レジデントノート

米国にて内科修行中。何ができるか模索している過程を記録していく

HIV

 

スクリーニングテスト:第4世代HIV-1/2 Ag/Ab test(12)

 

combined HIV Ag/Ab testは臨床上で最も正確な試験(感度>99.7%, 特異度>99.3%)で急性感染の80%以上を同定でき、それ以外は核酸増幅検査が必要となる(13, 14)

 

"eclipse period"(13)

RNA PCR: day 6-8

p24 Ag: day 13-20 

IgM: 20 days

 

 

 

 

12. Association of Public Health Laboratories. Suggested Reporting Language for the HIV Laboratory Diagnostic Testing Algorithm. January 2019. Accessed at www.aphl.org/aboutAPHL/publications/Documents/ID-2019Jan-HIV-Lab-Test-Suggested-Reporting-Language.pdf on 13 December 2021.


13. Chavez P, Wesolowski L, Patel P, et al. Evaluation of the performance of the Abbott ARCHITECT HIV Ag/Ab combo assay. J Clin Virol. 2011;52 Suppl 1:S51-5. 
    
14. Nasrullah M, Wesolowski LG, Meyer WA, et al. Performance of a fourth-generation HIV screening assay and an alternative HIV diagnostic testing algorithm. AIDS. 2013;27:731-7. 

 

 

 

インザクリニック

アナルズオブインターナルメディシン

2022年6月14日

 

 

 

 

 

市中肺炎

 

肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌感染リスクのある全ての人に推奨される。リスクのない人は65歳の時点で接種すべきである

 

示唆する病歴と身体所見がある場合は胸部レントゲンで浸潤影が認められない時でも肺炎の可能性がある。その場合はCTスキャンが有用であるかもしれない

 

血液培養はルーティンでは採取すべきでない。重症肺炎で多剤耐性菌あるいは通常でない病原体感染が疑われる場合には治療開始前に血液培養2セット採取されるべきである

 

 

後ろ向きスタディでは抗菌薬が必要でない患者を信頼をもって同定するにはその感度が低すぎたため、プロカルシトニンをその目的で使用することが推奨されていない。代わりに入院患者で初期にプロカルシトニンが上昇していた場合は、連続での測定が抗菌薬をいつ中止すべきかの判断に役立つかもしれない(1)

 

 

多くの市中肺炎は48〜72時間以内にエンピリックの抗菌薬投与に反応を示す(2)。この期間に反応を示さない場合は耐性菌、ウイルス、結核菌のような通常でない病原体、あるいは真菌(histoplasmosis, coccidioidomycosis, blastomycosis)などの可能性を考慮すべきである。また閉塞性細気管支炎、肺血管炎、過敏性肺炎、肺癌、癌性リンパ管炎、気管支肺胞細胞癌、リンパ腫、心不全などの非感染性疾患も考慮すべきである

 

 

耐性菌のリスクファクターがない一般病棟入院患者では静注あるいは経口キノロン(レボフロキサシン750mg/d、あるいはモキシフロキサシン400mg/d)、あるいはベータラクタム(セフォタキシム、セフトリアキソン、アンピシリンスルバクタム、高量アンピシリン)とマクロライドあるいはドキシサイクリンの併用投与が推奨される(3)

 

 

過去に耐性菌を認めた患者ではその菌に対する治療を行うべきである。MRSAが疑われる場合はバンコマイシンあるいはリネゾリドが選択されるが、鼻腔PCRが陰性であった場合は中止してもよいかもしれない。グラム陰性菌の場合はピペラシリンタゾバクタム、セフィピーム、セフタジディム、イミペネム、メロぺネム、アズトレナムが選択される。48時間の時点で培養が陰性であり、臨床的に安定している場合は抗菌薬をデエスカレートしてもよいかもしれない。培養陰性であった場合のデエスカレーションに関するRCTはないが観察研究では強いエビデンスが示されている

 

 

ICU入院患者では少なくとも抗菌薬2剤以上の投与によるエンピリック治療が行われるべきである。緑膿菌のリスクファクターが評価されるべきであり、リスクファクターのない場合はセフトリアキソンあるいはセフォタキシム静注とアジスロマイシンあるいは呼吸器キノロンによる併用治療が行われるべきである。リスクファクターがある場合は抗緑膿菌ベータラクタム(セフィピーム、ピペラシリンタゾバクタム、イミペネム、メロぺネム)と静注抗緑膿菌キノロン(シプロフロキサシンあるいは高量レボフロキサシン)が選択される。

 

 

 

 

1. Upadhyay S, Niederman MS. Biomarkers: what is their benefit in the identification of infection, severity assessment, and management of community-acquired pneumonia. Infect Dis Clin North Am. 2013;27:19-31. 

