レジデントノート

米国にて内科修行中。何ができるか模索している過程を記録していく

慢性閉塞性肺疾患

 

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease (COPD))はよく見られる予防および治療が可能な疾患で、持続的な呼吸症状と肺活量測定によって確認される進行的な気道閉塞を特徴とし、有害な粒子やガスに対する肺の異常な炎症反応と関連する(1-5)

 

COPDは4億人に近い人が罹患し、世界で3番目に高い死因となっている(6, 7)

 

米国ではCOPDによる死亡数が2000年以来男性より女性の方が多くなっている。実際、米国におけるCOPDの年齢調整死亡率は1999年から2014年の間で男性では減少したが、女性では同期間において死亡率が維持されている(8)

 

COPDの最たる原因は喫煙であるが、25%にのぼるまでの人に喫煙歴が認められない(9)

 

大気汚染、化学煙霧、粉塵、また暖炉で燃やされる木材などバイオマス燃料から発生するものなどの肺刺激性物質への長期暴露もCOPDの起因となるかもしれない

 

稀な遺伝子疾患、α1 -アンチトリプシン欠損症も原因となる

 

 

 

スクリーニング

 

リスク

発症するためには原因物質の吸入が十分な量および期間が必要となるため40歳以下でCOPDが発症することは少ない

 

およそ80%が喫煙に起因する。喫煙者が臨床的に重大なCOPDを発症するリスクは15%と言われているが、これは過小評価されてるかもしれない(10)

 

非喫煙者のリスクファクターはバイオマス燃料、大気汚染、間接喫煙、蒸気・ガス・粉塵・煙などへの職業的暴露、喘息、妊娠中の母親の喫煙、低出生体重、小児期の呼吸器感染歴などである(11, 12)

 

遺伝因子もCOPDの罹患しやすさに関連し、最もよく知られているのがα1アンチトリプシン欠損である

 

 

無症状患者へのスクリーニング

無症状の患者にスパイロメトリーによるスクリーニングを行うことを支持するエビデンスはない

 

U.S. Preventive Services Task Forceは無症状患者へCOPDのスクリーニングを推奨していない(13)

 

しかし疫学的データではCOPDが診断不足であることが示されている(14)

 

さらには多くのCOPDを有する患者は症状を報告しないが、実際、症状を避けるあるいは最小限にするため日常身体活動を制限していたり、あるいは症状を体調不良や年齢のせいにしている場合もある

 

呼吸プライマリケアクリニックにおける患者報告による5つの簡単な質問と呼気ピークフローの選択的な使用によって、COPDのさらなる診断的評価が必要な患者が同定できたと報告されている(15)

 

 

 

 

 

 

 

診断

 

いつ診断を考慮するか

リスクファクターを有する40歳以上の成人で、息切れ、咳嗽、喀痰などの慢性的な呼吸症状を訴える場合はCOPDの診断を考慮しなければならない

 

COPDは”不均質な”コンディションであることを認識する必要があり、ある患者は粘液の過剰産生による慢性咳嗽(慢性気管支炎)が主要症状であり、一方で肺過膨張による進行的な呼吸困難(肺気腫)が主な症状の場合もある

 

 

 

呼吸機能検査の診断的役割

関連するリスクファクターと慢性呼吸症状の存在に加え、気管拡張剤投与後のFEV1-FVC ratioが0.70以下であることがCOPDの診断に必要である(1)

 

いったん診断が確定すれば、予測FEV1パーセンテージが肺機能障害の重症度に関する情報を提供する。軽度(FEV1≧予測値80%)、中等度(FEV1 予測値50-79%)、重度(FEV1 予測値30-49%)、最重度(FEV1<予測値30%)と分類される

 

予測FEV1パーセンテージは死亡率との強い関連を認め、COPDの長期予後予測として妥当性が確立しているBODE(Body mass index、airflow Obstruction、Dyspnea、Exercise capacity)の1つの要素となっている(16)

 

肺活量、一酸化炭素拡散能(diffusing capacity for carbon monoxide (DLCO))などの他の呼吸機能検査も診断をサポートするかもしれないが必須ではない

 

 

他の検査

スパイロメトリー以外にCOPDの診断に必要な検査はない。しかし他のいくつかの検査も臨床的な表現型の特定およびマネージメントに、特に病状が進行している場合においては役立つかもしれない

