レジデントノート

米国にて内科修行中。何ができるか模索している過程を記録していく

高血圧

 

近年高血圧治療に関するいくつかの新しいガイドラインが発表された(1, 2, 3)。新しいガイドラインでは最近の臨床試験やアップデートされたエビデンスに基づき、かなりの変更が含まれている(1, 2, 3)。いくつかの問題に関するガイドライン間での相違は大きな論争を巻き起こした(4, 5, 6, 7, 8)。専門家が利用可能な科学的根拠を公正に評価しても、そのデータを実臨床にどのように落とし込むかは専門家それぞれで異なる考え方を持ちうるからだ

 

 

ここでは主に2017年に発表されたAmerican College of Cardiology and the American Heart Association(ACC/AHA)のガイドラインをフォローし、臨床的に関連するアップデートを提供する(1)

 

 

 

 

2017年ACC/AHAの高血圧に関するガイドラインの主なアップデート

 

・高血圧と定義される値が下がったことを含む高血圧の新たな分類

 

・外来における正しい血圧測定技術の強調

 

・外来以外での血圧モニタリングも高血圧の診断、白衣高血圧や仮面高血圧(masked hypertension)の評価、および治療決定の指針に利用すること

 

・いつ二次性高血圧の評価を考慮するかのアウトライン

 

・生活習慣および非薬物的治療の強調

 

・アテローム性動脈硬化性心血管疾患10年リスクを計算し薬物治療の開始およびその強度決定のガイドにすること

 

・非薬物的治療を新たに分類された"elevated blood pressure"(血圧上昇)およびそれ以上の値の全ての患者に行うこと(血圧120/80mmHg以上のすべての人)

 

・ステージ1高血圧(血圧130-139/80-89mmHg)でハイリスク患者(アテローム性動脈硬化性心血管疾患の既往、10年リスク10%以上、糖尿病、慢性腎臓病)に対し早期に薬物治療を開始すること

 

・新たに診断されたステージ2高血圧(血圧140/90mmHg以上)の全ての患者に直ちに薬物治療を開始すること

 

・ほとんど全ての患者に対する血圧目標値を130/80mmHg以下とすること

 

・早い段階での薬剤併用を強調

 

・合併疾患をもつ異なる患者へのガイドライン

 

・治療に対する新たな戦略の支持

 

 

 

 

 

成人の高血圧分類

 

正常:収縮期血圧120mmHg未満 かつ 拡張期血圧80mmHg未満

血圧上昇:収縮期血圧120-129mmHg かつ 拡張期血圧80mmHg未満 

高血圧

 ステージ1:収縮期血圧130-139mmHg あるいは 拡張期血圧80-89mmHg

 ステージ2:収縮期血圧140mmHg以上 あるいは 拡張期血圧90mmHg以上

 

2回以上の外来受診で基準値を満たす必要がある

 

 

 

 

 

 

高血圧は疾患および死亡に対する最たるリスクファクターである(9)。世界でおよそ10億人が収縮期血圧140mmHg以上、35億人が理想血圧115/75mmHgより高い値を有する(9, 10, 11)

 

 

高血圧は腎および末梢血管疾患、動脈瘤、網膜症、神経認知機能低下、心房細動などに関連する。また左室肥大、タンパク尿、動脈硬化、白質疾患などの多くの臓器障害の原因となる

 

 

通常の血圧が115/75mmHgから185/115mmHgにある40歳から70歳の人では、収縮期血圧が20mmHg上がる毎に、あるいは拡張期血圧が10mmHg上がる毎に、虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡リスクが2倍に増えていく(12)

 

 

 

以前のガイドライン(13, 14)では140/90mmHgがゴールとされており、European Society of Cardiology and the European Society of Hypertension(ESC/ESH)の2018年のガイドラインでも特定の患者へのゴールとしてはその値が採用されているが(2)、130/80mmHg以下をESC/ESHではほとんどの患者へのゴールとして、またACC/AHAでは全ての患者へのゴールとすることが提唱されている(1)

 

 

 

最近の分析では収縮期血圧130mmHgを目指す事が治療による利益とリスクのバランスを最大限にすることが示されている(15, 16)

 

 

 

