レジデントノート

米国にて内科修行中。何ができるか模索している過程を記録していく

Preventing Firearm-Related Death and Injury

 

米国において銃器に関連した死および傷害はpublic healthに関わる重大な問題である。データが利用できる最近10年、2008年から2017年の間で米国における銃器に関連した死亡者数は342439人であり、第二次世界大戦中の銃創による米国人死亡者数をも上回る。また非致死的な銃器による傷害は870000件と推定されている

 

 

インザクリニック

2019年6月4日

 

 

 

内科雑誌にこの題のレビューが出されるのは、さすがアメリカといった感じだが、これを訳す意義があまり感じられないことは幸いなことだと感じる

 

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ

 

更新の確認で送られてきた軍病院の卒業名簿に書かれている各学年の卒業後の進路を何気なく眺めていたら、まさにそんな気分になった

 

滑り込みでなんとか場末の病院(なんて言ったら怒られそうだけど)に拾ってもらえた身にはなんだかとても眩しいものに見えた

 

別に人より抜きん出るがために生きている訳ではないが、これといった肩書きもないのであれば、せめて実力を蓄えるため、サボってばかりいないでもう少し真面目に生きよう、そう思った平成の末である

 

 

SMAP理論

 

新専門医制度に変わると自分はどこに入れてもらえるのだろうか、などと考えるこの頃だが、少し前までであれば「一般内科医」と言えばよかったのかもしれない。循環器や消化器などのサブスペシャリティを持たず内科一般の疾患に対応するとされる医師だ

 

今までサブスペシャリティを決めずにここまで来てしまったので、おそらく今後もこのまま行く事になるのだろう

 

いわゆるジェネラリストとして生きていく事を考える時に思い浮かべるグループがある

 

SMAPである

 

解散はしてしまったものの、日本のアイドル史上最も成功したグループの一つだろう

 

その成功の要因を考える時にヒントになると感じる言葉がある

 

「俺たちは何者でもない」

 

一人が確かこんな感じの事を言い、他のメンバー全員が同じニュアンスの表現を異口同音に語っていたのをテレビで見た覚えがある

 

歌っても、踊っても、演技はしても、バラエティーはこなしても、それ一本でやっている人たちには敵わない

 

劣等感

 

それとの闘い、そうはっきり口にしていたメンバーもいたが、それが彼らを突き動かしてきた大きな原動力の一つであったと想像する

 

 

 

劣等感、それをあまり好ましいものではないと考える人もいるかもしれないが、個人的には大事にしたいと思っている感覚だ

 

卑屈になるのではなく、「いつの日か各分野においてスペシャリストに少しでも近づきたい」、オブラートに包まなければ「今に見てろよ」という反骨心

 

カテやERCPもしなければ、経験数でも及ばないので最初から無理な挑戦でもあるし、ジェネラリストにこそ求められる役割も今後ますます大きくなるであろうから実際専門医と同等になる必要など無いのだろう

 

ただ「アイドルだからこれくらい出来れば上等」と自分達自身に制限を設けていたら、おそらく劣等感もなかったが、一時代を築き上げる程の達成もなかったであろう事と同様に

 

自分で限界を決めず「スペシャリストに少しでも近づく」という無謀な理想を持ち続ける

 

自分の場合、目も当てられない無残な結果になるかもしれないが、それでも、その理想を持たなかった時に比べより成長はできる

 

そう信じている

 

 

 

 

また彼らの素晴らしいところはトップアイドルに居続けて何年も経った後に「自分達なんて大したことない」と本心で語っている様に見えたところだ

 

謙虚さ

 

これがなかったら一時成功しても、それを維持することは難しかっただろう

 

 

 

自分なんてちょっとでも人から「Good job」なんて言われようものなら額面通りに受け取ってすぐ調子に乗ってしまうし、低いレベルで恥ずかしげもなく傲ってしまうというのに

  

 

四十過ぎたオヤジがアイドルグループに自分を照らし合わせていて大分キモいのだが

 

 

ジェネラリストとして生きていく上は

 

「俺たちは何者でもない」

 

人から言われると「うるせぇ」なんて思ってしまいそうだけど、自分にかける分には可能性を示唆する結構いい言葉だと感じるが

 

そう自覚し続け、彼らの原動力となった劣等感と謙虚さを見習って、それを維持できるようにしていきたい

 

 

 

 

(念の為お断りしておきますが、芸能評論家を自称しているわけでもなければ、メンバーの顔写真の入ったうちわを大事に所有しているわけでもございません) 

 

 

 f:id:Tatsu21:20190122063514j:plain

 

医師として成長し続ける方法

 

研修医などの若手が己の研鑽に熱心なのはそれほど珍しいことではないが、それをその後も長く維持し続けることはなかなか大変だと思う

 

大きな声では言えないが、一度免許を取って研修さえ終了してしまえば、究極それ以上自分をアップデートしなくても働き方さえ問わなければ、どこかで何とかなってしまう仕事である事にも関係していると感じる

家族ができ時間の使い方を見直す場面に直面することも影響する場合があるかもしれない

 

 

成長の継続で良い方法の一つは後進の指導に携わり続けることだろう

研修指定病院で指導医として働き、研修医達からの評価が悪いと首にされるシステムに置かれれば当然己の知識・技術の向上に努めざるを得ないだろう。あるいは希望と不安に満ちた若い人々から日々受ける刺激の影響も大きいかもしれないが

 

 

ではそのような環境でない場所、つまり言い方は悪いが、いくらサボっていても周りからあまりお叱りを受けないようなポジションで働いている医師はどうすればよいのだろうか

 

どうやってモチベーションを維持していくのか 

 

 

 