 

2. Vaughn VM, Flanders SA, Snyder A, et al. Excess antibiotic treatment duration and adverse events in patients hospitalized with pneumonia: a multihospital cohort study. Ann Intern Med. 2019;171:153-63

 

3. Metlay JP, Waterer GW, Long AC, et al. Diagnosis and treatment of adults with community-acquired pneumonia. An official clinical practice guideline of the American Thoracic Society and Infectious Diseases Society of America. Am J Respir Crit Care Med. 2019;200:e45-e67.

 

 

 

 

インザクリニック

アナルズオブインターナルメディシン

2022年4月

 

 

 

 

 

 

 

1型糖尿病

 

発症は思春期や成人年齢の早い時期にピークを認めるが、どの年齢でも発症しうる

 

Cペプチド検査は1型糖尿病の診断確定の助けとなるかもしれず、1型糖尿病では値が低い(1)

 

さらなるマーカーにはGAD、islet cell、インスリン、タンパク質チロシンホスファターゼ(ICA512 or IA2A)、ZnT8などに対する自己抗体が含まれる

 

 

開始時には0.3単位/kgが1日インスリン量の開始目安として使うことができるかもしれない。そのうち半分を基礎インスリン、残り半分を食前の速効型インスリンとして投与する

 

 

混合型インスリンは速効型インスリンと中間型インスリンを含み調整が難しいため、米国糖尿病学会は1型糖尿病患者への使用を推奨していない

 

 

インスリンポンプの使用はDKAのリスクを減らし、夜間あるいは運動誘発性低血糖を防ぐ事に有用である(2)

 

 

軽度のDKAは外来管理が可能であるかもしれない(3)

 

 

 

 

 

1. Chiang JL , Kirkman MS , Laffel LM , et al; Type 1 Diabetes Sourcebook Authors. Type 1 diabetes through the life span: a position statement of the American Diabetes Association. Diabetes Care. 2014;37:2034-54.

 

2. DAFNE Study Group. Training in flexible, intensive insulin management to enable dietary freedom in people with type 1 diabetes: Dose Adjustment For Normal Eating (DAFNE) randomised controlled trial. BMJ. 2002;325:746.

 

3. Wilson JF . Diabetic ketoacidosis. Ann Intern Med. 2010;152:ITC1-ITC16.    

 

 

 

 

 

インザクリニック

アナルズオブインターナルメディシン

2022年3月

 

 

 

 

消化管出血

 

 

原因

炎症

cameron erosion

食道炎・食道潰瘍

炎症性腸疾患

消化性潰瘍

 

腫瘍

原発性消化管癌

消化管への転移癌

 

血管異常

血管拡張症

動脈腸管瘻

デュラフォイ病変

胃前庭部毛細血管拡張症

痔瘻

放射線直腸症・胃症・腸症

静脈瘤

 

薬剤性

アスピリン

NSAIDs

抗凝固剤

 

医原性

内視鏡的切除術

括約筋切開術後出血

transenteric stent placement

外科的吻合(marginal ulcer、吻合部潰瘍)

 

青色ゴムまり様母斑症候群

大腸・空回腸憩室症

マロリーワイス症候群

marginal ulcer(Roux-en-Y gastric bypassあるいは他の腸管吻合)

メッケル憩室

虚血性損傷

直腸孤立性潰瘍症候群

宿便性潰瘍

外傷

 

 

 

 

 

 

タール便は通常上部消化管出血に起因するが、小腸あるいは近位大腸出血でも見られる

 

 

