レジデントノート

米国にて内科修行中。何ができるか模索している過程を記録していく

2020-01-01から1年間の記事一覧

せん妄

せん妄は突発性の混乱、時間による動揺、注意力低下、意識レベルの異常を特徴とする急性の脳機能障害である(1-3) せん妄(delirium)、脳症(encephalopathy)、急性錯乱状態(acute confusional state) に対する用語が近年改訂され、専門家がそれぞれ特…

C型肝炎ウイルス

全経口投与可能、短期間投与、耐容性良好、広く入手可能、効果の高い急性および慢性C型肝炎ウイルス感染に対する抗ウイルス薬の急速な発達によってウイルスの根絶が達成可能なゴールとなっている。2016年にWHOは2030年までにHepatitis C virus (HCV)の影響を…

慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease (COPD))はよく見られる予防および治療が可能な疾患で、持続的な呼吸症状と肺活量測定によって確認される進行的な気道閉塞を特徴とし、有害な粒子やガスに対する肺の異常な炎症反応と関連する(1-5)…

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は甲状腺が末梢組織の需要に見合うだけの十分な甲状腺ホルモンを産生できない状態である 原発性甲状腺機能低下症は甲状腺自体の疾患による甲状腺不全を指し、全ての甲状腺機能低下症の99%以上を占める(1) 原発性甲状腺機能低下症は基準範…

全身性エリテマトーデス

Systemic Lupus Erythematosus (SLEあるいはループス)は免疫システムが体中の正常な細胞と組織を攻撃することによって起こる病態である。SLEの免疫反応はBリンパ球とTリンパ球の過剰な免疫応答と自己抗原に対する免疫寛容の欠如によって特徴づけられる。抗体…

好酸球性食道炎

好酸球性食道炎は比較的新たな疾患で最初に認識されたのは1990年代である 食物アレルギーによってもたらされ、食道の慢性炎症、線維化、狭窄をきたす(1) 悪性疾患に進展する可能性はないと考えられているが、食物が詰まるなどの急性のイベントが起こり、患…

甲状腺機能亢進症

甲状腺中毒症(thyrotoxicosis)は血清および組織におけるサイロキシン(T4)、トリヨードサイロニン(T3)あるいはその両方が過剰になることで起こる病態である 甲状腺機能亢進症(hyperthyroidism)は甲状腺の活動過剰によって起こる甲状腺中毒症のことを…

線維筋痛症

線維筋痛症はよく見られる疾患で主症状は慢性的で広範囲にわたる疼痛である(1) 有病率は用いる診断基準によって4倍も異なりえる(2) 線維筋痛症は人口のおよそ2〜4%が罹患している(2) 線維筋痛症は費用がかかり、生産性の喪失や機能障害による社会へ…

診療外の風景

ICUの受付のおばちゃんが「あんたは痩せているからもっと食べろ」と言っていろんな物をくれる