せん妄
せん妄は突発性の混乱、時間による動揺、注意力低下、意識レベルの異常を特徴とする急性の脳機能障害である(1-3)
せん妄(delirium)、脳症(encephalopathy)、急性錯乱状態(acute confusional state) に対する用語が近年改訂され、専門家がそれぞれ特定の使い方を推奨している
急性脳症は中枢神経系”プロセス”の病理学的状態を指すのに対し、せん妄はベッドサイドで観察される症状を表すものとして使用されるべきであると専門家が推奨している(4)
せん妄は非常によく見られるが診断が難しい場合がある。時おり患者は急性の不穏にのみなる場合もあるが、これは低活動型に比べ遥かに少ない(1, 5)
多くの患者で低活動型が優位を示し、時おり不穏が認められる混合型の様相を呈する
せん妄は急性の意識状態の変化であり、慢性で緩徐に進行する認知症と鑑別されなければならない。しかし既存の認知障害がせん妄のリスクファクターとなるため、せん妄と認知症が併存する場合が多い
入院する多くの高齢者(11−40%)にせん妄が認められる(1, 6)
関節置換術などの待機的手術後の15−25%、股関節骨折修復術や心臓手術後の50%以上の高齢者にせん妄が起こる(7-10)
ICUに入院し人工呼吸器サポートを必要とする全ての年齢層の患者80%までにせん妄が認められ、終末期の累積発生率は85%とまで高くなると報告されている(11, 12)
せん妄と患者の悪い予後が強く関連することが多くのエビデンスによって認められている。院内ではせん妄による死亡のリスクが10倍上昇し、院内合併症、入院期間の延長、退院後のナーシングホームの必要性に対するリスクが3−5倍高くなる(1)
入院中にせん妄を発症した患者はたとえ退院しても身体機能および認知機能回復が悪くなる場合が多い
スクリーニングと予防
せん妄は高齢者におこる多因子性症候群であるが、どの年齢層においても起こりえる。障害がおきる他の臓器と同様に、せん妄のリスクファクターは多因子性で、多くの場合は発症臓器以外、せん妄においては脳や中枢神経以外に存在することが多い
せん妄のよく見られるリスクファクターモデルは素因と誘因を区別する。前者は患者のせん妄発症の可能性を高める慢性的な因子であり、後者はせん妄を起こす急性の状態あるいはイベントである
いくつかの大きな疫学的スタディとシステマティックレビューによってせん妄の素因と誘因が定義されている。このモデルに基づき患者のせん妄リスクは素因と誘因の合計によって規定される。素因が多いほどせん妄発症に必要な誘因のイベントが少なくなる(13)
たとえば健康な若年者はICUにおける重篤なセプシス、呼吸不全、人工呼吸器治療によって起こりえるのに対し、認知機能障害を伴う虚弱な高齢者では睡眠のためにジフェンヒドラミンを服用しただけでも起こる可能性がある
せん妄のリスクファクター
素因
・既存の認知機能障害
・複数の併存疾患(うつ病も含む)
・多剤服用
・感覚器障害(視覚、聴覚など)
・運動機能の低下(日常活動の低下など)
・アルコール多飲や低栄養状態
・貧血
誘因
・重症疾患(セプシス、脳卒中など)
・テザー(繋ぎ止めるもの)の存在(尿道カテーテルなど)や身体拘束
・手術/麻酔
・新たな精神科薬剤
・疼痛
・環境変化
・脱水/電解質異常
・尿閉/fecal impaction(糞塊埋伏)
いつスクリーニングすべきか
せん妄はよく見られる状態であるが55−80%のケースが臨床チームに認識されず記録されない(14-16)。したがって認識し速やかな治療を行うために患者のスクリーニングは重要となる
せん妄の検知と治療を改善するためのシステマティックプログラムの有効性を評価したトライアルではせん妄の検知率を高め、アウトカムを中等度に改善することが示された(17)
既存の認知機能障害や複数の併存疾患を有する、またはICU入室を必要とするせん妄のリスクを有する入院患者をスクリーニングする必要がある
病院からナーシングホームや外来などの急性期後ケアに移行する患者にもスクリーニングを行うことが必要となる。長引くせん妄が治療プランや回復の障害となる可能性があるからだ
せん妄を同定する多くのスクリーニングと診断ツールが利用可能である
