レジデントノート

米国にて内科修行中。何ができるか模索している過程を記録していく

甲状腺機能亢進症

 

甲状腺中毒症(thyrotoxicosis)は血清および組織におけるサイロキシン(T4)、トリヨードサイロニン(T3)あるいはその両方が過剰になることで起こる病態である

 

甲状腺機能亢進症(hyperthyroidism)は甲状腺の活動過剰によって起こる甲状腺中毒症のことを指す

 

 

甲状腺中毒症は甲状腺刺激ホルモン(TSH)が低い、あるいは検知不能で、血清T4(free or total T4)、total T3、あるいはその両方が正常範囲を超える場合を"overt "(顕性)といい、TSHが低い、あるいは検知不能で、血清T4(free or total T4)とtotal T3の両方が正常範囲内の場合を"subclinical"(潜在性)とされる。したがって顕性/潜在性甲状腺中毒症は臨床症状に関わらず生化学的に定められる

 

 

米国ではおよそ1.2%の人が甲状腺中毒症を有し、その約40%が顕性、60%が潜在性である(1)

 

 

 

スクリーニング

 

甲状腺中毒症のリスクを高めるものは、甲状腺腫、1型糖尿病、他の自己免疫疾患、甲状腺疾患の家族歴、などがある。薬剤でリスクを高めるものには、アミオダロン、インターフェロンα、インターロイキン-2、リチウム、ヨウ化物、ヨード造影剤、チェックポイント阻害剤、アレムツズマブ、がある(2-5)

 

 

スクリーニングすべきか

一般人口に対するスクリーニングは甲状腺中毒症の罹患率の低さより費用対効果が低い(6)。しかし、併存疾患、家族歴、薬剤などによりリスクが高い場合は推奨される。甲状腺中毒症に起因する、あるいは悪化する疾患(骨粗鬆症、心房細動、上室性頻拍、心不全)を有する場合も考慮すべきである。また甲状腺疾患の罹患率が高いことより50歳以上の女性でもスクリーニングが推奨される(6)

 

 

スクリーニング検査は

甲状腺中毒症の最適な検査は血清TSHの測定である。顕性および潜在性甲状腺中毒症の両方でTSHが検知不能、あるいは低くなる。高値あるいは正常高値のT4あるいはT3による下垂体へのネガティブフィードバックが起こるからである

 

 

 

 

診断

 

甲状腺中毒症を示唆する症状は不安、発汗増多、heat intolerance、動悸、倦怠感、体重減少、頻脈、息切れ、下腿浮腫、weakness、眼症状、情緒不安定、頻回の排便などである(7-9)。高齢者ではより軽度ではっきりせず、倦怠感、抑うつ、体重減少、心房細動などの症状が主である場合が多い(7-10)。この表れ方をapathetic thyrotoxicosisと表現される

 

特定の病歴が甲状腺中毒症の原因を示唆する場合がある。眼の痛み、あるいはむくみ、複視、下腿の皮膚症状などはGraves disease(グレーブス病)を示唆する(1, 11)。最近の妊娠は分娩後甲状腺炎である可能性を高める。前頸部の疼痛、倦怠感、発熱、咽頭痛などは亜急性甲状腺炎に特徴的である。アミオダロン、インターフェロンα、インターロイキン-2、リチウム、ヨウ化カリウム、チェックポイント阻害剤(特にイピリムマブとニボルマブ)、アレムツズマブ、最近のヨード造影剤への暴露などは薬剤性あるいはヨード誘発性甲状腺中毒症の可能性が高くなる(2-5)。内密の甲状腺ホルモン服用も考慮しなければならない

 

 

身体診察

甲状腺中毒症によく見られる所見には頻脈、絶対不整な心拍、甲状腺腫、熱感、皮膚湿潤、手指振戦、adrenergic eye signs(眼瞼遅延)などがある(7-9)。グレーブス病ではびまん性甲状腺腫、甲状腺雑音、炎症性/鬱血生眼所見(眼球突出、眼窩周囲浮腫、結膜浮腫、外眼筋機能不全)、前脛骨粘液水腫、甲状腺アクロパチー(軟部組織の腫大と撥指)の特徴的な所見が認められる(1, 11)。中毒性多結節性甲状腺腫あるいは中毒性甲状腺腫は多結節あるいは一つの結節が触れられることによって診断が裏付けられる。発熱や甲状腺圧痛は亜急性甲状腺炎を示唆する(12)