イチロー選手がシーズン安打数世界記録を更新した後のインタビューで

 

”野球がまだ上手くなりたい、これは数字には表れづらい自分だけの楽しみ

そうやって前に進む気持ちがあれば楽しみはいくらでもある”

 

と語っていた

 

 

 

おそらくこれが”答え”なのだろう

 

つまり

 

純粋に医師としての仕事が好きであること、そしてささやかな自分の成長を喜べること

 

そうなればいいのである

 

 

 

と言ってしまえば簡単である

 

 

実際そういう立派な人も多いだろうが、自分なんかは仕事が好きかと問われれば、一応「はい」とは答えるかもしれないが、正直多少の建前や自己暗示などの含みが入ってしまう事を否定できない

 

ならやめてしまえ、とお叱りを受けそうだが、実際楽しいことばかりではないし、寝ても覚めても医療の事を考えてもいなければ、病院に行きたくて行きたくてうずうずする、なんて事もそうないのである 

 

プロフェッショナルとして一定の基準を満たしていれば、それでも良いと自分に言い聞かせている 

 

 

そんな純粋でない自分のような医師が成長し続ける、あるいはそのための努力を継続していくにはどうすればよいか

 

 

 

残念ながら自分にはまだその答えがない

 

おそらくこれは一生の課題なのだろう

 

出来る事ならそれを達成している方々に尋ねて回りたいくらいである

 

 

 

ただ現在多少考えているのは

 

人間の気分なんて変わりやすいものだからモチベーションによらず成長し続けるシステムを構築すること

そのシステムは患者のみならず、他の人からの刺激やフィードバックを得られるものにすること

 

のようなことが大切だろう、と感じている

 

 

例えばこのブログなんかもそれに当たるかもしれない

 

「月に一回米国雑誌のレビューを和訳して載せることを決める」

 

別に大した事ではないけれど、それを継続することで自分の知識をアップデートしていく事ができる。そして閲覧する人の数が多少増えていくのを見ると、やはり続けていく動機に繋がっていく

 

みたいな感じに

 

 

おそらく他にもいくらでもあるだろう

 

勉強会を定期主催する、学会発表のノルマを課す、本を出版する、一般の人への教育講演を定期開催する

 

などなど

 

成長し続けている人々を観察しヒントを得ていきたい

 

 

とにかくそのような方法を模索しながらも、少しずつでも前に進み続け、ささやかでも自分の成長を喜べる医師、そんな風になれればいいなぁと思っている

 

 

 

 

 

 

 

 

治療のゴールに関する会話のガイド

 

重篤な患者は治療ゴールと予後に関する話し合いを家族を交えて行うことをためらう場合がある。しかし多くの場合、医師とはその話し合いをしたいと考えている(1)

 

 

多くの医師と家族は治療のゴールに関する話を始めることを患者の希望を取り去ることだと間違って信じている(2, 3) 。患者にその話し合いが、あきらめること、希望がないこと、出来ることがないこと、を意味している訳ではないことをしっかりと伝えなければならない

 

  

患者に予後に関する真実の情報を伝え 、治療オプションを説明することで患者の望みが保たれることをstudiesが示している(2)。そのような話を避けると症状による苦痛への治療を制限し、患者の他の心配事に関する評価ができなくなる

 

 

 

患者が自分で判断できなくなった時のための意思決定を行う代理者を決めておくことで利害の不一致や混乱を避けることができる

 

 

代理者は患者の状態が悪化した時に何をすべきか知っている必要があり、また彼らの役割は患者の希望を尊重することであって、その結果に責任を持つことではない事をしっかり伝えておく必要がある

 

 

 

 

治療のゴールの確認手順 

1、患者は意思決定能力があるか

2、患者が自分で意思決定能力を失った時の代理人は誰か

3、患者の希望を記した文書があるか

4、患者が自分の病状を理解しているか

5、患者の価値観および治療のゴールは何か

6、生命維持治療のプランは何か

 

 

 

 

治療のゴールに関する会話のガイド(REMAP)

・Reframe: Why the status quo isn't working

・Expect: Emotion: Respond with empathy

・Map out what's important

・Align with the patient't values

・Plan to match values

  

National Center for Ethics in Health Care 2017

Accessed at www.ethics.va.gov/goalsofcaretraining/REMAP.pdf on 23 Janury 2018 

 

 

 

Reframe

患者の病状に対する理解を確認する。理解が正しければ治療ゴールの話に進む。正しくない場合は状況を説明し、理解を確認してから治療ゴールの話に進む

 

Expect: Emotion: Respond with empathy

医師は医学的事実の説明に力を注ぎ、患者の感情への配慮を怠りがちである。これは有害にすらなりえる。もし患者と医師の意思決定に不一致が起こった場合は単に患者の理解を促すことよりも、そのもとにある感情を扱った方がより解決につながりやすい

 

NURSE acronym for dealing with strong emotion

N: Name:とても困惑しておられるように見えます

U: Understanding:そんな状況に立たされたらどんな気持ちになるか想像することすら大変に感じます

R: Respect:あなたはお聞きになりたい質問を全てされ、ご家族も連れてこられるというとても重要なこともされました

S: Support:私はあなたがお聞きになりたい質問に答えるためにここにいます

E: Explore:あなたが今お感じになっておられる事を教えていただけますか

  

Map out what's important

治療プランに対する提案を行う前に患者のゴールと価値観を知らなければならない

 

Align with the patient't values

患者の話を聞いてから、医師は患者が何を大切にしたいと思っているかを繰り返し、理解が正しいかを確認する

 

Plan to match values

患者の同意に基づく治療プランをつくる。医師が患者の価値観に基づくと考えられる治療法を提案することは有効である事が多い

 