せん妄の4つの重要な特徴である、急性の意識変化と時間による動揺、注意力低下、無秩序な思考、意識レベルの異常、を評価するConfusion Assessment Method(CAM)診断アルゴリズム(18)が簡易なスクリーニング法として使われるhttps://www.mnhospitals.org/Portals/0/Documents/ptsafety/LEAPT%20Delirium/Confusion%20Assessment%20Method%20-%20CAM.pdf
臨床ケアにおける通常の観察によってせん妄を認識することは不十分であり、検知を向上させるために標準化された評価法を使用すべきである事をスタディが示唆している(19)
CAMを使用した診断にはせん妄の1番目と2番目および3番目あるいは4番目の特徴の存在が必要となる
CAMはせん妄の診断のための正確なアプローチ法である。2001年から2013年にかけた多くの文献のレビューでは感度82%、特異度99%であったと報告されている(20)
以前に認知機能評価が行われていない場合はCAMの感度がかなり下がることを認識しておく必要がある
評価者はRichmond Agitation and Sedation Scale(21, 22)などを利用して意識レベルの評価を、また注意の評価を1つあるいは追加のアイテムを使って行うことができるhttps://www.mnhospitals.org/Portals/0/Documents/ptsafety/LEAPT%20Delirium/RASS%20Sedation%20Assessment%20Tool.pdf
せん妄スクリーニング法の主な要素
・注意力の評価(✴︎)
・無秩序な思考の評価に理解を問う(どこにいますか、何があなたに起こっていますか)
・精神運動状態の評価(不穏か活動低下かその混合か)
・タイムラインの推定と発症経過
最初の認知評価にてせん妄が疑われたら、せん妄に特異的な診断ツールによって評価を行う必要がある
CAMは米国においてせん妄の同定に最も広く使用される方法であるが、最適なパフォーマンスのため正確に使用するには特別なトレーニングを要する(23)
3-Minute Diagnostic Interview for Confusion Assessment Method(3D-CAM)は入院患者の評価により簡易で、感度95%、特異度94%とされている(24)
曜日の確認と1年の月を反対から言わせるultra-brief 2-item testは妥当なスクリーニング法で感度93%、特異度64%である(25)https://www.nursing.psu.edu/wp-content/uploads/2019/03/UB-2-with-disclaimer-fick_Delirium-Pocket-Card_052118.pdf
他の方法には4A's Test(4AT)があり簡易で特別なトレーニングを必要としない。4ATが最初のスクリーニングとして推奨される国もあり、感度は76%、特異度は94%である(26)
Confusion Assessment Method for the ICU(CAM-ICU)は注意、思考、意識レベルを評価するため患者の非言語反応を利用した特別なCAMアルゴリズムを適応している(12)。CAM-ICUは妥当的で信頼ができ、数分で行うことが可能である。ICUの患者はせん妄のリスクが高いため少なくとも毎日スクリーニングを行う必要がある
https://www.aacn.org/docs/EventPlanning/WB0016/Delirium-CAM-ICU-gwgqydl2.pdf
予防
せん妄に対する全ての介入の中で、よく認められるリスクファクターを減らすことを目標とするプロトコールが最もエビデンスによって支持されている。この方法を使った効果的な予防によってせん妄の発症を40%減らすことができる(27)
Yale Delirium Prevention Trialはせん妄の6つのリスクファクター;認知障害、睡眠障害、低活動性、視力障害、聴覚障害、脱水をターゲットとするHospital Elder Life Programの有効性を評価した(28)。リスクファクターは入院時に評価され、1つあるいはそれ以上リスクファクターを有する患者に介入が施された。介入は特別にトレーニングされたチームによって行われ、その中には暖かいミルク、背中をさする、就寝時に落ち着く音楽を流すなどの非薬物療法による睡眠プロトコールが含まれた。この介入は鎮静剤の使用を大きく減らした。介入グループではせん妄が有意に減少した(オッズ比, 0.60 [95% CI, 0.39-0.92], number needed to treat, 19)(28)。Yale trialで使用されたアプローチは広く行われている
