 

患者に予後に関する真実の情報を伝え 、治療オプションを説明することで患者の望みが保たれることをstudiesが示している(54)。そのような話を避けると症状による苦痛への治療を制限し、患者の他の心配事に関する評価ができなくなる

 

 

治療のゴールを決定する事と症状に対してしっかり対応をすることを患者に伝えることに加え、疾患の治療方法に関する患者の希望を確認すること、そして患者が自分で判断できなくなった時のための意思決定を行う代理者を決めなければならない。州ごとにその法律が異なっている(56)。事前に意思決定権を委任することを決めておくことで利害の不一致や混乱を避けることができる

 

 

代理者は症状に対するマネージメントおよび疾患が進行した時の治療に関する患者の希望を伝えられ、それをサポートする事に同意する必要がある。代理者は患者の状態が悪化した時に何をすべきか知っている必要があり、また彼らの役割は患者の希望を尊重することであって、その結果に責任を持つことではない事をしっかり伝えておく必要がある

 

 

米国ではGoal-directedで自発的な治療の撤退は倫理的にも法律的にも認められ、physician-aid in dyingや安楽死とは異なるものである。アメリカ連邦最高裁判所および下級裁判所は生命維持装置の撤退と最初からそれを開始しなかったこととの道徳的、倫理的、法的な違いはないことを一貫して表明している。患者は結局その疾患で亡くなるのであり、人工呼吸、経管栄養、血液透析などの治療を控えること、および中断することは法的に認められ、倫理的に自然なことであると捉えられている

 

 

米国ではベンゾジアゼピン、バルビツレート、麻酔薬等によるpalliative sedationは症状の緩和が他の方法によってはできない場合に認められ正当化されている(57)。鎮静の副作用によって意図せず死期を早める可能性があるが、”double effect”と称されている(58)。palliative sedationは倫理的にも法的にも認められている。なぜならその目的は他の治療ではコントロールできない苦しみを和らげることであり、苦痛を緩和すべき医師の責任と一致するからである

 

 

 

 

 

 

治療のゴールに関する会話

 

Reframe

患者の病状に対する理解を確認する。理解が正しければ治療ゴールの話に進む。正しくない場合は状況を説明し、理解を確認してから治療ゴールの話に進む

 

Expect: Emotion: Respond with empathy

臨床家は医学的事実の説明に力を注ぎ、患者の感情への配慮を怠りがちである。これは有害にすらなりえる。もし患者と臨床家の意思決定に不一致が起こった場合は単に患者の理解を促すことよりも、そのもとにある感情を扱った方がより解決につながりやすい

 

NURSE acronym for dealing with strong emotion

N: Name:とても困惑しておられるように見えます

U: Understanding:そんな状況に立たされたらどんな気持ちになるか想像することすら大変に感じます

R: Respect:あなたはお聞きになりたい質問を全てされ、ご家族も連れてこられるというとても重要なこともされました

S: Support:私はあなたがお聞きになりたい質問に答えるためにここにいます

E: Explore:あなたが今お感じになっておられる事を教えていただけますか

  

Map out what's important

治療プランに対する提案を行う前に患者のゴールと価値観を知らなければならない

 

Align with the patient't values

患者の話を聞いてから、臨床家は患者が何を大切にしたいと思っているかを繰り返し、理解が正しいかを確認する

 

Plan to match values

患者の同意に基づく治療プランをつくる。臨床家が患者の価値観に基づくと考えられる治療法を提案することは有効である事が多い

 

 

 

会話例

 

あなたの病気について理解していることを教えてください (R:reframe)

(患者:私はこの治療で良くなっていない。他に何か良い治療があるはずだ)

 

より有効な治療があればいいなあと私も願います (E:expect/empathize)

 

他の医師からどのような説明を受けていますか (R)

 

あなたの病気は今どんな状況にあると感じていますか (R)

(患者:私はCOPDを患っている。この数週間呼吸が悪化している。でも今までずっとこうやってきたし、また良くなると思っている)

 

あなたはこの病気と長い間向かい合われてきたのですね (E)

 

そして今私たちはもしかしたら違う場所に立っているのかもしれません (R)

(患者:どういう意味ですか?もしかして私にあきらめろと言っているのですか)

 

 

いえ決してそういう意味ではありません。でも、あなたが言われる「あきらめる」という意味について教えていただいてもよろしいでしょうか (R)

 

 

もしかしたら一旦立ち止まって今からどこを目指していくかを話し合うのにちょうど良いタイミングかもしれません (R)

 

今日はあなたの病気が一般的には今後どのような経過になっていくかをお話してみたいと考えていましたが、いかがでしょうか (R) 

 

 

 

Bad newsを伝える

Fire a warning shot

検査結果は望んでいたものではありませんでした

重大なことを伝えなければなりません

  