 

 

 

甲状腺中毒症の病歴および身体所見

病歴

 甲状腺中毒症の症状

  体重減少 (61-85%) 

  heat intolerance (55-89%)

  震え (54%)

  動悸 (51-89%)

  不安 (41-99%)

  情緒不安定 (30-60%)

  頻回な排便 (22-33%)

  頸の膨満感 (22%)

  眼の症状 (11-54%)

  息切れ (10-75%)

  体重増加 (2-12%)

  倦怠感 (69-88%)

  発汗過多 (45-91%)

  食欲増大 (42-65%)

 グレーブス病に特異的な症状

  眼のむくみ (報告なし)

  眼の鬱血 (報告なし)

  眼の痛み (報告なし)

  前脛部の皮疹 (報告なし)

 亜急性甲状腺炎に特異的な症状

  頸の痛み (報告なし)

  咽頭痛 (報告なし)

  発熱 (報告なし)

身体所見

 甲状腺中毒症の所見

  腺腫の触知 (69-100%)

  手指振戦 (42-97%)

  adrenergic eye signs(眼瞼遅延) (34-71%)

  皮膚湿潤 (34%)

  頻脈 (80-100%)

  心房細動 (3-10%)

 グレーブス病に特異的な所見

  びまん性腺腫 (報告なし)

  腺腫上の雑音 (報告なし)

  浸潤性眼障害(眼球突出、眼窩周囲浮腫) (報告なし)

  前脛骨粘液水腫 (報告なし)

  甲状腺アクロパチー(報告なし)

 中毒性多結節性甲状腺腫に特異的な所見

  甲状腺結節の触知 (報告なし)

 中毒性甲状腺腫に特異的な所見

  甲状腺結節の触知 (報告なし)

 亜急性甲状腺炎に特異的な所見

  発熱 (報告なし)

  甲状腺圧痛 (報告なし)

 

 

 

血液検査

甲状腺中毒症の診断に最適な検査は血清TSHの測定である。顕性甲状腺中毒症では検知不能であることが多く、潜在性甲状腺中毒症では検知可能であるが低値であることが多い。どちらの場合でもfree T4あるいはtotal T4(free T4が測定できない場合)を測定する必要がある。free T4あるいはtotal T4が正常である場合は、total T3を測定しなければならない。T4 が正常でT3が上昇している場合があるからだ(T3 toxicosis)。利用できる検査法でのfree T3の測定が不正確なため推奨されない

 

甲状腺中毒症が診断されたら、その原因を特定する必要がある。身体所見がグレーブス病を強く示唆する場合(びまん性腺腫、腺腫上の雑音、浸潤性眼障害(眼球突出、眼窩周囲浮腫)、前脛骨粘液水腫、甲状腺アクロパチー)はさらなる検査は不必要である(1, 11)。原因が不明である場合は追加の試験を行わなければならない

 

甲状腺結節あるいは圧痛が認められない場合は血清thyrotropin receptor antibodies (TRAbs) の測定が推奨される(1, 11-13)。もしTRAbが陽性の場合は通常グレーブス病の診断となり、さらなる検査は必要ない。TRAbのグレーブス病に対する感度は96-97%、特異度は99%である(11)が、亜急性甲状腺炎でも弱く陽性になる場合がある

 

甲状腺結節がある、あるいはTRAbが陰性または弱く陽性の場合はradioactive iodine uptake (RAIU)試験および甲状腺スキャンを行う必要がある(1)

 

甲状腺機能亢進症(RAIUが上昇あるいは正常の甲状腺中毒症)は通常グレーブス病、中毒性多結節性甲状腺腫、中毒性甲状腺腫のうちのいずれかが原因である。甲状腺スキャンによってこの3つの病態を鑑別することができる(1)。アイソトープの取り込みがびまん性の場合はグレーブス病、斑状の場合は中毒性多結節性甲状腺腫、1つの結節に取り込まれ、他の組織への取り込みが抑制されている場合は中毒性甲状腺腫である

 

 

TRAbが陰性でラジオアイソトープ検査が禁忌あるいは望ましくない場合(妊婦や授乳中、患者の希望など)はカラードップラを用いた甲状腺超音波検査、thyroid-stimulating immunoglobulin、thyroid peroxidase antibody、thyroglobulin、human chorionic gonadotropin、血沈、24時間尿中ヨウ素排泄量の測定、全身性放射性ヨウ素スキャンなどの他の検査を考慮する必要がある(1, 13) 