他にはせん妄リスクのある患者の家族を介入に利用する方法も同等の成功を納めている(29)
非薬物療法による睡眠の質の改善自体ははっきりせず良いスタディが少ない(30, 31)
通常推奨されているせん妄予防法がCOVID-19パンデミックによって挑戦を受けている。病院や他のケア施設では感染リスクのため家族、友人、そして病院スタッフとの接触を制限している。これらの接触は安心、見当識、他のサポートを提供し、せん妄を予防するために重要な役割を果たしている
せん妄を予防あるいは重症度を減らす薬物トライアルは今日まで成功していない。最近のシステマティックレビューでは抗精神薬使用によるせん妄予防あるいは治療をサポートするエビデンスが認められなかった(32-34)
ICUではよくハロペリドールが使用されるが、せん妄リスクの高い患者においても生命予後を改善しないことが示されている(35)
非薬物療法による予防アプローチがせん妄の重症度および期間を減らす。これらのトライアルでは看護師ケアの改変、患者中心にフォーカスした病院環境、せん妄の誘因としてよく見られる因子を減らすことなどを含む新しいケアモデルが評価されている(36)
抗精神薬投与で過活動性症状から低活動性に変わりせん妄の症状が改善した印象を与え、結果せん妄の重症度が一見改善したように見えることが指摘されている。スタディでは低活動型せん妄は過活動型せん妄と同等あるいはより悪いアウトカムを有すると報告している(37, 38)
診断
混乱した入院患者およびリスクの高い混乱したいかなる状況の患者においてもせん妄を考慮する必要がある
病歴と身体診察
せん妄の診断は病歴と身体診察に基づいて行われる
クリニカルアセスメントよりも正確な血液検査、画像検査あるいは他の検査は存在しない(1)
病歴と身体診察はせん妄評価の2つの役割がある。診断の確定と原因および誘因の同定である
せん妄は主にcaregiverあるいは家族から病歴聴取を行う
1つの重要な要素は意識変容のタイムラインを同定することである。急性の発症がせん妄に最も一致する。正常な場合と非常に混乱する意識状態の変動があるかどうかも必須の要素である
身体診察の重要な側面は意識状態の評価であり、最も重要な評価は意識レベルと注意力の決定である
注意を評価するテスト(✴︎)
・Digit span
https://www.mesa-nhlbi.org/PublicDocs/MESAExam5Forms/V5%20MESA%20Digit%20Span%20Test.pdf
・曜日を尋ねる、年の月を反対から言わせる
・continuous performance task(患者にリストの中からある文字が聴こえた場合に手をあげるようにさせる)
・attention screening examination(写真を見せ、覚えさせ、思い出させる)
・serial 7's or 3's(100から7を順に引き算させる、20から3を順に引き算させる)
・"world"を反対からスペルさせる
病歴と身体診察のもう一つの重要な要素はせん妄の原因と誘因の評価である。これには薬剤服用歴、バイタルサイン、一般診察が含まれる
検査
血液検査、脳画像検査、脳波は診断における病歴と身体診察の代替とはならない。しかし病歴と身体診察に基づいて注意深く検査が選ばれた場合はせん妄の可能性のある原因と修正できうる誘因を同定することが可能であるかもしれない
病歴から痙攣活動あるいは頭蓋内因子(頭部外傷後の意識障害)の存在が強く疑われる、身体診察から局所神経徴候や痙攣活動が検知される場合を除いては脳画像と脳波は通常有用性が低い(39)
これらの検査は患者が入院経過中にせん妄を起こした場合も有用ではない(40)
せん妄が時おり脳卒中の徴候として現れる場合があること(41)は留意しておく必要があり、リスクファクター、病歴、身体診察から示唆される場合は脳画像検査は必須となる
せん妄を評価する血液検査、画像検査、他の検査
基本血液検査
・血算:感染、重度の貧血
・電解質:電解質異常、特に高ナトリウム血症、低ナトリウム血症
・BUN、Cre:脱水および不顕性腎不全(稀)
・血糖:低血糖、重度の高血糖、高浸透圧状態
・肝機能(AST, ALT, T-bil, ALP):不顕性胆管炎、胆管結石、肝障害