Be clear and direct

生検の結果癌が見つかりました

癌が肝臓と肺に再発しています

 

Shut up

情報を伝えたあと会話をとめる

 

 

これが何を意味するかお話させていただいてもよろしいでしょうか (R)

 

(患者:他に何かできることはないんですか、ほんとうにあなたは全て調べ尽くしたと言えますか)

 

大変心配されていらっしゃるのですね (E)

 

今日あなたはこの事を聞くことを予期されてなかったように感じられます (E)

 

 

患者の経験を完全に理解することはできないが、理解しようとしている姿勢を見せることはできる

言ってはならない事

”あなたがどのように感じているか私には良くわかります”

 

 

(患者:私はもう死ぬしかない、ということを言っているのですか) 

これらの話をお聞きになるのは本当に怖いことだろうと思います。できれば違った話をお伝えできればよかったと感じています (E)

 

(患者:まだ希望はありますか)

どんな状況でも常に希望はあります (E)

 

あなたが不安に感じられている事を教えていただけますか (E)

  

 

この状況の中で、あなたにとって一番大切なことはなんですか (M:map out what's important)

(患者:私にとって一番大切なことは諦めないことです。過去を振り返った時にやれることを全部しなかったと後悔したくないんです)

 

あなたの諦めないという姿勢を尊敬します (E)

 

あなたにとって一番重要なことは諦めないことなんですね (A:align with patient's values)

 

時間が限られているかもしれない中で、あなたにとって最も重要なことはなんですか (M)

 

今から先の事を考える時、あなたはどんな事を避けたいと考えていますか (M)

 

これからの事を考える時、あなたにとって最も大切なことはなんでしょうか、QOLでしょうか、どれくらい長く生きられるかでしょうか (M)

 

 

あなたのお話を聞くかぎり、あなたにとって最も大切なことは痛みがコントロールされ、家族とより多くの時間一緒に過ごせることのようですね。また再び呼吸器に繋がれることのような痛みや苦痛を受けたくないようですね。そういう理解で正しいでしょうか (A)

 

何が重要かというあなたのお話からすると、少しでも長く生きられる可能性があるのなら、たとえそれが機械によって生命が維持される場合であったとしても、いかなる治療をも追求されたい、あなたはそのように考えられている (A)

そのような理解で正しいでしょうか

もしこんな状況なら機械による生命維持を希望されない、そんな状況で思い浮かばれることはありますか (M)

 

 

私から提案をさせていただいてもよろしいでしょうか (P:plan to match values)

 

何が重要かというあなたの話から考えて出来ることがたくさんあります。まず痛みをコントロールすることです。痛みの治療には様々な方法が確立されています。またサービスを利用することで、あなたが家で過ごすことを助け、家族との価値ある時間をより長く過ごすことができます。 新しい薬を試してみてあなたがどう感じられるかによって、それがどれくらい可能かに関する理解が深まります

また今言ったことを全て行うことに加え、CT scanや血液検査を行ったり、また人工呼吸器につなぐといった蘇生術を行うことは、あなたが言われたゴールから考えると、必ずしも役に立つものとは考えにくいので今後行わないことを提案したいと考えています

あなたはどう思われますか

 

 

あなたが今言われたことから考えると、これからは症状のコントロールにより注意を注ぎ、家で過ごせる時間を大切にされたい (A)

今後、胸痛が起こる度に入院するということをやめることで、それがより達成しやすくなるかと考えます (P)

あなたはどう思われますか

 

 

あなたが今言われたことから考えると、今後病気が悪化した場合に心肺蘇生術を施したり、人工呼吸器を使用することはあなたの希望とは一致しないように感じます。仮にもしそれが起こってしまった場合、生命維持装置から離脱できない可能性が高いと考えます。たとえ離脱できたとしても、その後自立して生活することがより困難になると感じます。

そういう事は避けられたいと考えらている

その理解で正しいでしょうか (A)

  

 

 

もしあなたの病態が悪くなった時に特別な治療を受けたいか、受けたくないかについてお話させていただいてもよろしいでしょうか

 

心肺蘇生についてあなたが理解していることを教えていただけますか (R)

 

成人の場合、心肺蘇生術を受けても実際助からない場合が多いです。若年者で健康な人の場合は確率が上がります。重い病気を患っている場合はさらに確率が下がります

 

病院で心肺蘇生を受けて助かるのは100人中17人です。逆に言えば100人中83人がなくなります。これらは平均で、残念ながらあなたのように病気を持っている場合はチャンスが低くなります

 

心肺蘇生を受けたくないと想像される状況がありますか (M)

(患者:もし自分の家族を認識できなかったり、自分で意思決定できない場合は心肺蘇生を受けたくないです)

 

 

 

 

 

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2018年3月6日