総体的な科学的根拠および、高血圧とはその値以上に対して治療を行うと害よりも利益の方が大きくなるもの(17)、という考え方に一致させて、ACC/AHAガイドラインは高血圧の定義を130/80mmHg以上にまで引き下げた

 

 

 

 

スクリーニングをすべきか

The U.S. Preventive Services Task Force(USPSTF)は40歳以上で高血圧のリスクが高い人(血圧130-139/85-89mmHg、肥満、African Americans)へは一年毎の高血圧スクリーニグを提唱している(18)。逆に18〜39歳で血圧130/85mmHg以下でリスクファクターのない人へは3〜5年毎のスクリーニングを推奨している。 2017年のACC/AHAガイドラインでは正常血圧の成人へは一年毎のスクリーニングが妥当だろうと記されている

 

 

 

以前は高血圧のカテゴリーとして血圧120/80〜139/89mmHgがprehypertension(高血圧前症)と定義されていた(14)。この定義は高血圧と規定される値が下がった事により、最近のガイドランには含まれていない(1, 2)。その代わりに"elevated BP"という言葉が収縮期血圧120-129mmHgに対し使用されるようになった。その理由としては、この値の人は高血圧とは定義されないものの、正常血圧の人(120/80mmHg以下)に比べ心血管イベントのリスクが高くなり、その認識が重要になるからである。また高血圧に進展するリスクも上がる。したがってモニタリングやフォローアップをより強化することが推奨される

 

 

 

 

診断

高血圧の診断はシンプルだが多くの場合そのステップが守られていない。最も多い間違いは不適切な血圧測定である。測定前に5分間安静にしていない、測定する肢をサポートしていない、小さすぎるカフを使用している、などが含まれる。これらの間違いは忙しい診療で時間がないためによく起こることだが、それは重大な問題を起こし得る。なぜなら間違って血圧が高く測定され、誤診につながるからだ

 

 

 

 

血圧測定の仕方

・リラックスし、足を地につけ、背もたれのある椅子に5分間座る

(診察台の上での座位や臥位は基準を満たさない)

・測定前の30分以内のカフェイン、運動、喫煙を避ける

・排尿を先に済ませる

・腕を心臓の高さでサポートする(机の上に休ませる)

・両腕で測定する。高い方の腕を記録し、その腕を他の測定(立位、臥位)やその後の測定でも使用する

・患者および測定者は安静中および測定中に話をしてはならない

・適切なカフサイズ(☆)を使用し、通常より大きいものや小さいものが必要な場合は記録しておく

・生地の厚い服の上からカフを巻かない

 

 

 

 

カフサイズ(☆)

腕周り24-32cm・女性150lb(68kg)以下・男性200lb(90kg)以下 

ー>カフサイズ:Regular

 

腕周り33-42cm ・女性150lb(68kg)以上・男性200lb(90kg)以上 

ー>カフサイズ:Large

 

腕周り38-50cm

ー>カフサイズ:Thigh(大腿)

 

 

 

 

患者の血圧は大きく変化しうる。通常数分あけて測定する間に下がっていく。多くの臨床試験では治療の効果判定に1回の測定でなく、複数回の測定による値を採用している。その理由から、1回の測定で血圧を評価する、あるいは高血圧と診断するのは不適切であり、血圧は受診毎に最低2回は測定し、その平均値を評価する必要がある。さらには、1回の受診の平均値よりも複数回の受診の平均値を使用する方が有効である。従って高血圧の診断およびその評価は少なくとも2回以上の受診時の値に基づいて行われなければならない

 

 

 

マニュアル測定によるエラーがなくなる理由から腕の血流の拍動を測定する自動血圧測定器の使用がスタンダードになっている。最近のスタディでは”無人”の血圧測定の有効性が示されている(19)

 

 

 

2017年のACC/AHAのガイドラインでは24-hour Ambulatory Blood Pressure Monitoring(ABPM)や自宅での測定を含む外来以外での血圧モニタリングの重要性が強調されている(20)。外来以外でのモニタリングによって高血圧の診断および白衣高血圧や仮面高血圧を見つける助けとなる。また高血圧治療薬の調整にも有効である(18, 21)

 

 

 

 