 

特にアミオダロン誘発生甲状腺中毒症(amiodarone-induced thyrotoxicosis (AIT))は正確に診断し治療することが難しい(14)。type 1 AITはアミオダロン中に含まれる高量のヨウ素によって起こるものである。これは典型的には既に甲状腺結節を有している患者に起こる。type 2 AITはアミオダロン誘発生甲状腺炎である。type 1 AITを示唆する所見は身体所見や超音波で認められる甲状腺結節、ドップラでの血流増量、低いが検知されるRAIUなどである。type 2 AITを示唆する所見は身体所見や超音波で正常所見、ドップラでの低い血流、欠損あるいは非常に低いRAIU、インターロイキン6の上昇などである(14)

 

 

 

 

検査(適応)

 

TSH:甲状腺中毒症を疑う場合

free T4:TSHが抑制されている場合

total T3:TSHが抑制されていてfree T4が正常の場合

thyroglobulin:甲状腺炎(亜急性、分娩後、無痛性)が疑われる場合

血沈:亜急性甲状腺炎が疑われる場合

TRAb:甲状腺中毒症の鑑別(グレーブス病で陽性)、euthyroid Graves orbitopathy、グレーブス病治療による寛解を評価する時、グレーブス病罹患妊婦の新生児リスクを評価する場合

thyroid peroxidase antibody:橋本甲状腺炎や自己免疫生甲状腺疾患(グレーブス病も含む)の確認、薬剤誘発生甲状腺機能障害のリスクや分娩後あるいは無痛性甲状腺炎を評価する場合

thyroid hormone antibody (anti-T4 and anti-T3 antibodies):橋本甲状腺炎の患者で甲状腺ホルモンとTSHの結果が不一致の場合(free T4とtotal T3が偽性に高い)

RAIU:甲状腺中毒症でTRAbが陰性あるいは甲状腺結節が触知される場合

甲状腺スキャン:甲状腺中毒症でRAIUが正常あるいは上昇している場合

甲状腺超音波:甲状腺結節の存在、type 1とtype 2 amiodarone-induced thyrotoxicosisの鑑別

カラードップラ超音波:type 1とtype 2 amiodarone-induced thyrotoxicosisの鑑別

全身性スキャン:卵巣甲状腺腫や機能性転移性濾胞癌の確認

human chorionic gonadotropin:妊娠、妊娠甲状腺中毒症、妊娠悪阻、絨毛癌、奇胎妊娠、精巣腫瘍

 

 

 

 

 

感染、sepsis、不安、うつ、慢性疲労、心房細動、褐色細胞腫などでは甲状腺中毒症に似た臨床像を示す場合がある。甲状腺ホルモンの測定によって甲状腺中毒症とこれらの病態を鑑別できることが多い。しかし、正常妊娠、妊娠性甲状腺中毒症、妊娠悪阻、非甲状腺疾患、中枢性甲状腺機能低下症、特定の薬剤(グルココルチコイド、ドパミン、bexarotene、mitotane、メトフォルミン、ヘパリン)などではTSHが低く、free T4が正常あるいは低い場合がある(1, 2)

 

 

 

 

 

甲状腺中毒症の鑑別

 