 

 

 

治療ゴールに関する会話例

 

(医師)

全ての患者さんに確認しているのですが、今日はあなたの事前指示(advanced directive)についてお話したいと思っていますが、いかがでしょうか

 

(患者)

それは何ですか

 

(医師)

説明させてください

それはあなたの治療に関するご希望を医療従事者やあなたの大切な人たちが理解することを助けるものです。もしあなたがご自分で判断が出来なくなった場合にどのような治療を行うかを決める際の助けになるものです

時に患者さんは病態が悪化して話すことができなくなってしまい、その希望が聞けなくなる場合があります

これは極端な状況で、もちろん現在のあなたはそれとは程遠い状況にあります

 

(患者)

なぜ今その話をするのですか

 

(医師)

私が今この話をするのは、この先あなたにとって適切なことを行うために準備をしておきたいと考えているからです

 

例えば、ある患者さんは自分が入院していて病状の改善が難しいと分かった場合は、延命治療は避け、苦痛の緩和に力を注いでほしい、と希望されます。またある人は、たとえ話ができなくても、あるいは意識がなくても、できる限り長く生かしてもらいたい、と望まれる人もいます。

 

(患者)

今までそんな事を考えたこともありませんでした

私はただ今の病気を乗り越えることだけを考えてきました

  

(医師)

もちろんです

そしてこの事を考えるのは大変難しい事であるのも分かります

私はただ現在あなたが、先程の例えの患者さんの希望のどちら側に近いか、という事を知れたらと考えていました

 

 (患者)

もし私が良くなる可能性が低く、ただ機械に繋がれている状況になると、先生が判断する場合、私はそれを望みません。家族にもそんな状況を耐えてほしいと思いません

 

 (医師)

そうですか、分かりました

 

もし万が一あなたに何か深刻なことが起こって病院に入院することになり、病態の改善が難しいと考えられるような状態になった場合、あなたは「機械にはつながず、苦痛の緩和に力を入れて欲しい」

そのように希望される

そのような理解で正しいでしょうか

 

 (患者)

はい、もし私の状態が良くならない、先生がそう考える場合はもういっそのこと家に帰してください

 

(医師)

わかりました

とても大切な情報です。その事が私が知りたかったことです

ありがとうございます

あなたはその希望に関して今まで誰か他の人に話をされた事がありますか

 

(患者)

いいえ

おそらく子供たちは分かっていると思いますが、今までその話をした事はありません

  

(医師)

もし万が一あなたが自分で話をする事が出来なくなった場合、私が話をさせてもらう事になるのは子供さんでしょうか

  

(患者)

はい、息子だと思います

 

(医師) 

あなたは今、私におっしゃられた事を息子さんにお伝えすることができると思われますか

 

(患者)

ええ、彼は分かってると思います

でもちゃんと伝えられると思います

 

(医師)

それはとても助かります

もしよろしければ、次回の受診の際に息子さんも交えて、このお話をもう一度させていただくというのはいかがでしょうか

  

(患者)

ええ、あなたが望むなら家族全員連れてきます

  

(医師)

それは素晴らしいことです

ありがとうございます

 

 

 

 

 

治療のゴールおよびCode Statusに関する会話例

 

 

①治療のゴールに関する会話

 

(医師)

病院に来られる前のあなたの日常に関するお話をお聞きしてもよろしいでしょうか

 

(患者)

お話できるようなことも特別ありません。一人で暮らしています

 

(医師)

日中どんな事をされる事が好きですか

 

(患者)

私は犬がとても好きで飼っています。1日2回近所に散歩に連れていきます

でも、心配しています・・・

 

(医師)

どんな事が心配なんですか

 

(患者)

現在友人の家で預かってもらっています

でも、最近今までと同じではなくなってきました

 

(医師)

あなたはこの先も犬のお世話が続けられるかを心配されているのですか 

 

(患者)

ええ

 

(医師)

そうですか

また話を戻しますが、他にはどんな事をされるのが好きですか

 

(患者)

ガーデニングが好きです。トマトやホットペッパーを育てています。それを友人に配っています

でも最近は大変です。息がすぐ切れてしまいます

 

(医師)

同じ事をするのが難しくなってきている、という事ですか

 

(患者)

ええ

 

(医師)

そうですか

 

今回の入院はいかがですか

 

(患者)

ええ、なんとかやっています

 

(医師)

この前、歩行器で歩かれているのをお見かけしましたよ

 

(患者)

ええ、私にとっては初めての経験ですが、私にできる事はすべてして、少しでも早く家に帰りたいと考えています

 

(医師)

お聞きしていると、家で過ごされる事があなたにとって、とても大切な事のようですね

 

(患者)

ええ、1日でも早く退院して、犬の世話や庭の手入れをするため一生懸命私にできる事をしています

 

(医師)

 そうなんですね

 

この先お体に関してどんな事が起きるか、あるいはこの先どこで過ごされるか、などについてご心配になられている事はありますか

 

(患者)

ナーシングホームには行きたくないと思っています。病院にもいたくないです

 

(医師)

今行われている治療はまだ少し時間がかかるかもしれません。つまり、あなたはもうしばらく病院にいなければならないかもしれませんが、それによって家に帰ることができるなら、それでもよろしいとお考えですか

 

(患者)

ええ、私は家に帰られるのなら、今の治療を続けたいと思っています

 

(医師)

あなたのお話をお聞きする限り、あなたにとって最も大切な事は家にいること、そして犬と共に過ごし、またガーデニングなどのような事を行うことのようですね

 

(患者)

ええ、そうです

 

(医師)

そして入院も時に仕方ないにしても、病院で過ごす時間はできる限り制限したい

そのような理解で正しいでしょうか

 