感染評価
・胸部レントゲン写真:肺炎(発熱や身体所見から疑われる場合)
・尿一般沈渣・培養:尿路感染(発熱や泌尿器系症状がある場合)
・腰椎穿刺:病歴と身体診察から髄膜炎あるいはくも膜下出血を強く疑う、あるいはせん妄が遷延する、予期されていなかった、説明ができない、若年者に起こる、などの場合
心電図:心筋梗塞や不整脈
動脈血液ガス:慢性閉塞性肺疾患で高二酸化炭素血症の場合
薬物血中濃度:特定の薬剤では血清レベルが正常範囲でもせん妄が起こりえる
ドラッグスクリーニング:摂取が疑われるのはより若い患者の場合が多い
脳画像検査(CT, MRI):病歴と身体所見から脳梗塞や脳出血が強く疑われる場合やせん妄が遷延する、予期されていなかった、説明ができない、などの場合
脳波:痙攣が疑われる場合diffuse slow-wave activityがよく認められるが、可逆的な原因の評価および治療に対して役立つことは少ない
鑑別疾患
せん妄の主な鑑別疾患は認知症、うつ病、他の急性の精神科症候群、そしてせん妄の部分症候群として知られる亜症候群性せん妄がある(1)。多くの場合、これらの症候群が併存し互いにリスクファクターとなるため、本当の意味での鑑別疾患ではない
最も多く遭遇する診断の問題は新たに混乱を呈した患者が認知症か、せん妄か、あるいはその両方を有するか、という問題である。これを決定するためには、医師は患者のベースラインの状態を以前の記載情報から、あるいは家族や患者を知る人から入手しなければならない。ベースラインからの急性の意識の変容は認知症に一致せず、せん妄を示唆する
新たな神経認知障害の診断はせん妄を起こしている間には行えないことを認識している必要がある
急性に揺れ動く経過の変容(分から時間単位で)と意識障害はせん妄を強く示唆する
認知症を有する入院患者のせん妄発症率は非常に高い。認知症患者のせん妄発症リスクは2−5倍高くなる(42)。したがって既存する認知症の診断によってせん妄を除外できず、よりその可能性を高くするかもしれない
うつ病は低活動型せん妄と混同される場合がある。1つのスタディでは、うつ病として精神科コンサルトを受ける急性疾患患者の3分の1に低活動型せん妄が認められたと報告されている(43)
躁状態や急性精神病症状などの急性精神科症候群は過活動型せん妄のような徴候を認める。最初は精神科疾患に起因するものと決定することやその下地になっている重篤な内科疾患を見逃さないためにも、過活動性患者はせん妄として評価し管理した方が良い
せん妄の全てでなく部分的な特徴を呈する患者は亜症候群性せん妄と評価される。これらの患者のアウトカムはせん妄の基準を満たす患者と同等で、せん妄と同様に評価され、マネージメントされなければならない。しかしエビデンスが少ないため亜症候群性せん妄とせん妄への進展あるいは重篤患者における悪い予後との関連は不明である(44, 45)
治療
入院
せん妄を疑う患者を入院させるかを決定するには診断的評価のタイムライン、臨床的安定さ、社会的サポートなどのいくつかの因子を考慮する必要がある。すべてのせん妄患者を入院させる必要はなく、入院自体がせん妄を悪化させうる
診断的評価がすべて滞りなく行え、患者の安全が確保され、せん妄の原因が純粋に薬剤の副作用のみ、あるいは単純な感染症で治療が複雑でない場合は外来管理も適切であるかもしれない
患者の状態が改善しない、あるいは急性に悪化した場合に速やかに外来医師に連絡できるcaregiverが存在することも重要である
せん妄をきたした患者は可能なら、見慣れた環境で診断および治療できることが最善である。入院は認知障害あるいは虚弱な患者にはトラウマとなる場合もある
しかし、セプシス、心筋梗塞などの不安定な内科疾患とせん妄が関連する、あるいは家庭でのサポートが不十分などの場合は入院も必要になるかもしれない
この決定をする場合は院内合併症がハイリスクであること、見慣れぬ環境によって見当識が障害され、せん妄を悪化させる可能性があることを考慮する必要がある
スタディでは注意深く選別された急性状態の患者が”home hospital”で管理された場合せん妄の発症率が院内で管理された同様の患者より低かったと報告されている(46, 47)。家庭での適切な臨床的および社会的サポートが利用可能でない場合が多いため、多くのせん妄患者は入院する
非薬物療法
非薬物療法がせん妄治療の基本となる