 

動脈血液ガス試験は慢性的な高二酸化炭素血症を同定し、家庭での非侵襲的呼吸器治療が必要な患者の評価に有効である(17)

 

進行性に呼吸困難あるいは呼吸機能が悪化する、一酸化炭素拡散能が低下する、CTで重度の肺気腫を認める患者などでは6分間歩行試験を行い、労作による低酸素血症と長期酸素療法の適応に関する評価を行わなければならない

 

血算での好酸球数は吸入コルチコステロイド(inhaled corticosteroid [ICS])の開始および中止を決定する判断の助けとなるかもしれない。好酸球数値の高い患者では一般的に吸入ステロイドによく反応するからである(18)

 

胸部CTスキャンはCOPD急性増悪を再発する場合や最大治療にかかわらず呼吸困難が持続する患者の評価に重要であり、肺血栓塞栓症の除外や気管支拡張症、肺線維症、肺腫瘍などの他に併存する肺疾患の評価を行うことができる(19)

 

COPDの発症が50歳以前、α1トリプシン欠損症の家族歴、認識されるリスクファクターがなく肺気腫、気管支拡張症、肝疾患、脂肪織炎を認める、あるいは重症度が原因物質の暴露の程度に一致しない場合などはα1トリプシン値の測定も考慮しなければならない(20, 21)

 

 

喫煙は呼吸機能悪化を促進するため、すみやかに禁煙を促すためにも、あるいはα1トリプシンの静脈投与によって呼吸機能およびCTで測定される肺濃度の低下を減少させられるため、その治療を考慮するためにもCOPD患者を同定することは重要となる(22)

 

 

考慮すべき他の疾患

喘息、気管支拡張症などの気道閉塞をきたす肺疾患を考慮しなければならず、またそれらはCOPDと併存する場合もある

 

またCOPD患者は冠動脈疾患、心不全、肺高血圧症、閉塞性睡眠時無呼吸、骨粗鬆症、うつ病、不安障害などの他の疾患の高いリスクともなる(23, 24)

 

 

喘息との鑑別

喘息とCOPDを鑑別することは難しい。どちらもスパイロメトリーにおいて気道閉塞が認められ同様な呼吸症状(呼吸困難、咳嗽、喘鳴)を有する

 

しかしいくつかの臨床的特徴がこれらを鑑別する助けとなりうる。一般的に喘息患者は喫煙者であることが比較的少なく、若いうちから発症し、症状の変動を経験し(日中と夜間、日毎、季節毎)、ピークフロー測定によってもその変動が確認され、運動、寒冷、エアロアレルゲン(イエダニ、かび、花粉、ペット)などの症状発症の誘因を持ち、アトピーの既往歴あるいは家族歴の割合が高い

 

反対にCOPDでは発症が比較的遅く、重大な喫煙歴(20 pack-years以上)があることが多く、持続性の労作性呼吸困難および湿性咳嗽を有し、一般的に吸入薬への反応が安定しない

 

これらの両方の臨床的特徴を有する患者は喘息とCOPDが併存すると考えられる(25)

 

 

 

 

 

 

治療

 

禁煙

COPDを罹患している全ての喫煙者に禁煙を促す必要があり、外来受診あるいは入院の度にアプローチしなければならない

 

治療する医師のその継続性が禁煙チャンスを最大限にすることに欠かせない

 

禁煙は多くの臨床的利益があり、気管支拡張剤への反応を良くする、肺機能低下を減らす、死亡率を下げる、などが含まれる(26)

 

カウンセリングプログラムと薬剤治療を組み合わせることが禁煙を援助する最も効果的な方法である。薬剤治療のオプションにはニコチン治療(貼付剤、ガム、トローチ、経鼻スプレー、吸入剤)とブプロピオンやバレニクリンなどの経口剤がある(27)

 

 

薬剤治療へのアプローチ

気管支拡張剤、コルチコステロイドを含む吸入剤はCOPDマネージメントの要である

 

気管支拡張剤は短期作用型(短期作用型β2アゴニスト、短期作用型ムスカリンアンタゴニスト)と長期作用型(長期作用型β2アゴニスト(long-acting β2-agonist [LABA])、長期作用型ムスカリンアンタゴニスト(long-acting muscarinic antagonist [LAMA]))がある

 

Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD) ABCD staging systemに基づき、症状の重さおよび急性増悪のリスクが吸入剤治療をガイドしなければならない(1)

 

症状の重さはmodified Medical Research Council dyspnea severity scaleあるいはCOPD Assessment Test (CAT)(8つの症状を評価(www.catestonline.org))を用いて評価することができる

 

急性増悪のリスクは前年のその頻度と増悪の重症度によって規定される。推奨される初期吸入剤治療はGOLDグループAでは短期作用型気管支拡張剤、グループBでは1つの長期作用型気管支拡張剤(LABAあるいはLAMA)、グループCではLAMA、グループDでは1つのLAMAあるいは2剤(LAMA+LABA)あるいは吸入コルチコステロイド(ICS)とLABAの併用、とされている(1)

 

 

GOLD ABCDステージングによる初期治療ガイド

A:低いリスク、少ない症状/増悪年1回以下/CAT score<10/mMRC Dyspnea Scale Score 0-1

B:低いリスク、より多い症状/増悪年1回以下/CAT score≧10/mMRC Dyspnea Scale Score ≧2

C:高いリスク、少ない症状/増悪年2回以上あるいは入院年1回以上/CAT score<10/mMRC Dyspnea Scale Score 0-1

D:高いリスク、より多い症状/増悪年2回以上あるいは入院年1回以上/CAT score≧10/mMRC Dyspnea Scale Score ≧2

 

 

 

Modified Medical Research Council Dyspnea Scale

:強い労作の時のみ息切れがする

:平地で急ぐ時あるいはゆるやかな丘を歩く時に息切れがする(軽度)

:息切れのため平地では同年代の人よりゆっくり歩く、あるいは自分のペースで歩く時に息切れのために立ち止まる(中等度)

:平地でおよそ100ヤード(91m)、あるいは数分間歩いた後に息切れのために立ち止まる(重度)

:息切れのために外出できないあるいは着替えで息切れする(最重度)

 

 

 

COPD急性増悪診断基準と重症度

診断基準

日常の呼吸症状より強い

・呼吸困難の増悪

・喀痰の増量

・喀痰の膿性度上昇(黄色あるいは緑色)

重症度

軽度:短期作用型気管支拡張剤にて治療

中等度:短期作用型気管支拡張剤と抗菌薬とあるいは経口コルチコステロイドにて治療

重度:救急外来受診あるいは入院を要する

 

 

 

 

吸入器具と薬剤クラスはアクセス、使用の容易性、好みなどに基づいて個人毎に選択されるべきである

 

正しい吸入手技に関する教育を行うことが重要である。75%以上のCOPD患者が吸入の際に1つ以上の間違いを犯している、といわれている(28)

 

 

 

吸入気管支拡張剤

短期作用型気管支拡張剤の作用期間は3−6時間で、呼吸症状の改善のため必要に応じて使用される。逆に長期作用型気管支拡張剤は維持療法として呼吸困難の減少、肺機能の改善、急性増悪を減らすために毎日使用する必要がある(29)

 

LAMAはLABAより急性増悪の予防に効果がある(30)

 

 

LAMAとLABAの併用による気管支拡張治療は単剤よりも症状、肺機能の改善により効果的である(31)。したがって症状の強い患者(CAT score≧20)に併用療法を、あるいは単剤治療にて症状が持続する場合は併用治療にエスカレートすることを考慮する必要がある(1)

 

 

 

コルチコステロイド

Inhaled corticosteroid (ICS) はCOPDに単独では処方されず、長期作用型気管支拡張剤との併用で使用される

 

LABAとICSの併用は健康状態、肺機能、急性増悪の頻度に関して単剤治療よりも効果が大きい

 

症状が重く急性増悪の頻度が高い(GOLDグループD)、特に喘息と合併している、あるいは血中好酸球数が0.300×10⁹cells/L以上の場合には、LABAとICSの併用を初期治療として考慮する必要がある(1)。スタディでは血中好酸球数が高い場合、ICSが急性増悪の予防により効果的であることを示している(18)

 

LABA、LAMA、ICSの3剤治療はLABA/LAMAあるいはLABA/ICSの併用治療よりも症状および肺機能の改善、急性増悪の頻度を減らすことに効果的である(32)

 