 (患者)

ええ、その通りです

 

 

 

 

②予後に関する会話(患者がその会話をする準備ができているか、いないか)

 

(医師)

では、あなたの心不全の状態についてあなたが理解している事を教えていただけますか

 

(患者)

最近は疲れやすく、息も切れます

私の医師から聞く限りあまりよくないみたいです

 

(医師)

今まで医師からこの先あなたの病状に関してどのような事が予期されるか、というお話をお聞きされた事はありますか

 

(患者)

いいえ

 

(医師)

その事について私とお話したいですか

 

(患者)

ええ、私は正直なことを教えてもらいたいです

 

(医師)

あなたご自身はあなたのお体についてどのような事を予期されていますか

 

(患者)

ええ、私は状態が良くないのは理解しています

でも、まだ数年はこの調子で頑張りたいと考えています

 

(医師)

私もそう望みます

ただ現在の心不全の経過から考えると、もしかしたらそれより短いかもしれません

 

(患者)

・・・

ええ、私もそうかもしれないと思っています

 

(医師)

私が理解しているあなたの状態から考えると、現在のあなたの心臓がどれくらい機能しているか、また腎臓など他の臓器への影響を及ぼしている事、最近入院を繰り返している事から考えて、正直にお話しますと、もしかしたら年の単位ではなく、月の単位かもしれません

あるいはそれより長いかもしれません

あるいは短いかもしれません

あなたはもしかすると違うように考えられていたかもしれません

 

(患者)

聞いてください

私の体は現在とても落ち着いています。私は今80歳です。私の家族には100歳まで生きた者もいます。私は今までもこうやって切り抜けてきましたし、これからもそうなると信じています

 

(医師)

私も同じように望みます

私はただあなたの状態に基づく私のできる限りの推測をお話しています

 

(患者)

わかりました

 

 

 

③Code Statusに関する会話

 

(医師)

私の理解する限り、あなたにとって最も大切な事は家にいること、そして犬と共に過ごし、またガーデニングなどのような事を行うこと

そういう理解で正しいでしょうか

 

(患者)

ええ、そうです

 

(医師)

今から少し時間をとって、もし私たちの希望通りに物事が運ばなかった場合の事についてもお話させてもらいたいと思っていますがよろしいですか

 

たとえば万が一この入院中にあなたの心臓が止まってしまうような事があった場合ですが、その事について医師とお話になられた事がありますか

 

(患者)

ええ、病院に来た時に話をしました

 

(医師) 

あなたは何とお答えされたのですか

 

(患者)

蘇生してもらう事を希望しました。もし心臓の鼓動をもどしてもらえるなら、戻してください

私はまだまだ心の準備ができていません

 

(医師)

そうなんですね

今まで心肺蘇生によって予期される事に関してお話をお聞きされたことがありますか

 

(患者)

いいえ、ありません

 

(医師)

もし入院している患者さんの心臓が止まってしまった場合、テレビでよく見るのとは違って、多くの場合患者さんは亡くなってしまいます。若くて健康な人の場合は話が変わるのですが、病院に入院している人が心肺蘇生術を受けて、生還して退院できるのは100人中15人くらいです。つまり100人中85人の方が生還することができません。

たとえ生還できたとしても、本人の状態や年齢にも関係しますが、心肺蘇生中、脳への血液供給が十分でなくて脳へのダメージが起こり、それがもとに戻らなくなる可能性があります

 

(患者)

・・・

 

(医師)

あなたの現在の状態や年齢から考えますと、心肺蘇生を行なったとしても、先程あなたが今後家でどのように過ごされたいかと希望されるような状態には戻してくれない可能性が高いと考えいます

 

(患者)

・・・

ええ、そうみたいですね

私はただ家にいることが望みです

 

(医師)

あなたの状態、及びあなたがどのような事を望んでいるかというお話からして、その時がきたらその時で、もしあなたの心臓が止まってしまった時は、心肺蘇生を行わず、苦痛の緩和に専念する

私はそういった治療をお勧めしようと考えています

 

(患者)

・・・

そうですね、分かりました

私もそう思います

 

(医師)

わかりました

あなたの娘さんにもあなたのお考えを共有していただく事が大切だと考えますが、またお電話してお伝えさせていただいてもよろしいでしょうか

 

(患者)

ええ、お願いします

 

 

 

  

 

代理者との対話

 

(医師)

治療の次のステップに関してお話をしてもよろしいですか

 

(娘)

ええ、やはり私は母の人工呼吸器治療を中止したくないです

 

(医師)

そうですか

ご家族がそのようにお考えになるのは当然のことだと感じます

 

ただ、もしあなたのお母様がここにおられるとしたら、そして今私が説明したような状態に関してお聞きされたとしたら、何とおっしゃられると思いますか

 

(娘)

今までそんな風に考えた事はありませんでした

 

でも私は母がどんな人かを知っています

きっと「そんな治療はしてほしくない」そう言うだろうと思います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会話例(他)

 

あなたの病気について理解していることを教えてください (R:reframe)

 

(私はこの治療で良くなっていない。他に何か良い治療があるはずだ)

 

より有効な治療があればいいと私も願います (E:expect/empathize)

 

 

他の医師からどのような説明を受けていますか (R)

 

 

あなたの病気は今どんな状況にあると感じていますか (R)

 

(私はCOPDを患っている。この数週間呼吸が悪化している。でも今までずっとこうやってきたし、また良くなると思っている)

 

あなたはこの病気と長い間向かい合われてきたのですね (E)

 

そして今私たちはもしかしたら違う場所に立っているのかもしれません (R)

 