free T4上昇・TSH抑制

グレーブス病:TRAbが陽性、RAIUが上昇あるいは正常、均一な甲状腺スキャン

中毒性多結節性甲状腺腫:RAIUが上昇あるいは正常、不均一な甲状腺スキャン

中毒性甲状腺腫:RAIUが上昇あるいは正常、一箇所の”hot focus”と他の部位が抑制された甲状腺スキャン

亜急性甲状腺炎:低いRAIU、甲状腺スキャンで取り込みが見られない、血沈上昇、高thyroglobulin値、甲状腺機能低下が続いて起こる可能性

分娩後・無痛性甲状腺炎:低いRAIU、甲状腺スキャンで取り込みが見られない、高thyroglobulin値、甲状腺機能低下が続いて起こる可能性

内密な・医原性甲状腺ホルモン摂取:低いRAIUと低thyroglobulin値、L-thyroxineあるいはliothyronineの摂取かもしれない

チェックポイント阻害剤治療:チェックポイント阻害剤使用歴、RAIUは上昇、正常、低下のいずれでもあり得る

アレムツズマブ:アレムツズマブの使用歴、RAIUは通常上昇、均一な甲状腺スキャン

卵巣甲状腺腫:頸部での低いRAIU、全身性スキャンにて骨盤部の取り込み上昇

TSH産生下垂体腫瘍:TSH正常あるいは上昇、RAIU正常あるいは上昇、α-subunit level上昇、MRIにて下垂体腫瘍の存在

妊娠性甲状腺中毒症:human chorionic gonadotropin上昇、TRAb陰性、核医学検査禁忌

妊娠悪阻:human chorionic gonadotropin上昇、TRAb陰性、核医学検査禁忌

絨毛癌、奇胎妊娠、精巣腫瘍:human chorionic gonadotropin上昇、TRAb陰性、RAIU上昇あるいは正常、均一な甲状腺スキャン

アミオダロン誘発性甲状腺中毒症:type 1(ヨウ素誘発生)とtype 2(甲状腺炎)の二つのAIT、 TRAb陰性、低いRAIU

機能性・転移性濾胞癌:多くの患者で甲状腺摘出術の既往、頸部の低いRAIU、全身性スキャンにて転移部の取り込み上昇

McCune-Albright syndrome:TRAb陰性、RAIUが上昇あるい正常、均一な甲状腺スキャン

 

正常あるいは低free T4・TSH抑制

潜在性甲状腺中毒症:free T4正常、RAIUは上昇あるいは正常

最近の甲状腺中毒症:甲状腺機能亢進症の治療後

正常妊娠:human chorionic gonadotropin上昇、TRAb陰性、核医学検査禁忌

中枢性甲状腺機能低下症:TSHは低い、あるいは正常、free T4は低いかもしれない

甲状腺炎からの回復:TSHは低い、正常、上昇のいずれでもあり得る

非甲状腺疾患:TSHは低い、正常、上昇のいずれでもあり得る

コルチコステロイド治療:TSHの抑制

ドパミン治療:TSHの抑制

mitotane治療:TSHの抑制、副腎腫瘍治療

bexarotene治療:TSHの抑制、菌状息肉腫治療

 

 

 

 

 

 

治療

 

非薬物治療

コントロールされていない甲状腺中毒症患者ではストレスのかかる身体活動、カフェイン摂取を減らすあるいは中止、禁煙、ヨウ素摂取を避ける(昆布、ヨウ素サプリメント、ヨード造影剤)、ホルモン検査に干渉をおこすビオチンサプリメントを避ける、などに留意しなければならない(1, 2, 15)

 

 

薬物治療

βブロッカーは症状を有する如何なる原因の甲状腺中毒症患者においても投与することができる(1, 16)

 

米国ではmethimazoleとpropylthiouracil (PTU)が2つの抗甲状腺薬として利用できる。carbimazoleはヨーロッパ、アフリカ、アジアの一部で利用可能である。抗甲状腺薬はグレーブス病、中毒性多結節性甲状腺腫、中毒性甲状腺腫の患者において甲状腺ホルモン生成を阻害し、比較的速やかに甲状腺ホルモンレベルを下げる(1, 16-18)。これらの薬剤は通常他の甲状腺中毒症では有効ではない(1)

 

methimazoleはPTUより効果が強く(1, 16-18)、より少ない投与回数となり(1日1回あるいは2回)、またPTUの肝毒性リスクが高いこともあって、より好まれる。methimazoleの開始量は最初のfree T4値に依存する。free T4が正常上限の1.0ー1.5倍の時は5ー10mg 1日1回、free T4が正常上限の1.5ー2.0倍の時は10ー20mg 1日1回、free T4が正常上限の2.0ー3.0倍の時は30ー40mg 1日1回あるいは2回分割投与する(1, 18)

 

グレーブス病において推奨されるmethimazoleの投与期間は12ー18ヶ月、それ以降は患者が無症状でTSH正常、TRAbが陰性の場合は漸減あるいは中止する(1, 18)

 

寛解率はおよそ50%であるが、より長い治療(〜5年)は寛解率をより高めるかもしれない(19)。最初にTRAbが陽性であった患者が治療の終了時に陰性である場合は寛解の可能性をより高め、TRAbの陽性が続く場合はmethimazoleを中止すると再発する可能性が高くなる(1, 20, 21)。同様にmethimazoleの投与にもかかわらずTSHの抑制が持続する場合は薬剤中止時に再発する可能性が高くなる(1, 20, 21)。TRAb陽性またはTSH抑制が持続するため、あるいは薬剤中止によってグレーブス病が再発するためにmethimazole治療を中止できない場合は、radioactive iodine (I-131) ablationまたは甲状腺切除術が推奨される。患者が好む場合の代替として長期のmethimazole低量(10mg/日以下)投与が行われる場合もある(1, 22, 23)