白衣高血圧

白衣高血圧は外来では血圧が高いが、家や24-hour ambulatory monitorでは正常である、と定義されている(22)。白衣高血圧は外来で血圧高値である人の15〜30%の割合で存在するとされている(23, 24)。白衣高血圧は高血圧になるリスクが高くなる。心血管リスクも軽度上昇するが、これは血圧正常者に比べ外来以外での血圧も少し高い傾向(130/80mmgHg以下ではあるものの)にあることによる(25, 26, 27)。2017年のACC/AHAガイドラインでは収縮期血圧130〜160mmHgあるいは拡張期血圧80〜100mmHgで未治療の患者ではABPMや家での血圧モニタリングを行って白衣高血圧のスクリーニングを行うことが妥当だとしている。また白衣高血圧と診断された人ではABPMや家での血圧モニタリングを1年毎に行って高血圧への進展を評価することも妥当だとしている。現在のガイドラインでは有効性を示すエビデンスが欠如していることより白衣高血圧への薬物的治療を推奨していないが、生活習慣の改善および定期的なフォローアップを推奨している

 

 

 

 

仮面高血圧(masked hypertension)

外来では血圧が140/90mmHg以下の人の10〜40%までが、家あるいはambulatory monitoringでは高い血圧を認め、仮面高血圧として知られている(27, 28)。仮面高血圧は持続する高血圧となるリスク、また心血管疾患およびそれによる死亡率のリスク上昇と関連している(27, 29)。よって家での血圧測定およびABPMは仮面高血圧のスクリーニングとして重要である。2017年のACC/AHAガイドラインでは外来での血圧が収縮期血圧120〜129mmHgあるいは拡張期血圧75〜79mmHgで未治療の患者に対し仮面高血圧のスクリーニングを行うことが妥当だとしている。外来での血圧が130/80mmHg以下の患者の30%が仮面高血圧であったことがdaytime 24-hour ABPMによって明らかにされたと報告されている(30)。ACC/AHAガイドラインでは生活習慣改善の継続を推奨しているが、初めて仮面高血圧に対する薬物治療開始も推奨している

 

 

 

 

ABPM

ambulatory BP monitorは24時間の通常活動中に患者に装着する携帯器具である。通常、日中は15〜30分毎に、夜間は30〜60分毎に血圧が測定される。ABPMは心血管リスクを予測する最も有力な"gold standard" assessmentを提供する(20)

 

 

ABPMの適応と考えられるもの

・異常な血圧の変動

・白衣高血圧の可能性

・夜間高血圧の評価

・治療抵抗性高血圧の評価

・24時間における薬物治療効果の判定

・妊娠における高血圧の診断および治療

・様々な薬に起因する症状を有する低血圧の評価(高血圧でない可能性を示唆)

・episodic hypertensionあるいは自律神経機能不全の評価

・仮面高血圧の可能性

 

 

ABPMは高血圧患者の心血管イベント上昇に関連するリスクの高い血圧パターンの同定にも有効である。その一つに、"nocturnal dipping"の欠如がある。通常睡眠中の血圧は日中に比べ少なくとも10%は低くなる(31)。この睡眠中の血圧低下の欠如は心血管アウトカムの悪化との関連が認められている(31)。他のハイリスクパターンとして早朝時の血圧上昇(surge)がある(32)。これは脳血管疾患のリスク上昇と関連が認められている。surgeは一般的に起床後2時間の収縮期血圧の平均値が睡眠時の最低値より55mmHg上昇するものと定義されている(32)。このパターンの患者においては朝における収縮期血圧のコントロールに治療照準を合わせる事が検討されるかもしれない。しかし、chronotherapy(時間的治療)の有効性を示すスタディも存在する一方で(33)、有効性がないとするスタディもある(34, 35)。特定の時間帯における高血圧に対し治療を調整する方法は現在調べられているところであるが、ガイドラインで正式には推奨されていない。ケースバイケースでのみ検討されるべきである

 

 

 

 

新たに高血圧と診断された時の検査

ヘモグロビン、ヘマトクリット、電解質、血糖、クレアチニン(GFR算定)、空腹時脂質(心血管リスク算定)、尿一般沈渣、心電図

 

 

心臓超音波は心電図に比べ左室肥大評価のsensitivityが高く、高血圧の診断、その重症度の推定、高血圧と白衣高血圧の鑑別などに役立つが、そのコストの面から全ての高血圧患者へのスクリーニングとしては使用されない

 

 

痛風の既往がある場合は利尿剤の開始前に尿酸値を測定しておくことが推奨される。またACE inhibitors、ARBs、β-blockersも尿酸値を上昇させる可能性がある

 

 

GFR推定と尿アルブミン-クレアチニン比も心血管リスクの層別化の助けとなる

 

 

臨床ファクター、二次性高血圧を疑う所見、予測される治療法などに基づいてさらなる検査も必要になる場合がある

 

 

 

 

 

 

二次性高血圧を評価すべき患者は?