欧州消化器内視鏡学会ガイドラインでは経鼻胃管吸引はタール便患者が上部消化管出血か下部消化管出血かの鑑別を適切に行えず、内視鏡治療を要するハイリスク病変の存在を予期できず、主な臨床アウトカムを改善するエビデンスが認められないため、ルーチンで行うことを推奨していない(1)

 

 

 

 

Risk Stratification Tools for Upper Gastrointestinal bleeding

 

 

Pre-endoscopic Rockall Score

risk categories: high (>5 points), intermediate (3-4 points), low (0-2 ponits)

mortality risk: 0 = very low risk (<1%), potential outpatient management; 1-3 = low risk (2-10%), 4-7 = high risk (20-50%)

 

年齢

>80歳 +2

60-79歳 +1

<60歳 0

ショックの有無

血圧低下(SBP<100mmHg) +2

頻脈(HR≧100/min、SBP≧100mmHg) +1

ショックなし(SBP>100mmHg、HR<100/min)0

併存症

腎不全、肝不全、播種性悪性疾患 +3

腎不全、肝不全、播種性悪性疾患以外の主要併存疾患 +2

主要併存疾患なし 0

 

 

Glasgow-Blathford Score

0-1: low risk and safety of outpatient care

BUN

18.2-22.3mg/dL +2

22.4-27.9mg/dL +3

28.0- 69.9mg/dL +4

≧70mg/dL +6

ヘモグロビン

12.0-12.9g/dL(男性), 10.0- 11.9g/dL(女性) +1

10.0-11.9g/dL(男性) +3

< 10.0g/dL +6

SBP

100-109mmHg +1

90-99mmHg +2

<90mmHg +3   

HR≧100 +1

タール便 +1

失神 +2

肝疾患の既往 +2

心不全あり +2

 

 

Age, Blood Tests and Comorbidities (ABC) Score

mortality risk: ≦3=0.7%, 4-7=9.3%, ≧8=34%

年齢

60-74歳 +1

≧75歳 +2

血液検査

Urea > 10mmol/L +1

アルブミン < 30g/L +2

クレアチニン 100-150μmol/L +1

クレアチニン >150μmol/L +2 

併存症

意識障害 +2

肝硬変 +2

ASA score

3 +1

≧4 +3

 

 

 

 

 

出血と死亡率を低下させるエビデンスは欠いているものの、視野不良による内視鏡の再施行を減らし、入院期間を短縮させる可能性があるために、2021年米国消化器病学会ガイドラインではエリスロマイシン(250mgを20-30分かけて内視鏡の20-90分前に投与)の静注を提唱している(2)

 

これはルーチンでの消化管運動促進剤の使用を控えるという2019年のinternational consensus groupの推奨と異なっている(3)

 

 

早期のintensive resuscitationは消化管出血による死亡率低下と関連するものの、依然controversialとなっている(4)。2019年のinternational consensus groupガイドラインでは早期のaggressive hydrationが出血悪化、凝固阻害、死亡率上昇との関連を示す動物実験のデータを引用している

 

 

2016年のAssociation for the Advancement of Blood & Biotherapiesのガイドラインでは血行動態の安定している患者に対し制限的な輸血療法(ヘモグロビン7g/dL以下に到達するまで待つ)を推奨している(5)

 

2021年米国消化器病学会ガイドラインでは非静脈瘤性消化管出血に対し制限的な輸血療法(ヘモグロビン7g/dL以下)を推奨している。ただし血圧低下を認める患者ではヘモグロビン7g/dL以下になる以前に開始することを、心血管疾患既往の患者ではヘモグロビン8g/dL以下で、急性冠症候群あるいは安定冠動脈疾患の患者で心臓カテーテルを行う患者ではヘモグロビン8g/dLあるいはそれ以上の値において輸血療法を行うことを推奨している(2)

 

 

2021年米国消化器病学会ガイドラインでは内視鏡的に治療される出血を認める消化性潰瘍および凝血塊の付着した消化性潰瘍(内視鏡的治療の有無にかかわらず)に対し、高用量PPI (≧80mg/d) を持続的に(80mg bolusに続いて8mg/hで持続静注)、あるいは間欠的(bolus)に3日間投与することを推奨しており、それによるさらなる出血および死亡率低下が複数のRCTによって確認されている(2)