 

抗甲状腺薬は中毒性多結節性甲状腺腫および中毒性甲状腺腫患者の甲状腺ホルモンレベルを効果的に下げるが、寛解を促進しない(治療中止後に甲状腺機能亢進症が再発する)。したがってこれらの病態ではI-131治療や甲状腺切除術が第一選択治療として好まれる。にもかかわらず、長期低量methimazole投与が患者によっては妥当となる場合もある(1)。I-131治療や甲状腺切除術前に、甲状腺機能亢進症のコントロールおよび治療後のthyroid stormのリスクを減らすためにmethimazoleが投与されることが多い(1)

 

抗甲状腺薬の軽度の副作用には皮疹や肝酵素値上昇がある

 

PTUは重度の肝細胞壊死による肝不全をきたす可能性があるため(24, 25)、FDAはアレルギーがある、あるいは妊娠初期で投与できない場合を除いてはmethimazoleを投与することを推奨している(1, 16-18)

 

無顆粒球症は、生命を脅かす状態であるが、いずれの抗甲状腺薬服用中の0.2ー0.4%の患者でおこる(1, 26)。ほとんどは開始後数ヶ月以内に発症する。methimazoleの高量(40mg/日以上)投与でより起こりやすいが、PTUでは投与量に依存しない(1)。無顆粒球症は薬剤中止で改善することが多いが、気づかれず薬剤が速やかに中断されない場合は持続し、骨髄特異的治療を要する場合もある。PTUはANCA陽性血管炎の原因となる場合もある(27)

 

methimazoleは妊娠初期に投与されると、先天性皮膚形成不全、後鼻孔閉鎖症、他の先天性異常との関連が認められている。PTUも同様の先天性異常が報告されているが、比較的頻度は少ない(1, 28, 29)

 

 

 

無顆粒球症の症状(発熱、咽頭痛)や肝障害(黄疸、濃い尿、掻痒感、腹痛、嘔気嘔吐)あるいは血管炎(倦怠感、関節痛)を示唆する症状を認める場合は速やかに医療提供者に知らせるように患者に伝えておく必要がある(1, 16-18)。その時は血算、肝酵素、血沈をオーダーし、重度の副作用が確認された場合は抗甲状腺薬を中止しなければならない(1)。しかし、抗甲状腺薬による副作用が疑われない場合は血算や肝酵素のルーチンのモニターは推奨されていない

 

 

type 1 AIT(ヨウ素誘発性)は通常methimazoleで治療され、type 2 AIT(甲状腺炎)は経口グルココルチコイドで治療される。type 1とtype 2がはっきりしない場合はmethimazoleとグルココルチコイドが併用される場合もある(14)。これらの薬剤の高量投与にもかかわらず治療抵抗性を示す場合は甲状腺切除術が効果的な治療選択となる(30)

 

 

 

 

 

甲状腺中毒症治療薬

 

propranolol

機序:βブロッカー

投与量:60-80mg 4時間毎

有利点:T4からT3に変化することをブロックする(高量)

副作用:心不全や喘息の悪化の可能性

ノート:thyroid stormでは心不全に対する侵襲的なモニターを考慮

 

atenolol

機序:βブロッカー

投与量:50-100mg 12-24時間毎

有利点:1日1回投与が可能

副作用:心不全の悪化の可能性

ノート:合併症のない甲状腺中毒症のみ

 

metoprolol

機序:βブロッカー

投与量:50-100mg 12-24時間毎

有利点:1日1回投与が可能

副作用:心不全の悪化の可能性

ノート:合併症のない甲状腺中毒症のみ

 

esmolol

機序:βブロッカー

投与量:250-500mcg/kg iv loading dose, 続いて50-100mcg/kg/min持続投与

有利点:速やかな調整可能

副作用:集中的なモニターを要する

ノート:thyroid stormのみ、心不全患者では侵襲性モニターを考慮

 

methimazole

機序:抗甲状腺薬、甲状腺ホルモン生成阻害

投与量:free T4正常上限1.0-1.5倍: 5-10mg 1日1回、free T4正常上限1.5-2.0倍: 10-20mg 1日1回、free T4正常上限2.0-3.0倍: 30-40mg 1日1回あるいは2回分割