 

 二次性高血圧を示唆する症状および所見

・高血圧の発症が25歳以下あるいは55歳以上

・薬物治療抵抗性高血圧(異なる3剤以上の最大投与量を要する)

・自然発症の低カリウム血症

・動悸、頭痛、発汗

・重度の血管病変(冠動脈疾患、頸動脈疾患、末梢血管疾患)

・心窩部bruit

・Radial-femoral pulse delay(特に肩甲骨間の雑音)

 

 

 

 

 

二次性高血圧に関する検査

 

大動脈狭窄症:胸部X-ray(rib notching; reverse "3" sign)、心臓超音波、大動脈造影、MRI

クッシング症候群:dexamethasone抑制試験、free cortisol24時間尿、CT

一次性アルドステロン症:血漿アルドステロン・レニン比、塩分負荷によるアルドステロン排泄率、副腎CT

褐色細胞腫:血漿カテコラミンあるいはメタネフリン、24時間fractionated catecholamines and metanephrines、クロニジン抑制試験、副腎CT・MRI、iodine131-metaiodobenzylguanidine scan

腎血管疾患:Renal duplex sonography、MRA、CTA、腎静脈レニン比

腎実質疾患:スポット尿タンパク-クレアチニン比、24時間尿タンパク・クレアチニンレベル、腎超音波検査、GFR、腎生検

副甲状腺疾患:カルシウム・リンレベル、血清副甲状腺ホルモンレベル、血清カルシトニンレベル

甲状腺疾患:血清甲状腺ホルモンレベル、thyrotropinレベル

 

 

 

 

 

 

 

治療 

2017年のACC/AHAガイドラインでは血圧120/80mmHg以上の患者に対し生活習慣の改善を推奨している

 

 

ガイドラインでは心血管リスク評価に基づいて治療の決定を行うことを推奨している

 

心血管疾患の既往がある場合は薬物治療を推奨している。また心血管疾患の既往がなくても10-year risk for artherosclerotic CVD(ASCVD)が10%以上で平均収縮期血圧が130mmHg以上あるいは平均拡張期血圧が80mmHg以上の場合は薬物治療を推奨している(http://tools.acc.org/ASCVD-Risk-Estimator

 

血圧が130/80mmHg以上で糖尿病あるいは慢性腎臓病(ステージ3以上)の既往のある患者への薬物治療も推奨している

 

心血管疾患がなく、10-year risk for ASCVDも10%以下であっても血圧が140/90mmHg以上の場合は薬物治療を推奨している

 

血圧が140/80mmHg以上で脳卒中の既往がある場合は二次予防として薬物治療を推奨している

 

 

 

2017年のACC/AHAガイドラインではマネージメントを単純化するために単一の血圧目標値を推奨している。新たな目標値は130/80mmHg以下で、その目標は外来、家、日中の携帯測定でもみな同じである

 

 

例外として歩行可能なコミュニティ在住の65歳以上の人においては収縮期血圧130mmHg以下をゴールとするが、拡張期血圧のゴールは設定されていない

 

その理由の1つはそれに当てはまる多くの人では既に動脈硬化による拡張期血圧の低下が認められるからである。他の理由としては過剰に低い拡張期血圧は心血管リスクを、特に冠動脈疾患の既往のある患者においては、上昇させる可能性があるからだ。拡張期血圧が60〜75mmHg以下の患者では胸痛や失神などの症状の有無をモニターする必要があり、場合によっては治療強度を下げる必要もある

 

高齢者においては高血圧治療に関して臨床判断や患者の希望がより重要になる。彼らは生命予後も限られているため、過剰治療によるアウトカムも考慮しなければならない。これらの状況を踏まえて収縮期血圧のゴールを140mmHgとする臨床家もいる

 

 

