SMAP理論
新専門医制度に変わると自分はどこに入れてもらえるのだろうか、などと考えるこの頃だが、少し前までであれば「一般内科医」と言えばよかったのかもしれない。循環器や消化器などのサブスペシャリティを持たず内科一般の疾患に対応するとされる医師だ
今までサブスペシャリティを決めずにここまで来てしまったので、おそらく今後もこのまま行く事になるのだろう
いわゆるジェネラリストとして生きていく事を考える時に思い浮かべるグループがある
SMAPである
解散はしてしまったものの、日本のアイドル史上最も成功したグループの一つだろう
その成功の要因を考える時にヒントになると感じる言葉がある
「俺たちは何者でもない」
一人が確かこんな感じの事を言い、他のメンバー全員が同じニュアンスの表現を異口同音に語っていたのをテレビで見た覚えがある
歌っても、踊っても、演技はしても、バラエティーはこなしても、それ一本でやっている人たちには敵わない
劣等感
それとの闘い、そうはっきり口にしていたメンバーもいたが、それが彼らを突き動かしてきた大きな原動力の一つであったと想像する
劣等感、それをあまり好ましいものではないと考える人もいるかもしれないが、個人的には大事にしたいと思っている感覚だ
卑屈になるのではなく、「いつの日か各分野においてスペシャリストに少しでも近づきたい」、オブラートに包まなければ「今に見てろよ」という反骨心
カテやERCPもしなければ、経験数でも及ばないので最初から無理な挑戦でもあるし、ジェネラリストにこそ求められる役割も今後ますます大きくなるであろうから実際専門医と同等になる必要など無いのだろう
ただ「アイドルだからこれくらい出来れば上等」と自分達自身に制限を設けていたら、おそらく劣等感もなかったが、一時代を築き上げる程の達成もなかったであろう事と同様に
自分で限界を決めず「スペシャリストに少しでも近づく」という無謀な理想を持ち続ける
自分の場合、目も当てられない無残な結果になるかもしれないが、それでも、その理想を持たなかった時に比べより成長はできる
そう信じている
また彼らの素晴らしいところはトップアイドルに居続けて何年も経った後に「自分達なんて大したことない」と本心で語っている様に見えたところだ
謙虚さ
これがなかったら一時成功しても、それを維持することは難しかっただろう
自分なんてちょっとでも人から「Good job」なんて言われようものなら額面通りに受け取ってすぐ調子に乗ってしまうし、低いレベルで恥ずかしげもなく傲ってしまうというのに
四十過ぎたオヤジがアイドルグループに自分を照らし合わせていて大分キモいのだが
ジェネラリストとして生きていく上は
「俺たちは何者でもない」
人から言われると「うるせぇ」なんて思ってしまいそうだけど、自分にかける分には可能性を示唆する結構いい言葉だと感じるが
そう自覚し続け、彼らの原動力となった劣等感と謙虚さを見習って、それを維持できるようにしていきたい
(念の為お断りしておきますが、芸能評論家を自称しているわけでもなければ、メンバーの顔写真の入ったうちわを大事に所有しているわけでもございません)