有利点:ー

副作用:無顆粒球症(0.2-0.4%), 胆汁鬱滞性黄疸(<0.2%), 妊娠初期の投与で先天性欠損

ノート:効果発現の遅延の場合、thyroid storm時は高量(20mg 4時間毎、PTUの方が好まれる)

 

PTU

機序:抗甲状腺薬、甲状腺ホルモン生成およびT4からT3への変化を阻害

投与量:50-150mg 1日3回

有利点:T4からT3への変化をブロック

副作用:無顆粒球症(0.2-0.4%), 肝炎(<0.2%), 血管炎, 妊娠初期の使用で先天性欠損(methimazoleより少ない)

ノート:効果発現の遅延の場合、thyroid storm時は高量(600-1000mg load、 続いて200-250mg 4時間毎、PTUの方がmethimazoleより好まれる)

 

I-131

機序:ヨウ素を介する甲状腺組織の破壊

投与量:10-30mCi

有利点:2-3ヶ月で甲状腺ホルモン減少

副作用:一時的な甲状腺中毒症の悪化、甲状腺眼症の悪化の可能性

ノート:妊婦では禁忌、中等度から重度の甲状腺眼症では避ける

 

Iopanoic acid

機序:T4からT3への変化の阻害

投与量:500-1000mg 1日1回

有利点:T4からT3への変化をブロック

副作用:ヨウ素がクリアになるまでI-131の使用できない

ノート:抗甲状腺薬の前に使用してはならない、thyroid stormで抗甲状腺薬開始1時間後まで開始してはならない

 

ヨウ化カリウム(SSKI, Lugol solution)

機序:甲状腺ホルモン放出阻害

投与量:5 drops 1日4回

有利点:投与が簡易

副作用:ヨウ素アレルギー(本当のアレルギーは稀)、ヨウ素がクリアになるまでI-131の使用できない

ノート:抗甲状腺薬の前に使用してはならない、甲状腺切除術前の準備およびthyroid stormの治療

 

NSAIDs

機序:抗炎症作用

投与量:ー

有利点:ステロイドに比べ副作用少ない

副作用:消化菅刺激

ノート:亜急性甲状腺炎のみ、naproxen, ibuprofen, あるいは他のNSAIDsが投与可能

 

hydrocortisone

機序:T4からT3への変化を阻害、抗炎症作用

投与量:300mg  iv loading, 続いて100mg 1日3回

有利点:併存する副腎不全および血管運動不安定性を治療

副作用:高血糖

ノート:thyroid stormでは300mg  iv loading, 続いて100mg 8時間毎

 

prednisone

機序:抗炎症作用

投与量:40-60mg/日

有利点:亜急性甲状腺炎における速やかな疼痛の改善

副作用:クッシング症候群

ノート:亜急性甲状腺炎およびtype 2 アミオダロン誘発性甲状腺中毒症のみ

 

lithium

機序:甲状腺ホルモン放出抑制

投与量:300mg 1日4回

有利点:補助的治療

副作用:神経、腎、消化管、心臓

ノート:濃度をモニターする必要、thyroid stormでは投与量を調整

 

cholestyramine

機序:消化管で甲状腺ホルモンに結合

投与量:1-2g 1日2回

有利点:補助的治療

副作用:消化管

ノート:ー

 

血漿交換

機序:T4/T3を循環血漿から除去

投与量:1-2回

有利点:補助的治療

副作用:ー

ノート:thyroid stormあるいは手術前

 

 

 

  

 

I-131 ablation

I-131 ablationはグレーブス病の他の主要治療の1つである。効果と安全性が長く確認されており、グレーブス病において抗甲状腺治療薬で寛解しない患者の良い第2選択治療となる(1, 16)

 

グレーブス病の患者は甲状腺機能低下症となるほど十分な量のI-131を投与されるべきで、通常およそ10ー15mCiの固定量、あるいは腺の大きさとRAIUによって算出された投与量となる(1, 16)

 

グレーブス病患者のおよそ90%がよく反応を示し、投与3−6ヶ月後に甲状腺機能低下症となる。この間free T4とTSHは定期的にモニターされる必要があり、それによって甲状腺機能低下症を速やかに検知し、治療開始することができる(1, 31)

 

妊娠はI-131 ablationの絶対禁忌となる(1, 29)。ラジオアイソトープが胎児の成長している甲状腺を破壊するからである

 