 

 

 

生活習慣改善 

2017年のACC/AHAガイドラインでは生活習慣の改善をelevated BPあるいは高血圧の全ての患者に推奨している(1)。生活習慣の改善は大きく血圧を低下させるが、その変化と効果を維持することは困難である。従って臨床家は特に薬物治療が必要になった場合には患者に生活習慣の改善を促すことが大切である

 

 

 

 

 

 

塩分制限

食事による塩分制限によって収縮期血圧が3mmHg下がると専門家の間で信じられている。その結果、2017年のACC/AHAガイドラインではほとんどの高血圧患者で塩分摂取を1日1500mg以下に制限、それが難しければ、1日摂取量を1000mg減らすことを推奨している

 

 

しかしながら、心血管アウトカムと塩分摂取の関連に関する論争は依然続いている

 

2013年のInstitute of Medicine reportではヘルスアウトカムを評価したスタディの間で試験の質が一定でないこと、また量も不十分であることより、塩分1日摂取量を2300mg以下にした場合、心疾患、脳卒中、全ての原因による死亡のリスクを下げるか、あるいは上げるかを決定することができないと報告している(36)

 

さらには、Agency for Healthcare Research and Qualityによる最近の報告では塩分摂取と全ての原因による死亡との関連に関するエビデンスは限られている、としている(37)

 

17ヶ国で10万人以上を調べた2014年のスタディでは塩分摂取量の推定を尿サンプルで行った結果、1日摂取量が3〜6gの間の摂取群では、それ以下あるいはそれ以上の摂取群に比べ心血管リスクが低いことが示された(38)

 

より最近の報告では塩分摂取と心血管あるいは脳卒中と関連を認めるのは1日摂取量が5gを超える場合のみである、とされている(39)

 

 

 

他の生活習慣介入

臨床家は20%までの減量(理想体重よりは上)を勧めるべきである。1kg減量する毎におよそ1mmHg収縮期血圧が下がる(40)

 

 

最低30分の有酸素運動を週の多くの日に行うことを推奨すべきである。2018年に出されたPhysical activity guidelinesは臨床家が患者に合わせてアドバイスを提供することに役立つかもしれない(41)。このガイドラインでは初めて中等度のウェイトリフティングとisometric exercise(等尺性運動:筋肉を収縮させずに力を加える運動)も血圧を下げる可能性がある事を記している

 

 

心血管リスクを下げるために必須なものとして禁煙も強く推奨しなければならない

 

 

fish oil、マグネシウム、カルシウムサプリメントなどは血圧を下げることが証明されていない

 

 

他のライフスタイルの変更は効果が定かでない。適切なコントロールをデザインしてライフスタイルの変更による効果を証明するスタディを行うことが難しい。ヨガ、鍼灸、device-guided breathing、瞑想などがレビューされている(42)

 

 

カフェインは一時的に血圧を上昇させるが、それを維持する効果はほとんどない

 

 

 

 

 

生活習慣改善による血圧の低下

 

塩分制限 

推奨:塩分摂取1日2400mg以下 

収縮期血圧低下の可能性:2〜8mmHg

 

減量 

推奨:正常体重の維持(BMI 18.5〜24.9kg/m2) 

収縮期血圧低下の可能性:10kg減量毎に5〜20mmHg

 

有酸素運動 

推奨:週の多くの日に30分の有酸素運動(1 mile (1.6km) 歩行) 

収縮期血圧低下の可能性:4〜9mmHg

 

DASH diet 

推奨:果物、野菜、低脂肪乳製品が多く、飽和脂肪および総脂肪を減らした食事 

収縮期血圧低下の可能性:4〜14mmHg

 

飲酒制限 

推奨:男性ではビール 12-oz (340cc) 缶 2缶、ワイン4-oz (113cc) グラス 2杯、それ以上摂取しない(女性ではこの半分) 

収縮期血圧低下の可能性:2〜4mmHg

 

 

 

 

 

 

薬物治療

 

多くの高血圧患者では生活習慣改善に関わらず薬物治療が必要になる

 

2017年のACC/AHAガイドラインではステージ1高血圧の患者の初回薬物治療としてサイアザイド利尿剤、ACE inhibitor、ARB、カルシウムチャネルブロッカーを選択することを推奨している

 

 