せん妄の主要治療は原因因子の同定と治療である
スタッフの言葉かけによって安心感を与える事や付き添いの方が薬物療法よりも好ましい
マネージメントには下地となる疾患の同定と治療、そして誘因に関連するものの除去あるいはその軽減が含まれる。そのような因子には精神科薬剤、水分・電解質異常、強い疼痛、低酸素血症、重度の貧血、感染、感覚器障害、活動不足などが含まれる
特に高齢患者ではせん妄の原因を1つのみに特定することはできないかもしれない。ベースラインにある多くの脆弱性因子や急性の悪化誘因などの影響の累積によるため、いくつかの因子の少ない改善でも全体的に良い結果とつながる可能性もある(1)
精神科薬剤は最も重要でせん妄の修正できうる因子であるため特に注意を払う必要がある
ハイリスクに含まれるのが、ベンゾジアゼピン、鎮静剤、抗コリン作用の強い薬剤、オピオイド、ドーパミン作動性薬剤などである(48 , 49)
ベンゾジアゼピンは特にせん妄との関連の強い薬剤である
薬剤治療
せん妄を治療する薬剤はない
不穏や他の症状を起こした患者に対し鎮静をもたらす薬剤(抗精神病薬など)はある
専門家は鎮静をきたす薬剤は過活動型せん妄をより低活動型に変え、効果を認めたように誤認される可能性があることを指摘している(50)。低活動型せん妄は患者の悪い予後を示唆する
せん妄を起こした患者に抗精神病薬が広く使用されているが、患者の症状が治療の妨げになる、あるいは患者自身やケアを行う人が危険にさらされる場合を除いては投与しないことが推奨されている(33)
入院中に抗精神病薬が投与された場合は誤嚥性肺炎のリスクが4倍高くなる(51)。せん妄を遷延させる、過活動型を昏迷に変えて合併症リスクを高める、誤嚥性肺炎のリスクを高める、などの理由から薬剤治療は慎重に行わなければならない
不穏をきたしたせん妄患者の薬剤マネージメントは必要な時のみに抑え、効果の出る最も低用量をできるだけ短い期間にとどめて使用する必要がある
抗精神病薬はせん妄の症状に対し最もよく使われるクラスの薬剤であるが、効果が限られていることや有害事象からその適応は限られることがますます明瞭となっている(32-34)
抗精神病薬の薬剤間で比較した試験が少なく、他より優れた薬剤があるかは明らかでない
トライアルでは入院において、せん妄による不穏に対して使用された場合はハロペリドールが他の非定型抗精神病薬と同等の効果があることが示されている。定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬の両方で副作用の可能性があり、QTc延長、誤嚥、死亡リスクの上昇などが含まれる
軽度せん妄を認める高齢患者が不穏になってケアが安全に受けられない場合は低用量の抗精神病薬が鎮静目的で使用され、用量を増やす場合は慎重に再評価を行う必要がある
より重度のせん妄ではより高用量の薬剤が初期には使用される。せん妄の悪化と誤認されうる高用量抗精神病薬の副作用であるアカシジア(motor restlessness)を注意して評価しなければならない
パーキンソン病、レビー小体型認知症の患者ではより錐体外路作用の少ない非定型抗精神病薬が好まれ、ハロペリドールは避けるべきである
ICUにおける重症患者では、薬剤副作用と静脈ラインやデバイスを除去されることのリスク対効果を比較して薬剤治療が好まれることが多い
しかしながら、せん妄を予防あるいは治療のためのルーチンでの抗精神病薬使用は推奨されない(32, 33)
最近のガイドラインでは非薬物療法を最適化し、呼吸器管理の患者で鎮静が必要な場合はデクスメデトミジンの使用が推奨されている(52)
デクスメデトミジンは挿管され人工呼吸器治療を受けているICU患者の鎮静に使用されるαアドレナリン受容体作動薬である。あるスタディではおそらくその鎮痛作用によって高用量オピオイドへの暴露を減らし、ICUでのせん妄の発症率および期間を減らすことが報告されている(53-55)。このためデクスメデトミジンは重症患者においてベンゾジアゼピンの代替としてよく使用されている(56, 57)
抗コリン薬剤とせん妄との関連から、コリンエステラーゼ阻害剤のトライアルが行われているが良好な結果は認められていない(58)
”薬剤性拘束”が使用されるすべての場合において治療チームはその使用を必要とするターゲットになる症状を同定し、薬剤による効果を頻回にレビューし、副作用と合併症を評価する必要がある
せん妄患者のsupportive care