また授乳中、甲状腺癌の診断あるいは疑いがある、重度の甲状腺眼症を有する場合なども禁忌となる(1, 29)。甲状腺眼症の悪化はI-131治療の合併症としてよく知られている(32, 33)

 

 

悪性疾患のリスクが研究されているが、以前の2つのスタディではI-131治療後いかなるタイプの悪性疾患のリスク上昇も認められなかった(34, 35)。続く18805人の患者において行われたスタディでは以前のI-131治療と女性の乳癌を含むすべての腫瘍による死亡との関連が小さいながらも認められた(36)

 

 

 

 

甲状腺切除術

 

甲状腺切除術はグレーブス病で抗甲状腺薬によって寛解を得られない患者、中等度から重度の甲状腺眼症、難治性AITなどの場合は主要選択治療として考慮される(1, 30)。甲状腺切除術はまた甲状腺機能亢進症で悪性の可能性のある甲状腺結節を有する患者、他の治療法に耐容できない、あるいは希望しない患者、妊娠後期で抗甲状腺薬によって甲状腺機能亢進症がコントロールできない妊婦などにも推奨される

 

アウトカムは甲状腺手術数の多い外科医に行われた場合が一番良い(37)

 

ほとんどの患者は手術によって甲状腺機能低下症となり、退院前にL-thyroxine(1.6mcg/kg/日)を開始する必要がある(1)。TSHは6ー8週後に評価する必要がある。L-thyroxineの投与量はTSHが正常範囲になるまで6ー8週毎に調整すべきである。その後は年に1回のモニターを行う

 

 

I-131治療や切除術を希望しない、あるいは禁忌である患者において単一あるいは複数の甲状腺結節に対し熟練した術者によって行われるラジオ波焼灼術も効果的である(1)

 

 

 

潜在性甲状腺中毒症の治療は

潜在性甲状腺中毒症はTSHが低く、free T4とtotal T3が正常範囲内にある軽度の甲状腺中毒症に対して使われる用語である(1, 38, 39)。多くの患者が症状を認めないが、甲状腺中毒症の軽度の症状を認める場合もある。正常妊娠、妊娠性甲状腺中毒症、妊娠悪阻、非甲状腺疾患、中枢性甲状腺機能低下症、特定の薬剤使用(グルココルチコイド、ドパミン、bexarotene、mitotane、ヘパリン)などの他の状態によっても同様の甲状腺ホルモンパターンを示す場合があるため、診断が正しいことを確認する必要がある(2)。潜在性甲状腺中毒症が甲状腺機能亢進症(グレーブス病、中毒性多結節性甲状腺腫、中毒性甲状腺腫)による場合は、TRAbは通常陽性あるいは弱陽性(グレーブス病)、RAIUは典型的には低いTSHに合わず正常範囲にあり、甲状腺スキャンは起因疾患に一致する所見を示す(1)

 

潜在性甲状腺機能亢進症(グレーブス病、中毒性多結節性甲状腺腫、中毒性甲状腺腫)は治療が考慮されるが、他の原因による潜在性甲状腺中毒症の場合は通常治療を必要としない(1)。潜在性甲状腺機能亢進症に治療が必要かどうかで専門家の間でも意見が分かれている。多くの患者は無症状あるいは症状が軽度で、長期経過は様々だからである(1, 38, 39)。TSHは治療なしに6ー12ヶ月で正常範囲に戻る場合もある。しかし、高齢者では心房細動、心不全、骨粗鬆症による骨折、早期の死亡などのリスクが上昇するとされている(40-44)。したがって現在のガイドラインではTSHが0.1mU/L以下で明らかな症状のある65歳以上の患者に対し治療を行うことを推奨している(1, 3, 38)。低量のmethimazole (5-10mg/日あるいはそれ以下)が潜在性甲状腺機能亢進症の治療として使用される場合が多い(1)

 

 

 

thyroid storm

thyroid stormは、thyrotoxic crisis(甲状腺クリーゼ) やdecompensated thyrotoxicosisなどとも呼ばれるが、甲状腺中毒症増悪による生命を脅かす緊急を要する状態である(45-49)。通常、認識されていない、あるいは不適切に治療された甲状腺機能亢進症が甲状腺切除術、非甲状腺手術、感染、外傷、最近のI-131治療などに誘発されて起こることが多い。発熱(102℉ (38.9℃)以上)が基本となる症状である。上室性頻拍、心房細動、心不全、虚血性心疾患などが起こる場合が多く、嘔気嘔吐、下痢、腹痛などもよく見られる症状である。運動亢進、精神症状、昏睡などの中枢性神経症状も見られる。free T4とtotal T3は上昇し、TSHは検知されないことが通常である