ICSは肺炎、非結核性抗酸菌感染、口腔カンジダ、あざができやすい、などの有害事象のリスクを高めることを認識している必要がある。したがってICS治療を受けているCOPD患者のリスクと利益を定期的に評価することが大切である

 

COPD患者でICS中断による臨床アウトカムを評価したスタディでは混合するデータが得られている。3剤吸入治療を受けている急性増悪頻度の高くない患者ではLABA/LAMA併用治療に変更した場合、肺機能のわずかな低下が認められたが、増悪頻度に違いはなかった(33)。しかしベースライン血中好酸球数が0.300×10⁹cells/L以上のサブグループでは肺機能のより大きな低下および急性増悪頻度の増加が認められた。これらの結果より、ICSを継続あるいは中断する判断は急性増悪の頻度、有害事象、血中好酸球数などの鍵となるさまざまな因子を考慮に入れた上で行う必要がある

 

経口コルチコステロイドは期間を限定した急性増悪治療のために控えておく必要がある。一般的に安定した患者では経口ステロイドの長期投与は避けるべきである。利益が限られた上、骨粗鬆症などの有害事象のリスクが高いからである

 

 

 

経口治療剤の追加

COPD急性増悪は疾患の自然経過において有害なイベントであり、QOLの低下、肺機能の損失、死亡率の上昇との関連を認める。したがってそのようなイベントの予防がCOPDマネージメントの重要な要素となる。最大吸入治療を受けていて急性増悪を繰り返す患者では予防のためにアジスロマイシンあるいはロフルミラスト長期投与の追加を考慮する必要がある

 

多施設RCTでは過去に喫煙歴があり急性増悪リスクの高い1142人のCOPD患者が評価された。通常治療にアジスロマイシン250mg 1日1回投与とプラセボ投与がそれぞれ追加されたグループに割り当てられ1年間追跡された(34)。アジスロマイシン投与を受けたグループの最初の急性増悪までの期間中央値が266日であったのに対し、プラセボグループは174日であった(P<0.001)。聴覚障害をきたしたのはアジスロマイシングループの25%、プラセボグループでは20%であった(P=0.04)

 

ホスホジエステラーゼ4阻害剤であるロフルミラストは急性増悪のリスクが高く、FEV1が予測値の50%以下で慢性気管支炎型の患者における中等度から重度の急性増悪の頻度を減らすことが証明されている(35)

 

テオフィリンは弱い気管支拡張作用を有する経口剤である。効果が比較的弱く、狭い治療域、他の薬剤との相互作用、有害事象(嘔気、嘔吐、頻脈性不整脈、痙攣)などのために、一般的には使用が推奨されない

 

 

 

予防接種

Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP)はインフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種をCOPDを含む慢性呼吸器疾患を有する患者に推奨している

 

インフルエンザワクチンは急性増悪の頻度を減らすため全てのCOPD患者が毎年接種すべきである(36)

 

19−64歳の喫煙者あるいはCOPD患者は23-valent pneumococcal polysaccharide vaccineを接種すべきであり、前回の接種から5年以上あいていれば65歳で再接種する必要がある(37)

 

ACIPは65歳以上の成人に13-valent pneumococcal conjugate vaccine (PCV13)接種をもはや推奨していない。広く普及している小児へのPCV13ワクチンによってPCV13血清型による感染が著しく減少したからである(38)

 

PCV13ワクチンの適応には侵襲的肺炎球菌感染、免疫不全状態、無脾症、脳脊髄液漏、人工内耳植え込みなどがある

 

 

急性増悪

急性増悪は細菌あるいはウイルスの気道感染、環境的刺激物質(高い湿度、冷たい空気、エアロアレルゲン)への暴露、肺血栓塞栓症などに続いて起こることが多い(19)

 

速やかな診断がマネージメントとして重要である。作用オンセットが速いため短期作用型気管支拡張剤が急性増悪治療の中心を担う。追加的なマネージメントには抗菌薬や経口コルチコステロイドの開始、入院必要性の評価などが含まれる

 

COPD急性増悪の症状は特異的でないため、急性心筋梗塞、肺炎、不整脈、心不全増悪などの鑑別疾患を考慮する必要がある

 

外来におけるCOPD急性増悪患者には抗菌薬処方を考慮する必要がある。いくつかのスタディでは抗菌薬治療によって治療の失敗を減らし、急性増悪が起こる間隔を長くすることが確認されている(39)

 