(どういう意味ですか?もしかして私にあきらめろと言っているのですか)

  

いえ決してそういう意味ではありません。でも、あなたが言われる「あきらめる」という意味について教えていただいてもよろしいでしょうか (R)

 

 

もしかしたら一旦立ち止まって今からどこを目指していくかを話し合うのにちょうど良いタイミングかもしれません (R)

 

今日はあなたの病気が一般的には今後どのような経過になっていくかをお話しさせていただきたいと考えていましたが、いかがでしょうか (R) 

 

 

 

Bad newsを伝える

Fire a warning shot

検査結果は望んでいたものではありませんでした

重大なことを伝えなければなりません

  

Be clear and direct

生検の結果癌が見つかりました

癌が肝臓と肺に再発しています

 

Shut up

情報を伝えたあと会話をとめる

 

 

 

これが何を意味するかお話させていただいてもよろしいでしょうか (R)

 

(他に何かできることはないんですか、ほんとうにあなたは全て調べ尽くしたと言えますか)

 

ご心配になられるのは当然のことだと思います (E)

 

今日あなたはこの事を聞くことを予期されてなかったように見受けられます (E)

 

 

患者の経験を完全に理解することはできないが、理解しようとしている姿勢を見せることはできる

言ってはならない事

”あなたがどのように感じているか私には良くわかります”

 

 

(私はもう死ぬしかない、ということを言っているのですか) 

 

これらの話をお聞きになるのは本当に怖いことだろうと思います。できれば違った話をお伝えできればよかったと感じています (E)

 

(まだ希望はありますか)

 

どんな状況でも常に希望はあります (E)

 

あなたが不安に感じられている事を教えていただけますか (E)

  

 

この状況の中で、あなたにとって一番大切なことはなんですか (M:map out what's important)

 

(私にとって一番大切なことは諦めないことです。過去を振り返った時にやれることを全部しなかったと後悔したくないんです)

 

あなたの諦めないという姿勢を尊敬します (E)

 

あなたにとって一番重要なことは諦めないことなんですね (A:align with patient's values)

 

 

時間が限られているかもしれない中で、あなたにとって最も重要なことはなんですか (M)

 

今から先の事を考える時、あなたはどんな事を避けたいと考えていますか (M)

 

これからの事を考える時、あなたにとって最も大切なことはなんでしょうか、QOLでしょうか、どれくらい長く生きられるかでしょうか (M)

 

 

あなたのお話を聞くかぎり、あなたにとって最も大切なことは痛みがコントロールされ、家族とより多くの時間一緒に過ごせることのようですね。また再び呼吸器に繋がれることのような痛みや苦痛を受けたくないようですね。そういう理解で正しいでしょうか (A)

 

 

何が重要かというあなたのお話からすると、少しでも長く生きられる可能性があるのなら、たとえそれが機械によって生命が維持される場合であったとしても、いかなる治療をも追求されたい、あなたはそのように考えられている (A)

そのような理解で正しいでしょうか

もしこんな状況なら機械による生命維持を希望されない、そんな状況で思い浮かばれることはありますか (M)

 

(自分で判断ができず、家族の顔も認識できないような状態の場合は生命維持治療を望みません) 

 

 

私から提案をさせていただいてもよろしいでしょうか (P:plan to match values)

 

何が重要かというあなたの話から考えて出来ることがたくさんあります。まず痛みをコントロールすることです。痛みの治療には様々な方法が確立されています。またサービスを利用することで、あなたが家で過ごすことを助け、家族との価値ある時間をより長く過ごすことができます。 新しい薬を試してみてあなたがどう感じられるかによって、それがどれくらい可能かに関する理解が深まります

また今言ったことを全て行うことに加え、CT scanや血液検査を行ったり、また人工呼吸器につなぐといった蘇生術を行うことは、あなたが言われたゴールから考えると、必ずしも役に立つものとは考えにくいので今後行わないことを提案したいと考えています

あなたはどう思われますか

 

 

あなたが今言われたことから考えると、これからは症状のコントロールにより注意を注ぎ、家で過ごせる時間を大切にされたい (A)

今後、胸痛が起こる度に入院するということをやめることで、それがより達成しやすくなるかと考えます (P)

あなたはどう思われますか

 

 

あなたが今言われたことから考えると、今後病気が悪化した場合に心肺蘇生術を施したり、人工呼吸器を使用することはあなたの希望とは一致しないように感じます。仮にもしそれが起こってしまった場合、生命維持装置から離脱できない可能性が高いと考えます。たとえ離脱できたとしても、その後自立して生活することがより困難になると感じます。

そういう事は避けられたいと考えらている

その理解で正しいでしょうか (A)

  

 

 

 

 

  

 

 

1

Bernacki RE, Block SD, American College of Physicians High Value Care Task Force Communication about serious illness care goals: a review and synthesis of best practices JAMA Intern Med 2014;174:1994-2003

 

2

Smith TJ,  Giving honest information to patients with advanced cancer maintains hope Oncology (Williston Park) 2010;24:521-5

 

3

Wright AA,  Associations between end-of-life discussions, patient mental health, medical care near death, and caregiver bereavement adjustment JAMA 2008;300:1665-73

 

 

f:id:Tatsu21:20180516161634j:plain

インフルエンザ

 

インフルエンザAはウイルス表面の2つの主な糖タンパクに基づいてサブタイプに分類される(H: hemagglutinin (16種類), N: neuraminidase (9種類), H1N1, H3N2が人でよく流行する)。遺伝子が比較的不安定で流行しやすい

 

 

 