 

 

内視鏡的リスク評価にて低リスクとされる患者は24時間以内に経口摂取が可能である。高リスクの場合は少なくとも内視鏡後72時間の入院が考慮されるべきである(3)

 

 

 

門脈圧亢進症に関連する慢性肝疾患の患者は消化管出血のリスクが高い

 

 

過度な輸液投与は門脈圧亢進を悪化させ、再出血はるいは治療抵抗性の出血につながる可能性があるため、その場合にはFluid resuscitationは加減される必要がある

 

 

静脈瘤出血をおこす肝硬変患者における凝固能障害および血小板減少のマネージメントに関するガイドラインあるいは確固たる推奨は存在しない

 

肝硬変患者においてはINRとプロトロンビン時間は凝固カスケードの状態を必ずしも反映しない。実際、INRの上昇している肝硬変患者では多くの場合過凝固状態にあり、多量の新鮮凍結血漿によってPT/INRを正常化させようとする事は避けるべきである

 

静脈瘤出血が疑われる場合は血管作用薬(オクトレオチド、ソマトスタチン、テルリプレシンなど)静注を開始し、出血が確認された場合は2〜5日間継続すべきである

 

オクトレチオドは初回50mcg投与、続いて50mcg/hで持続静注を行う

 

 

 

抗菌薬は消化管出血を認める全ての肝硬変患者に投与されるべきである

 

セフトリアキソンが第一選択として最大7日間投与が推奨される

 

経口摂取が再開され、地域での耐性が高くなければフルオロキノロンも投与可能である(6, 7)

 

 

 

血行動態が安定したら12時間以内に静脈瘤出血を内視鏡的に評価する必要がある(6, 7)

 

 

 

 

下部消化管出血患者の来院24時間以内の大腸内視鏡は出血原因診断の可能性を高めるが、再出血や死亡率を低下させるような臨床アウトカムを改善するという高い質のエビデンスは認められていない

 

消化管内視鏡ガイドラインでは、必ずしも12〜24時間以内でなく、入院中に大腸内視鏡検査(4〜6Lのポリエチレングリコールで前処置をした後に)を行うことを推奨している(8)

 

 

血行動態が不安定な下部消化管出血患者では造影剤なしおよび造影剤静注によるCTアンジオグラフィーがplanar RBC scintigraphyよりも有用である。後者は緊急では実用的でなく、感度が低く(50%以下)、出血部位の解剖学的位置同定が10〜33%の割合で正確でないとの問題が認められている(9)。CTアンジオグラフィーにて血管外漏出が認められ、内視鏡前処置が行われていない患者では緊急経カテーテル動脈塞栓術が行われるべきである

 

 

 

下部消化管出血では憩室出血がよく見られる。75%の患者では出血が自然に止まる。特に24時間で4単位以下の出血の場合はそうである(10)

 

 

 

 

 

1. Gralnek IM ,  Stanley AJ ,  Morris AJ , et al. Endoscopic diagnosis and management of nonvariceal upper gastrointestinal hemorrhage (NVUGIH): European Society of Gastrointestinal Endoscopy (ESGE) guideline—update 2021. Endoscopy. 2021;53:300-32.     

2. Laine L ,  Barkun AN ,  Saltzman JR , et al. ACG clinical guideline: upper gastrointestinal and ulcer bleeding. Am J Gastroenterol. 2021;116:899-917.    
    
3. Barkun AN ,  Almadi M ,  Kuipers EJ , et al. Management of nonvariceal upper gastrointestinal bleeding: guideline recommendations from the International Consensus Group. Ann Intern Med. 2019;171:805-22.    
    
4. Baradarian R ,  Ramdhaney S ,  Chapalamadugu R , et al. Early intensive resuscitation of patients with upper gastrointestinal bleeding decreases mortality. Am J Gastroenterol. 2004;99:619-22.     
    
5. Carson JL ,  Guyatt G ,  Heddle NM , et al. Clinical practice guidelines from the AABB: red blood cell transfusion thresholds and storage. JAMA. 2016;316:2025-35.         
    