単なる降圧作用以上のアウトカムを示す臨床試験のエビデンス、有効性、作用時間などに基づいて、利尿剤を使う場合はhydrochlorothiazideよりもchlorthalidoneやindapamideを選択することを多くの専門家が推奨している(43)

 

 

脳卒中予防の効果が他の薬剤より低いためβブロッカーは多くの患者において第一選択薬とならない(特定の疾患の既往を持つ場合は選択される)

 

 

ガイドラインではアドヒランスが上がることより小さな錠剤に2つ以上の薬を混合して1つにした薬剤の使用を承認している

 

 

  

 

2017年ACC/AHAガイドラインによるアプローチ

 

1、高血圧と診断(BP>130/80mmHg)

2、生活習慣改善

 2−1:ステージ1高血圧(>130/80mmHg):10-y ASCVD riskが10%以上の時は薬物治療開始

 2−2:ステージ2高血圧(>140/90mmHg):リスクに関わらず薬物治療開始

 

ASCVD: atherosclerotic cardiovascular disease

第一選択薬:ACE inhibitor、ARB、サイアザイド利尿剤、CCB

特にステージ2高血圧の場合は降圧剤併用を推奨 

糖尿病、慢性腎臓病の場合は自動的にこのカテゴリー(10-y ASCVD risk>10%)に含まれる

 

 

 

 

 

 

ALLHAT試験は高血圧およびもう1つの心血管リスクファクターがある55歳以上の患者44000人の初回治療として利尿剤(chlorthalidone)、αブロッカー(doxazosin)、ACE inhibitor(lisinopril)、CCB(amlodipine)をそれぞれ無作為に割り当てて行われた。必要に応じてもう1剤追加投与も認められた。doxazosin投与群は心不全の発症がより多かったので途中で中止された。残りの群の試験結果より、利尿剤投与が心血管死、非致死的心筋梗塞、心不全、脳卒中を減らすことにより効果的であり、コストの面でも優れることより第一選択薬として使用することを支持する結果となった(44)。これら全ての薬剤のコストは以来下がっており、ACC/AHAガイドラインではACE inhibitor、ARB、CCBよりも利尿剤を優先して投与することを推奨してはいない

 

 

 

 

臨床家はより高齢な患者での高血圧治療も考慮する必要がある

 

HYVET試験は収縮期血圧160〜199mmHgの80歳以上の患者3845人に対しプラセボあるいは利尿剤(indapamide, 1.5mg/日)を無作為に割り当てられて行われた。必要に応じてACE inhibitor(perindopril, 4-8mg/日)の追加投与が許された。試験は治療群の利益が大きく早期に中止された。致死的および非致死的脳卒中が30%減少、全ての原因による死亡が21%減少という結果であった。この試験によって80歳以上で収縮期血圧が少なくとも150mmHgの患者に対する薬物治療の有効性が確認された(45)

 

 

 

SPRINT試験では50歳以上で心血管リスクの上昇した患者(糖尿病および脳卒中の既往がある場合は除かれる)9361人に対し収縮期血圧の目標値を140mmHgよりも120mmHgにした場合、より良い心血管アウトカムが得られるかどうかが調べられた。無作為に低い目標値に割り当てられたグループではcomposite cardiovascular outcomeのスコアがより良かったが、失神、急性腎障害、急性腎不全がより多く見られた。これらの効果は75歳以上のサブセットグループでも確認された

 

 

 

 

 

 

患者の特性に合わせた治療薬選択

 

糖尿病患者では全ての4クラスの薬剤(サイアザイド利尿剤、ACE inhibitor、ARB、CCB)が第一選択薬として推奨される

 

 

慢性腎臓病ステージ3あるいはそれ以上の場合は糖尿病の有無によらず、特にタンパク尿が認められる場合はACE inhibitorあるいはARBが考慮されるべきである。しかし、ACE inhibitorと、ARBあるいはdirect renin inhibitorの併用は副作用のリスクが高いことが臨床試験で報告されていることより避けるべきである

 

 

高血圧既往のAfrican Americanはsalt-sensitiveである傾向にあるので、初期治療としてサイアザイド利尿剤やCCBを選択すべきである

 

 

ACE inhibtorやARBは若年者の高血圧に良い選択薬である。なぜなら彼らはレニンアンギオテンシン系の抑制によく反応するからである

 