インフルエンザBはAに比べ多様性が少なく亜型分類されない。流行株はB/victoriaとB/yamagataという二つのグループに大別することができる。それぞれの抗原の差異はAに比べて小さく、Bに対する免疫やワクチンはほぼ同一であるため、Bのいずれかに感染、あるいはワクチン接種をすればB全てに対してほぼ一定の効果を得られる

 

 

 

米国においてインフルエンザは12月から3月にかけてピークを迎えるが、地域によっては4月あるいは5月でも認められる。インフルエンザBは一般的にAに比べ遅いピークを迎えより長く流行する

 

  

 

感染による合併症や入院のリスクが高いのは、5歳以下の小児、65歳以上の高齢者、妊婦、施設入居者、慢性疾患既往、免疫不全患者、19歳以下でアスピリン長期服薬中、重度肥満者(BMI>40kg/m2)等である

 

 

 

年齢6ヶ月以上のすべての人が毎年ワクチン接種を行うことが推奨されている

  

 

 

近年のスタディではワクチンの効果がインフルエンザのシーズン中に弱まっていく事が示されている。よって夏にワクチン接種を行うのは早すぎる可能性がある。それ以降かつ10月の終わりまでに接種することが理想的である(1, 2, 3)

 

 

 

ワクチンの効果はシーズン毎に変わり、また年齢、基礎疾患、免疫機能、そしてワクチン株と流行するインフルエンザ抗原の一致の程度など、様々な要因の影響を受ける

 

   

 

ワクチンの効果はインフルエンザの型またインフルエンザAのサブタイプによっても変わる

(近年のsystematic review and meta-analysisではワクチンの有効率はインフルエンザA(H1N1)で61%、インフルエンザBで54%、インフルエンザA(H3N2)で33%であった。インフルエンザA(H3N2)でワクチン株がよく一致した場合は有効率33%、しかし抗原連続変異があった場合は23%であった)(4)

 

 

 

ワクチンはインフルエンザ感染による入院を防ぐことに中等度有効である(5, 6, 7, 8)

 

 

 

抗原の含有量を増やしたワクチンの方がより有効であるかもしれない

50歳以上の成人8500人以上で行われたrandomized controlled trial では各hemagglutinin抗原の含有量を3倍にしたrecombinantワクチンは通常量の抗原を含むワクチンに比べより有効であることが示された(9)。また各抗原の含有量を4倍にした不活化ワクチンは通常の抗原含有量の不活化ワクチンに比べnursing home居住高齢者の呼吸器疾患に関連する入院を減らすことが認められた(10)

 

  

 

現在米国では様々な種類のインフルエンザワクチンが利用可能である

各ワクチンは以下の組み合わせによって種類が異なる

 

・不活化・生・遺伝子組み替え

・ 鶏卵培養・哺乳類細胞培養

・通常量抗原含有・高量抗原含有 

・三価・四価(三価は2つのインフルエンザA抗原(H3N2とH1N1)および1つのB抗原を含み、四価は上記2つのA抗原と2つのB抗原(B/YamagataとB/Victoria)を含む)

 

1. inactivated, standard dose, egg-grown, trivalent

2. inactivated, standard dose, egg-grown, quadrivalent

3. inactivated, standard dose, cell culture-grown, quadrivalent

4. inactivated, standard dose, egg-grown, quadrivalent, intradermal

5. inactivated, high dose, egg-grown, trivalent

6. adjuvanted inactivated, standard dose, cell culture-grown, trivalent

7. recombinant, high dose, trivalent

8. recombinant, high dose, quadrivalent

9. live attenuated, egg-grown, quadrivalent, intranasal

(4は皮下注、9は経鼻投与、それ以外は筋注投与である)

 

  

 

経鼻投与可能な生ワクチンがFDAに承認されたが、効果が特にインフルエンザA(H1N1)に対して弱いことが確認されたためCDCは2016から2018年のシーズンに使用しないことを推奨している(1)

 

 

 

インフルエンザワクチンは妊婦に投与しても重大な妊娠あるいは胎児への合併症を認めなかった(11, 12, 13, 14, 15)

 

 

 

インフルエンザワクチンがギランバレー症候群発症のリスクを高めるかどうかははっきりしていない

(observational studiesのsystematic review and meta-analysisではインフルエンザワクチンとGBSがわずかに関連することが示された(16)。一般的には、以前にインフルエンザワクチン投与6週間以内にGBSを発症した人でインフルエンザ感染による合併症リスクの低い人はワクチン接種をしない事が推奨されている。インフルエンザ感染による合併症リスクの高い人の場合はGBSのわずかなリスクよりワクチン接種による利益が上回る。またインフルエンザ感染自体によるわずかなGBS発症のリスクも減らしうる(17, 18))

 

 

 

インフルエンザワクチンの多くは鶏卵培養で作られるが、ワクチンによる重度のアレルギー反応は、卵アレルギーの人でさえ稀である。卵のアレルギーによって蕁麻疹のみが出る人にもインフルエンザワクチンは投与できる。卵のアレルギーによって血管浮腫、呼吸困難、めまい、嘔吐を認める人、あるいはエピペンを必要としたり、アナフィラキシーによって緊急対応を要する人の場合でさえ入院あるいは外来にて医療従事者の監視のもと投与することが可能とされている(1)

  

 

 

正常免疫能で合併症を伴わないインフルエンザ感染の症状を発症した人はおよそ4~7日間上気道からウイルスを排出するとされているが、一般的には3日目以降劇的にウイルスの排出および伝染性は下がる

 

 

 

randomized clinical trials の systematic review and meta-analysisではフェイスマスクを伴う手洗いが家庭内でのウイルス伝染(laboratory-confirmed transmission)を減らす事が示された(手洗いのみでは認められなかった)(19)。他のreviewでは手洗いやフェイスマスクがウイルス伝染を減らす効果は認められなかったが、その多くのスタディに欠陥が指摘されている(20)