6. Garcia-Tsao G ,  Abraldes JG ,  Berzigotti A , et al. Portal hypertensive bleeding in cirrhosis: risk stratification, diagnosis, and management: 2016 practice guidance by the American Association for the Study of Liver Diseases. Hepatology. 2017;65:310-35. 
    
7. European Association for the Study of the Liver. EASL Clinical Practice Guidelines for the management of patients with decompensated cirrhosis. J Hepatol. 2018;69:406-60.     
    
8. Triantafyllou K ,  Gkolfakis P ,  Gralnek IM , et al. Diagnosis and management of acute lower gastrointestinal bleeding: European Society of Gastrointestinal Endoscopy (ESGE) guideline. Endoscopy. 2021;53:850-68. 
    
9. Karuppasamy K ,  Kapoor BS ,  Fidelman N , et al; Expert Panel on Interventional Radiology. ACR Appropriateness Criteria®. Radiologic management of lower gastrointestinal tract bleeding: 2021 update. J Am Coll Radiol. 2021;18:S139-S152.     
    
10. Zuccaro G Jr. Management of the adult patient with acute lower gastrointestinal bleeding. American College of Gastroenterology. Practice Parameters Committee. Am J Gastroenterol. 1998;93:1202-8. 

 

 

 

 

インザクリニック

アナルズオブインターナルメディシン

2022年2月

 

 

 

 

Opioid Use Disorder

 

離脱

症状はクロニジンで不安を、NSAIDsで筋痛を、ジサイクロミンで腹部仙痛と下痢を和らげることができる

 

 

メサドン

Full agonist at mu-opioid receptor

離脱を治療

渇望を減らす

オピオイドのwash outを待たずに開始できる

重大な副作用:鎮静、呼吸抑制、QTc延長、torsa de pointes

 

 

ブプレノルフィン

Partial agonist at mu-opioid receptor

離脱を治療

渇望を減らす

最終オピオイド使用から少なくとも12〜24時間あけて開始

重大な副作用:呼吸抑制、肝障害

 

 

 

 

禁煙

 

40歳以前に禁煙すれば死亡率が90%下がる(1)

 

禁煙10年後には肺癌のリスクが50%下がる(2)


虚血性心疾患による死亡リスクは禁煙後2〜3年で3分の2になり、10年後には非喫煙者と同等になる(3, 4)


喫煙の期間にかかわらず禁煙は全ての年代の人に有益な結果をもたらす(1, 5)

 

電子タバコは従来の燃焼タバコに比べ害が少ない代替および禁煙の方法として考えられている。しかし、その長期使用による健康への影響はわかっていない。その製造工程は依然標準化されておらず、そのエアロゾルに含まれる物質は広く異なっている(6)


FDAに承認されている7つの薬物療法は安全で効果的であることが認められている。5つはニコチン置換療法(貼付、ガム、トローチ、吸入、点鼻)で2つは非ニコチン薬(ブプロピオン、バレニクリン)である

 

 

 

 

1. Jha P ,  Ramasundarahettige C ,  Landsman V , et al. 21st-century hazards of smoking and benefits of cessation in the United States. N Engl J Med. 2013;368:341-50.

 

2. U.S. Department of Health and Human Services. The Health Consequences of Smoking—50 Years of Progress: A Report of the Surgeon General. Centers for Disease Control and Prevention; 2014.

 

3. Lloyd-Jones DM ,  Huffman MD ,  Karmali KN , et al. Estimating longitudinal risks and benefits from cardiovascular preventive therapies among Medicare patients: the Million Hearts Longitudinal ASCVD Risk Assessment Tool: a special report from the American Heart Association and American College of Cardiology. Circulation. 2017;135:e793-e813.


4. U.S. Department of Health and Human Services. Smoking Cessation: A Report of the Surgeon General. U.S. Department of Health and Human Services; 2020.GOOGLE SCHOLAR

 

5. Thun MJ ,  Carter BD ,  Feskanich D , et al. 50-year trends in smoking-related mortality in the United States. N Engl J Med. 2013;368:351-64. 