膿性喀痰の存在は抗菌薬治療による利益が得られる可能性を最も高める(40)

 

急性増悪の重症度と肺機能障害の程度も抗菌薬を投与するかの重要な判断材料となる

 

COPD急性増悪の実際の誘因は不明である場合が多い。したがって抗菌薬治療はもっともよく見られる細菌をカバーする必要がある;ヘモフィルスインフルエンザ、肺炎球菌、モラクセラカタラーリスなどである。また以前の治療への反応や地域の耐性パターンも考慮にいれる必要がある(41)

 

抗菌薬のオプションにはβラクタム/βラクタマーゼ阻害剤、第2あるいは第3世代セファロスポリン、マクロライド、フルオロキノロン、テトラサイクリン、トリメトプリム−サルファメトキサゾールが含まれる

 

経口コルチコステロイドは中等度から重度の急性増悪に対し強く考慮される必要がある。急性増悪に対する経口あるいは静注コルチコステロイド投与が治療の失敗の可能性を下げ、1ヶ月間における再発を減らすことがいくつかのスタディによって認められている(42)。これらのスタディでは症状や肺機能のより早い改善、入院期間の短縮なども示されている

 

コルチコステロイドの静注投与と経口投与の両者では治療の失敗率、再発、死亡率に違いを認めるエビデンスはない。静注および経口ステロイド両方において副作用が認められるが、経口治療の方がより軽度であるため好ましい

 

救急外来受診したCOPD急性増悪患者314人において行われたRCTでは5日間と14日間の経口コルチコステロイド投与において6ヶ月間での急性増悪再発に違いが認められなかった(43)。この結果はICU入院を必要としない患者へのプレドニゾン40mg/日5日投与の一般的治療法をサポートする

 

急性増悪の外来マネージメントに適切な反応を示さない患者がいることを認識している事が重要である。これらの患者では入院による非侵襲的あるいは挿管による呼吸器治療を必要とする可能性もある

 

 

COPD急性増悪による入院適応

・突然悪化する安静時呼吸困難、高い呼吸数、酸素飽和度低下、混乱、意識レベル低下などの重度の症状

・急性呼吸不全

・新たな身体所見(チアノーゼ、末梢浮腫)

・急性増悪初期治療への反応を認めない

・重大な併存疾患(心不全、新たに発症した不整脈)

・診断不明

・家庭でのサポートが十分でない

 

 

 

 

リハビリテーション

呼吸リハビリテーションはエクササイズトレーニング(エアロビックと筋力トレーニング)、教育、心理的カウンセリング、栄養カウンセリングを含む様々な介入からなる学際的なケアプログラムである

 

症状を有する全てのCOPD患者に治療の一環として呼吸リハビリテーションを推奨すべきである。最も利益が得られるのはCOPDによってQOLが障害されている、生活を制限する息切れおよび不安を経験している、強化的な教育およびエクササイズプログラムに積極的に参加する意思のある患者などである(1, 3)

 

計3822人のCOPD患者を評価した65のRCTの2015年コクランコラボレーションレビューでは呼吸リハビリテーションが呼吸困難を減らし、運動耐容能を増やし、健康関連QOLを改善したと報告している(44) 。1477人の患者を評価した他のコクランコラボレーションレビューではCOPD急性増悪後の呼吸リハビリテーションによる再入院および死亡率に対する効果は混合しており、いくつかのスタディでは利益を認めたが、他では認められなかった(45)

 

 

 

他の付随的治療法

付随的な治療もよく行われるが、その有効性をサポートするエビデンスは少ない

 

flutter valve deviceの使用や胸部理学療法は慢性気管支炎あるいは併存する気管支拡張症患者の喀痰排出を促し、呼吸困難感を軽減するが、過剰な喀痰産生がない状況ではその有効性が限られている

 

 

 

酸素療法

重度の安静時低酸素血症を認める患者に対する長期酸素療法は死亡率を減少させる(46, 47)。したがって中等度から重度のCOPD患者は定期的に酸素投与必要性の評価を行う必要がある

 

30分room airで呼吸した後にPaO2を測定することが酸素治療開始の最も正確でスタンダードな方法である

 

パルスオキシメトリーを長期酸素治療必要性の評価および酸素投与量の調整のために使用することができる

 

長期酸素治療が適応となれば、1日最低15時間以上、理想的には24時間使用することが推奨される

 