 

 

 

neuraminidase inhibitorであるオセルタミビルと吸入薬ザナミビルがインフルエンザ予防薬として承認されている。予防薬は施設でのoutbreakに重要な役割を果たす。オセルタミビルはインフルエンザ予防薬としてnursing homeにおけるoutbreakのコントロールに有効である事が確認されている(21, 22, 23)。nursing homeでoutbreakが起こった場合は全ての居住者に予防薬を投与する事が推奨されている。予防薬は少なくとも2週間、outbreakの期間から1週間は長く投与されるべきとされている

 

 

 

インフルエンザが流行している最中は臨床診断のため、あるいは治療薬を処方するか判断する目的のためにインフルエンザの診断テストを行う必要はない (24)。テストの結果が臨床マネージメントに影響する場合は考慮する

 

  

 

重篤な患者では上気道のみからサンプルを採取した場合、RNA検査でも偽陰性となる可能性がある。気管チューブからの吸引あるいは気管支洗浄液によるサンプル採取によってインフルエンザ診断が可能となる場合がある(25, 26)

 

  

 

インフルエンザテストのsensitivityは、大人より子供の方が、咽頭より鼻咽頭から採取した方が、そして発症から数日以内にテストした方が一般的には高いとされている

 

 

 

インフルエンザ診断テスト

Rapid diagnostic test

antigen detection,   10 min,    low-moderate sensitivity,  high specificity

Rapid molecular assay

viral RNA detection,   15-20 min,    moderate-high sensitivity,  high specificity

Molecular assay

viral RNA detection,    60-80 min,    high sensitivity,  high specificity

 

   

 

Rapid diagostic testはsensitivityが高くないため偽陰性がよく認められる。入院患者ではmolecular assayによる検査が推奨される(27) 

 

 

 

インフルエンザの合併症は多岐にわたる

(中耳炎、心筋炎、心内膜炎、痙攣、脳炎、急性壊死性脳症、急性散在性脳脊髄炎、ギランバレー症候群、筋炎、横紋筋融解など)

 

  

 

発熱が3~5日間以上続く、症状が悪化する場合等は細菌感染の合併による肺炎あるいは髄膜炎の可能性を考え、血液、培養、画像検査などを考慮する

 

   

 

アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱剤は水分喪失、また頻脈などによる代謝亢進を防ぎ、悪寒や筋痛などの症状を緩和する

(解熱剤治療が発症期間を長くしたり、または短くするという明らかなエビデンスは認められていない)

 

 

 

アスピリンあるいはアスピリンを含有する薬剤はインフルエンザあるいはその疑いの患者、特に小児および若年者ではReye syndrome のリスクがあるため避けるべきとされている(28, 29)

 

  

 

インフルエンザAおよびBに有効なneuraminidase inhibitors (経口オセルタミビル、吸入ザナミビル、静注ペラミビル)がインフルエンザの治療に推奨されている

 

オセルタミビル 

治療:75mg 経口1日2回5日間投与(重症患者ではより長い投与が必要となりうる)

予防投与:75mg1日1回(投与期間は暴露の期間に準ずる)

CDCによって入院患者の治療に推奨されている

腎機能低下では投与量の調整が必要となる

  

ザナミビル

治療:2吸入(10mg)1日2回5日間投与

予防投与:2吸入(10mg)1日1回(投与期間は暴露の期間に準ずる)

吸入ザナミビルはdataがないため入院患者治療には推奨されていない

  

ペラミビル

治療:600mgを15~30分かけて1回静注(1回投与がオセルタミビル5日間投与に匹敵する)

予防投与:適応なし

外来投与が推奨されている(入院患者治療の効果に関するdataは不十分である)

 

 

 

重症患者ではオセルタミビルを経口胃管あるいは経鼻胃管から投与する事が可能である

 

 

 

adamantane薬剤(アマンタジン、リマンタジン)はインフルエンザBに対する効果がなく、また現在流行しているインフルエンザ A(H1N1, H3N2)も抵抗性を示すためインフルエンザ治療に推奨されていない

 

 

 

CDCはインフルエンザ感染が確認された、あるいは疑いのあるすべての入院患者に対しneuraminidase inhibitorを検査結果を待たずにできるだけ早く投与開始することを推奨している

 

 

 

インフルンザで入院した患者のobservational dataでは抗ウイルス薬の投与開始が発症時に近いほど臨床効果が大きいことが示されたが、発症から48時間以降の投与でも投与しない場合に比べ利益がある事が示された(30)

 

  

 

外来ではインフルエンザが診断された、あるいはその疑いがあり、合併症リスクの高い患者では抗ウイルス薬治療が、たとえ発症から48時間以上経過していても、推奨される 

 

 

外来において発症から48時間以内に訪れた合併症リスクの高くないインフルエンザ、あるいはその疑いのある患者では抗ウイルス薬治療を行うかどうかは臨床判断に委ねられる

 

 

合併症を伴わないインフルエンザ患者の外来治療におけるrandomized clinical trialsでは発症48時間以内にneuraminidase inhibitor 治療を開始した場合、インフルエンザの発症期間をおよそ0.6~1日間短縮することが示された(31, 32)

 

 

 

成人外来患者におけるオセルタミビルとプラセボを比較したrandomized controlled trialsのmeta-analysisでは オセルタミビル投与が抗菌薬治療を要する下気道感染合併およびいかなる理由による入院のリスクを減らす事が示された(31)

 

 

 

 

 

 

 

1. Grohskoph LA,  Prevention and Control of Seasonal Influenza with Vaccines: Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP)-United States, 2017-18 Influenza Season. MMWR Recomm Rep. 2017 