 

6. Cheng T . Chemical evaluation of electronic cigarettes. Tob Control. 2014;23 Suppl 2:ii11-7.

 

 

 

インザクリニック

アナルズオブインターナルメディシン

2021年12月14日

 

 

インフルエンザ

 

インフルエンザワクチンは6歳以上の全ての人に毎年、理想的には10月末までに接種することが推奨されている(1)

 

ナーシングホームでのアウトブレイクの際は全ての入居者が抗ウイルス予防薬を少なくとも2週間、アウトブレイクより1週間長く継続する必要がある(2)

 

経口エンドヌクレアーゼ阻害薬のバロキサビルが抗ウイルス治療薬および予防薬として承認され、暴露後すみやかに開始された場合の高い予防効果が確認されている(3)

 

地域でインフルエンザが流行している際にはインフルエンザを疑う患者の臨床診断のために、あるいは抗ウイルス薬を処方するためにインフルエンザ検査を行う必要はない(2)。検査は結果が臨床マネージメントを変えうる場合に考慮されるべきである

 

成人においてCOVID-19はインフルエンザよりも重症度、入院期間、入院死亡率が大きいと報告されている(4)

 

外来においてインフルエンザが疑われる、あるいは確認された患者で入院を要しないが合併症あるいは重症化リスクがある場合には抗ウイルス薬治療が、たとえ発症から2日以上経過していても、推奨される(2)

 

インフルエンザが疑われる、あるいは合併症を伴わないインフルエンザと診断され、それ以外は健康で発症2日以内の患者に抗ウイルス薬治療を行うかは臨床判断に委ねられる

 

インフルエンザ入院患者への抗ウイルス薬治療に関するRCTが欠如するものの、CDCはインフルエンザ疑いの全ての入院患者に対し抗ウイルス薬治療を検査結果を待たずに少しでも早く開始することを推奨している(5)

 

入院患者での観察研究では抗ウイルス薬治療を発症の近くに、あるいは入院時(たとえ発症から48時間以上経過していても)に開始した場合には、治療しなかった場合あるいはより遅く開始した場合に比べより利益が大きかったと報告されている(6, 7)

 

 

 

 

1. Grohskopf LA ,  Alyanak E ,  Ferdinands JM , et al. Prevention and control of seasonal influenza with vaccines: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices, United States, 2021–22 influenza season. MMWR Recomm Rep. 2021;70:1-28.

 

2. Uyeki TM ,  Bernstein HH ,  Bradley JS , et al. Clinical practice guidelines by the Infectious Diseases Society of America: 2018 update on diagnosis, treatment, chemoprophylaxis, and institutional outbreak management of seasonal influenza. Clin Infect Dis. 2019;68:e1-e47.

 

3. Ikematsu H ,  Hayden FG ,  Kawaguchi K , et al. Baloxavir marboxil for prophylaxis against influenza in household contacts. N Engl J Med. 2020;383:309-20.

 

4. Talbot HK ,  Martin ET ,  Gaglani M , et al; HAIVEN Study Investigators. Coronavirus disease 2019 (COVID-19) versus influenza in hospitalized adult patients in the United States: differences in demographic and severity indicators. Clin Infect Dis. 2021.

 

5. Centers for Disease Control and Prevention. Influenza Antiviral Medications: Summary for Clinicians. Accessed at www.cdc.gov/flu/professionals/antivirals/summary-clinicians.htm on 15 August 2021.

 

6. Katzen J ,  Kohn R ,  Houk JL , et al. Early oseltamivir after hospital admission is associated with shortened hospitalization: a 5-year analysis of oseltamivir timing and clinical outcomes. Clin Infect Dis. 2019;69:52-8.

 

7. Venkatesan S ,  Myles PR ,  Bolton KJ , et al; PRIDE Consortium Investigators. Neuraminidase inhibitors and hospital length of stay: a meta-analysis of individual participant data to determine treatment effectiveness among patients hospitalized with nonfatal 2009 pandemic influenza A(H1N1) virus infection. J Infect Dis. 2020;221:356-66.

 

 

 

 

アナルズオブインターナルメディシン

インザクリニック

2021年11月