 

長期酸素治療の適応

安静時room airにて評価

・SaO2 ≦ 88%  

あるいは

・PaO2 ≦ 55mmHg

運動時にて評価

・SaO2 ≦ 88%あるいはPaO2 ≦ 55mmHg

かつ

・酸素投与による運動時低酸素血症の改善を確認

睡眠時に評価

・SaO2 ≦ 88%あるいはPaO2 ≦ 55mmHg 睡眠時に5分以上認める

あるいは

・SaO2 5%以上の低下あるいはPaO2 10mmHg以上の低下が低酸素血症に起因する症状や症候(認知機能低下あるいは落ち着きのなさ)を伴って5分以上認める

 

心不全、肺高血圧/肺性心、赤血球増加を有する患者では安静時、運動時、睡眠時にSaO2 ≦ 89%あるいはPaO2 56-59mmHgを満たせば酸素治療開始の適応となる

 

 

 

 

COPDで重度の安静時低酸素血症を有する患者では長期酸素治療による死亡率の低下が確認されているが、中等度の安静時低酸素血症あるいは運動時低酸素血症の患者においては生命予後に対する利益が認められていない。よってこれらの患者では酸素治療開始の判断を患者と意思決定の共有を行う必要がある

 

 

 

肺容量減少手術

Lung volume reduction surgery (LVRS)は罹患部位あるいは機能していない気腫性肺実質を30%にのぼるまで切除を行い、残存する肺がより機能することを促す手術である

 

これはCOPD患者で呼吸リハビリテーションを終了し以下の基準を満たす場合に考慮される;1)胸部CTにて両側上葉優位の気腫性変化を認める、2)全肺気量と残気量がそれぞれ予測値の100%および150%以上、3)気管支拡張剤投与後のFEV1が予測値の45%以下、4)room airにてPaCO2 60mmHg以下でPaO2 45mmHg以上

 

 

FEV1が予測値の20%以下でCT上均一な気腫性変化あるいはDLCOが予測値の20%以下の場合はLVRSが考慮されない。それによる利益がなく、術後死亡率が高いからである(48)

 

上葉優位の気腫性変化、低運動耐容能、重度の症状を持つ限られた患者においてLVRS後の症状の改善および運動耐容能上昇を伴う死亡率低下が認められる(48)

 

 

気管支鏡的肺容量減少術

選択的に気道に弁を留置して気腫性変化をきたした部位に無気肺をつくる気管支鏡的アプローチによる肺容量減少術が発達してきている。2つの弁デバイスが2020年1月16日にFDAによって承認されている。bronchoscopic lung volume reduction (BLVR)の患者選択は2つをのぞいてLVRSと同様である。気腫性変化の領域は上葉優位である必要がなく、弁留置によって無気肺をつくるためのターゲットとなる肺葉に関わる間裂は完全である必要がある

 

BLVR後の気胸合併率は30%にまでのぼる

 

BLVRによる長期予後はまだわかっていない

 

多施設RCTにてターゲットとなる肺葉にcollateral ventilationがない重度COPD患者に対するZephyr Endobronchial Valve (Pulmonx)の安全性および効果が評価された。12ヶ月の期間において標準治療に比べ治療グループにて肺機能、運動耐容能、呼吸困難、QOLで有効性が認められた(49)

 

 

肺移植

COPDに特異的なガイドラインでは薬剤、呼吸リハビリテーション、酸素治療の最大治療にもかかわらず病状が進行し、肺容量減少術の適応にならず、BODE index scoreが5-6、PaCO2が50mmHg以上、PaO2が60mmHg以下、FEV1が予測値の25%以下の患者では肺移植チームへの紹介が推奨されている(50)

 

COPDに対する単肺あるいは両肺移植に関する議論が続いている。両肺移植が生命予後(51, 52)および機能改善(53)に優位であると報告するスタディがある一方で、生命予後は同等で、単肺移植の方が術後合併症が少なく、移植待機期間による生命予後が良いとする報告もある(54)

 

肺移植が成功すれば肺機能、運動耐容能、QOL、およびおそらく生命予後が改善する(2)

 

慢性移植片拒絶(閉塞性細気管支炎)が長期合併症および死亡の最たる原因であり、その率は25−55%にのぼる

 

 

 

 

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インザクリニック

2020年8月4日

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