運動性を高める
・留置カテーテルや静脈ライン、心電図モニター、持続パルスオキシメーターなどの他の”テザー”の使用を最小化
・身体拘束を除去
・食事の際にベッドから移動させ、必要なら栄養と運動性を高め誤嚥リスクを減らすために食事介助を提供
・可能なら1日に少なくとも2回は歩行させる
尿量および排便をモニタリング:せん妄に寄与する尿閉およびfecal impaction(糞塊埋伏)を避ける
日常ルーチンを正常化
・眼鏡、補聴器などの適切な感覚器インプット、時計、カレンダー、適切な照明の提供
・頻回の見当識オリエンテーション、"reconditioning"を促す対人コンタクトの仕組み化
・健全な睡眠−覚醒サイクル:スタッフによるノイズを減らす、ポケベルをサイレント化、必要な時以外のバイタル測定をなくす、病棟の照明を下げる、テレビやラジオを消す、などによって環境刺激を減らし夜間睡眠を促す
身体拘束
身体拘束は常に好ましくないものとされるが、暴力的行動をコントロールする、特にICUなどで挿管チューブ、動脈内デバイス、カテーテル、重要なデバイスが除去されることを防ぐために必要な場合があるかもしれない
その場合は可能なら付き添う人あるいは家族によって落ち着きが促されることの方が拘束よりも効果がある場合もある
拘束が行われる場合はその適応を頻回に再評価し、できる限り速やかに拘束を除去する必要がある
身体拘束はおそらく混乱した患者の転倒頻度を減らさず、障害のリスクを高める可能性がある(59)
拘束の使用を減らすことがせん妄リスクのある患者のアウトカム改善と関連する(60)
アラームは患者の移動の自由を制限する異なった形の拘束である。ベッドと椅子のアラームは見守りのない歩行を防ぎ転倒リスクを減らす目的で頻回に使用される。しかしこれらのタイプのアラームは転倒リスクを減らすことが証明されておらず、患者に苦痛を与えうる(61)
フォローアップ
せん妄をきたした患者はたとえ混乱が回復しても脆弱なままである。1つのスタディでは心臓手術後の患者で院内せん妄を起こした場合、長期の認知機能障害が術後1ヶ月および1年後にも確認された(62)。これはおそらく非心臓待機的手術を受ける患者にも当てはまることが考えられる(63)。せん妄をきたした患者の短期および長期的モニタリングが必要となる
短期的にはせん妄をおこした患者はベースラインに戻るまで内科的、認知的、機能的なモニタリングが必要となる。モニタリングの頻度は状況と持続する不安定性に依存する。病院においては少なくとも毎日その存在と重症度をモニターし、リハビリ施設への入院も含む退院後の患者は週毎に、そして地域に戻った際は月毎にモニタリングを行う
CAMに基づいて運用される多くのツールがせん妄の重症度の評価に使われている(64, 65)
せん妄をきたし外来にて管理される患者は頻回のモニタリングを必要とし、最初は日毎に、そして状態が改善するにしたがってその頻度を減らしていく
症状が持続あるいは悪化する場合はさらなる治療プランの修正、入院またはサポートサービスの増加が必要となる
電解質異常、心不全、感染などのせん妄をきたす内科的コンデションの改善を確認するためにもフォローアップ検査が必要になるかもしれない
認知機能はせん妄の診断と同様の方法によってモニタリングが行える。特にADLの評価はせん妄からの機能回復のモニタリングに有用である
回復期の患者はより多くの援助が必要になるかもしれず、せん妄が回復するに順って減らしていけるかもしれない
せん妄のエピソードから1−2ヶ月後にも認知機能あるいはADLがベースラインに戻らない患者は老年科および精神神経検査による評価を考慮しなければならない
せん妄の期間を最短化することが重要なゴールとなる。期間が短ければ短いほど、より元の状態に戻りやすいと考えられている(それでも週から月単位の期間を要するが)。せん妄が2週間以上続いた患者はベースラインの状態に戻る可能性がかなり低いとされている(62)
せん妄はたとえ改善してもより悪い長期予後のリスクを高める(66)。せん妄から完全に回復した患者でも依然その再発、認知機能および身体機能低下、死亡のリスクがある
長期アウトカムを向上させる介入はよく調べられておらず議論が続いている(67)
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アナルズオブインターナルメディシン
インザクリニック
2020年10月6日