 

心不全の患者にはRALES試験やEMPHASIS-HF試験によってガイドされるように、ACE inhibitor、利尿剤、carvedilol、metoprolol succinate、ARB、ミネラルコルチコイド受容体阻害薬などが推奨される(46, 47)

 

 

βブロッカーとACE inhibitorは心筋梗塞後の患者に良き選択薬となる

 

 

 

 

薬物クラスの適応

心不全:利尿剤、βブロッカー、ACE inhibitor、ARB、ミネラルコルチコイド受容体阻害薬 

心筋梗塞後:βブロッカー(carvedilol, metoprolol succinate)、 ACE inhibitor、ミネラルコルチコイド受容体阻害薬

冠動脈疾患ハイリスク:利尿剤、βブロッカー、ACE inhibitor、ARB+CCB

糖尿病:利尿剤、ACE inhibitor、ARB、CCB

慢性腎臓病:ACE inhibitor、ARB

脳卒中再発予防:利尿剤、ACE inhibitor

 

 

 

 

 

 

HOPE試験は55歳以上で心血管疾患既往のある9000人以上の患者に対しramipril 10mg at nightとプラセボが無作為に割り当てられて行われた。結果、プラセボ群に対しramipril投与群の方がmorbidityと死亡率が低かった。その半分の患者に高血圧の既往があったことより、著者はACE inhibitorを心血管疾患既往のある患者の高血圧治療の初回選択薬とすることが妥当であると結論づけている(48)

 

 

ASCOT試験は高血圧の既往があり、心血管リスクファクターが3つ以上ある成人19000人に対し、βブロッカーと必要に応じてサイアザイド利尿剤を追加投与するグループと、CCB(amlodipine)と必要に応じてACE inhibitor(perindopril)を投与するグループを無作為に割り当てて行われた。心血管イベントと全体の死亡率がCCB投与グループで有意に低かかったため(25% for stroke, 15% for coronary events and procedures, and 25% for cardiovascular deaths)、中央値5.5年後に試験は早期中断された。血圧コントロールは両グループで良好であったが、CCBグループの方が平均2.7/1.9mmHg低かった(49)

 

 

 

 

治療抵抗性高血圧 

異なるクラスの降圧薬を3つ以上(利尿剤を含む)それぞれ最大耐容量投与してもゴールの血圧に達しない場合を治療抵抗性高血圧とする(50)

 

 

治療抵抗性高血圧は実際に存在するよりも多く診断されている。その理由の1つに血圧測定の間違いがあり、過剰評価につながっているからだ。従って治療抵抗性高血圧の診断およびモニタリングには厳密なプロトコールに従って血圧測定する事が特に重要となる

 

さらに、治療抵抗性高血圧とみなされる患者の30〜50%は実際には白衣高血圧あるいは治療薬のアドヒランス不良によるものである、と蓄積されてきたエビデンスが示している

 

 

治療抵抗性高血圧を認める場合は二次性の原因を考慮しなければならない。最も頻度が多いのが一次性アルドステロン症であり、診断されず治療されない場合がよくみられる(51)。治療抵抗性高血圧のおよそ20%の患者に認められるとされている(52)

 

 

治療抵抗性高血圧は慢性腎臓病の患者にもよく見られる(53) 

 

 

治療抵抗性高血圧の患者はそうでない患者に比べおよそ50%心血管イベントのリスクが高くなる(54)

 

 

臨床試験PATHWAY-2(55)とReHOT(56)よりミネラルコルチコイド受容体阻害剤であるspironolactoneを治療抵抗性高血圧の4番目の治療薬として追加することが好ましい事が確認されている。理由の1つとして治療抵抗性高血圧は一次性アルドステロン症が多いことがある(57, 58)。他の考えられる理由として治療抵抗性高血圧のその他の患者ではアルドステロンがわずかばかり過剰に分泌されいてる可能性があるからだ(59)

 

 

spironolactoneはβブロッカーやαブロッカーよりおよそ2倍の効果がありコストも安いが、治療抵抗性高血圧の治療に使用されることが比較的少ない(60)。おそらくこれは高カリウム血症の可能性によって電解質の定期的なモニタリングを要するからだと考えられる

 

 

 

 

 

 