 

この状態ではTSHが低く、free T4/total T3が上昇するが、ホルモンレベルだけでは信頼を持ってthyroid stormと合併症を伴わない甲状腺中毒症を鑑別することができない。したがって経験を有する臨床家による臨床判断が鍵となる。診断のための妥当なスコアリングシステムが利用可能である(45, 46)が、スコアリング手段を臨床判断よりも優先させてはならない

 

 

 

 

Thyroid Storm Scoring System

99ー99.9℉(37.2ー37.7℃) 5点

100ー100.9℉(37.8ー38.2℃) 10点

101ー101.9℉(38.3ー38.8℃) 15点

102ー102.9℉(38.9ー39.3℃) 20点

103ー103.9℉(39.4ー39.9℃) 25点

≧104℉(40℃) 30点

 

中枢性神経症状

なし 0点

軽度の不穏 10点

中等度の不穏 20点

重度の不穏 30点

 

循環器症状

99ー109 beats/min 5点

110ー119 beats/min 10点

120ー129 beats/min 15点

130ー139 beats/min 20点

≧140 beats/min 25点

心房細動 10点

鬱血性心不全

なし 0点

軽度(浮腫) 5点

中等度(湿性ラ音) 10点

重度(肺鬱血) 15点

 

消化器症状

なし 0点

嘔気、嘔吐、下痢、腹痛 10点

黄疸 20点

 

誘因

なし 0点

あり 10点

 

スコア

<25 thyroid storm unlikely

25ー44 suggestive of thyroid storm

≧45 thyroid storm likely 

 

 

 

治療のゴールは(1)抗甲状腺薬による甲状腺ホルモン生成の抑制(methimazoleあるいはPTU(両方とも経口、経鼻胃管、経直腸で投与可、methimazoleは静注投与可、T4-T3 conversionも抑制するためPTUが通常使用される))、(2)経口ヨウ化カリウムあるいは静注ヨウ化ナトリウムによる甲状腺ホルモン放出抑制、(3)βブロッカー(esmolol, metoprolol, propanolol)と、またはカルシウムチャネルブロッカーによる心拍数抑制、(4)ストレス投与量の静注グルココルチコイド、輸液、酸素、クーリング(重度の高熱)による循環サポート、(5)誘発原因の同定と治療、である。血漿交換は以前に抗甲状腺治療薬によって重大な副作用を認めた患者に使用して甲状腺ホルモンレベルを速やかに減らすことができる。thyroid stormが確認された当初の死亡率は100%であったが(45)、今日では状態が速やかに診断され積極的な治療が行われた場合の予後は非常に改善し、報告では死亡率10%以下とされている(45-49)

 

 

 

thyroid stormの治療

甲状腺ホルモン生成の抑制

・propylthiouracil (経口、経直腸、経鼻胃管): 600-1200mg/日(分割)

・methimazole (経口、経直腸、経鼻胃管、静注): 60-120mg/日(分割)

 

甲状腺ホルモン放出抑制

・sodium iodide (静注): 1 g over 24時間

・potassium iodide (経口): 5 drops 1日4回(SSKI) 

 

心拍数抑制

・esmolol (静注): 500mg over 1 minute, 続いて50-100mg/kg/min

・metoprolol (静注): 5-10mg 2-4時間毎

・propranolol (経口): 60-80mg 4時間毎

・diltiazem (静注): 0.25mg/kg over 2 minutes、続いて10mg/min

・diltiazem (経口): 60-90mg 6-8時間毎

 

循環サポート

・glucocorticoid in stress doses

・輸液、酸素、クーリング 

 

血漿交換(以前に抗甲状腺薬による重度の副作用をきたした患者に使用できる)

 

誘因の治療

 

 

 

 

入院適応

thyroid stormが診断される、あるいは疑われる時は入院しなければならない。また抗甲状腺薬による無顆粒球症、重度の肝障害、重度の血管炎などが考えられる場合も入院適応となる

 

 

 

 

 

 

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アナルズオブインターナルメディシン

インザクリニック

2020年4月7日 

 

 

 

 

 

 

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