 

2. Ferdinands JM,  Intraseason waning of influenza vaccine protection: evidence from the US Influenza Vaccine Effectiveness Network, 2011-12 through 2014-15. Clin Infect Dis. 2017; 64:544-550

 

3. Belongia EA,  Waning vaccine protection against influenza A (H3N2) illness in children and older adults during a single season. Vaccine. 2015;33:246-51

 

4. Belongia EA,  Variable influenza vaccine effectiveness by subtype: a systematic review and meta-analysis of test-negative design studies. Lancet Infect Dis. 2016;16:942-51

 

5. Havers F,  Case-control study of vaccine effectiveness in preventing laboratory-confirmed influenza hospitalizations in older adults, United States, 2010-2011. Clin Infect Dis. 2016;63:1304-1311

 

6. Grijalva CG,  Association between hospitalization with community-acquired laboratory-confirmed influenza pneumonia and prior receipt of influenza vaccination. JAMA. 2015;314:1488-97

 

7. Ferdinands JM,  Pediatric Acute Lung Injury and Sepsis Investigators (PALISI) Network. Effectiveness of influenza vaccine against life-threatening RT-PCR-confirmed influenza illness in US children, 2010-2012. J Infect Dis. 2014;210:674-83

 

8. Petrie JG,  Influenza vaccine effectiveness against antigenically drifted influenza higher than expected in hospitalized adults: 2014-2015. Clin Infect Dis. 2016;63:1017-25

 

9. Dunkle LM,  Efficacy of recombinant influenza vaccine in adults 50 years of age or older. N Engl J Med. 2017;376:2427-2436

 

10. Gravenstein S,  Comparative effectiveness of high-dose versus standard-dose influenza vaccination on numbers of US nursing home residents admitted to hospital: a cluster-randomised trial. Lancet Respir Med. 2017. 

 

11. Polyzos KA,  Maternal influenza vaccination and risk for congenital malformations: a systematic review and meta-analysis. Obstet Gynecol. 2015;126:1075-84

 

12. McMillan M,  Influenza vaccination during pregnancy: a systematic review of fetal death, spontaneous abortion, and congenital malformation safety outcomes. Vaccine. 2015;33:2108-17

 

13. Bratton KN,  Maternal influenza immunization and birth outcomes of stillbirth and spontaneous abortion: a systematic review and meta-analysis. Clin Infect Dis. 2015;60:e11-9

 

14. Fell DB,  Fetal death and preterm birth associated with maternal influenza vaccination: systematic review. BJOG. 2015;122:17-26 

 

15. Kharbanda EO,  Vaccine Safety Datalink. First trimester influenza vaccination and risks for major structural birth defects in offspring. J Pediatr. 2017 

 

16. Martin Arias LH,  Guillain-Barre syndrome and influenza vaccines: a meta-analysis. Vaccine. 2015 Jul 17;33(31):3773-8

 

17. Sivadon-Tardy V,  Guillain-Barre syndrome and influenza virus infection. Clin Infect Dis. 2009;48:48-56

 

18. Lehmann HC,  Guillain-Barre syndrome after exposure to influenza virus. Lancet Infect Dis. 2010;10:643-51

 

19. Wong VW,  Hand hygiene and risk of influenza virus infections in the community: a systematic review and meta-analysis. Epidemiol Infect. 2014;142:922-32

 

20. Smith SM,  Use of non-pharmaceutical interventions to reduce the transmission of influenza in adults: a systematic review. Respirology. 2015;20:896-903

 

21. Bowles SK,  Use of oseltamivir during influenza outbreaks in Ontario nursing homes, 1999-2000. J Am Geriatr Soc. 2002;50:608-16

 

22. Gorisek Miksic N,  Oseltamivir prophylaxis in controlling influenza outbreatk in nursing homes: a comparison between three different approaches. Infection. 2015;43:73-81 

 

23. Ye M,  Evaluation of the use of oseltamivir prophylaxis in the control of influenza outbreaks in long-term care facilities in Alberta, Canada: a retrospective provincial database analysis. BMJ Open. 2016;6:e011686

 

24. Centers for Disease Control and Prevention. Guide for considering influenza testing when influenza viruses are circulating in the community. 17 July 2017

 

25. Rice TW,  Critical illness from 2009 pandemic influenza A virus and bacterial coinfection in the United States. Crit Care Med. 2012;40:1487-98

 

26. Rello J,  Intensive care adult patients with severe respiratory failure caused by influenza A (H1N1) v in Spain. Crit Care. 2009;13:R148

 

27. Centers for Disease Control and Prevention. Guidance for Clinicians on the Use of RT-PCR and Other Molecular Assays for Diagnosis of Influenza Virus Infection.  

 

28. Belay ED,  Reye's syndrome in the United States from 1981 through 1997. N Engl J Med. 1999;340:1377-82

 

29. Monto AS,  The disappearance of Reye's syndrome-a public health triumph. N Engl J Med. 1999;340:1423-4

 

30. Muthuri SG,  Effectiveness of neuraminidase inhibitors in reducing mortality in patients admitted to hospital with influenza A H1N1 pdm09 virus infection: a meta-analysis of individual participant data. Lancet Respir Med. 2014;2:395-404

 

31. Dobson J,  Oseltamivir treatment for influenza in adults: a meta-analysis of randomised controlled trials. Lancet. 2015;385:1729-37

 

32. Jefferson T,  Neuraminidase inhibitors for preventing and treating influenza in healthy adults and children. Cochrane Database Syst Rev. 2014:CD008965

 

 

 

インザクリニック

アナルズオブインターナルメディシン

2017年9月5日