降圧剤

 

利尿剤

Hydrochlorothiazide (12.5-50mg)、Chlorothiazide (250-500mg)、Chlorthalidone (12.5-50mg)、Indapamide (1.25-5mg)

Advantage

以下の群に有効:高齢者、収縮期血圧のみが高い、糖尿病、salt-sensitveである可能性が高いAfrican American

Disadvantage

低カリウム血症や低ナトリウム血症などの電解質異常、血糖・コレステロール・尿酸などを上昇させる可能性、photosensitivity 

 

 

ACE inhibitor

Enalapril (5-40mg)、Fosinopril (10-40mg)、Lisinopril (5-40mg)、Perindopril (4-16mg)、Quinapril (5-80mg)、Ramipril (1.25-20mg)

Advantage

慢性腎臓病、心不全、糖尿病に好んで使われる、利尿剤との併用でより効果的

Disadvantage

高カリウム血症、尿酸上昇、15%で咳嗽(ARBへ変更)、30%までのクレアチニン上昇は受容、0.1〜0.7%で血管浮腫、妊娠では禁忌

 

 

ARB

Losartan (25-100mg)、Candesartan (16-32mg)、Irbesartan (150-300mg)

Advantage

通常耐容性良好、血管浮腫はまれ、利尿剤との併用でより効果的、咳嗽をおこさない

Disadvantage

高カリウム血症、尿酸上昇(Losartan以外)、めまい、比較的高価、妊娠では禁忌

 

 

カリウム保持利尿剤

Spironolactone (25-100mg) 、Triamterene (25-100mg)

Advantage

サイアザイドで低カリウム血症を呈する時に有効

Disadvantage

高カリウム血症(Triamtereneではまれ)、女性化乳房(Spironolactone)、降圧作用が弱い

 

 

βブロッカー

Atenolol (25-100mg)、Metoprolol (50-300mg)、Propranolol (40-480mg)、Nebivolol (2.5-10mg)、Carvedilol (12.5-50mg)

Advantage

Carvedilolはαおよびβブロッカー作用を有する、Nebivololは血管拡張作用を有する、心不全以外の患者では第一選択薬として使用しない

Disadvantage

気管支収縮、徐脈、心不全、インスリンによる低血糖をマスク、末梢循環障害、不眠、倦怠感、運動耐容低下、トリグリセリド上昇(ISAがない場合)、いくつかの試験でAtenololはACE inhibitors、ARBs、CCBsよりも悪いアウトカム

 

 

カルシウムチャネルブロッカー

Amlodipine (2.5-10mg)、Diltiazem (120-360mg)、Verapamil (120-480mg)、Nifedipine (30-120mg)

Advantage

耐容性がよく効果的、Amlodipineなどのdihydropyridineはpotentが高い

Disadvantage

利尿剤抵抗性浮腫(ACE inhibitorやARBを加えれば減少)、頭痛、心伝道障害、便秘、歯肉肥大

 

 

レセルピン

Reserpine (0.05-0.25mg)

Advantage 

アドレナリン作動性ニューロン遮断薬

Disadvantage

鼻閉、うつ、消化性潰瘍

 

 

中枢性α作動薬

Methyldopa (500-3000mg)、Clonidine (0.2-1.2mg)、Guanfacine (0.5-2mg)

Advantage

他の選択が失敗した場合に効果的である可能性

Disadvantage

鎮静、口腔乾燥、徐脈、離脱(リバウンド)、突然の中断で血圧上昇

 

 

αブロッカー

Prazosin (2-30mg)、Doxazosin (1-16mg)、Terazosin (1-20mg)

Advantage

potentが強い

Disadvantage

起立性低血圧、下痢、ALLHATにおいてdexazosinで心不全増加

 

 

ハイドララジン

Hydralazine (50-300mg)

Advantage

Disadvantage

Lupus reaction、頭痛、浮腫、頻回投与

 

 

Direct renin inhibitor

Aliskiren (150-300mg)

Advantage

血漿レニンの減少自体が治療的である可能性、他剤併用で効果的

Disadvantage

下痢、ALTITUDE trialで糖尿病患者のスタンダード治療に追加投与で有害である可能性が認められた

 

 

 

 

 

 

 

 

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アナルズオブインターナルメディシン

2019年5月7日